2023年5月7日日曜日

247. DX運用日誌(142)-DX0NE-

DX0NE(Spratly Islands)の入感&コールした状況をまとめておく。
スプラトリー諸島は南シナ海、マニラの南西約700kmに位置する複数の岩礁・砂州を埋め立てた人口島。伝搬的には良好な地域のため、50MHzを含めマルチバンドでのQSOに期待。

今回のペディションは10日間のシングルオペレーションのため、タイミングを逸すると厳しい状況になる可能性もあり、GW期間中は目が離せない状況となった。

<4/30>
ペディション初日の20時前に14.019MHz/CWで入感を確認。信号は599+であるが、予想どおり激しいパイルアップとなっており、またコール開始後15分程でQRTした様子。

<5/1>
朝6時半頃から14.019MHz/CWで入感。コール開始後、15分程でQRXの告知。そのまま待機していると8時前から再びQRVを確認。最初はオンフレでピックアップしており混沌としていたが5分程でスプリット運用に変更。
クラスターにもアップされ激しいパイルアップとなったが、+2.5KHz前後で30分程コールしてリターンが得られ、ATNO解消となった。

20時過ぎになって14.091MHz/FT8で入感。DTが-1.0ほどズレており補正してコール。
2Slots運用でSNRはピーク-3dBと強力であるが短く深いQSBがある。MSHV運用のためDFよりも下でコールするもパイルアップが激しくリターンは得られないまま、23時前にCQを連呼した後でQRTした様子。

<5/2>
午前中の9時頃から午後14時半頃まで断続的に28MHzで入感していたようであるが、外出のためワッチできず。
16時半頃から50.313MHz/FT8で入感を確認。昨日同様、DTを-2.0ほど補正してコール開始。2SlotsでSNRは-4dBと強力であるがQSBが激しく次のピリオドで-22dB辺りまで急降下する。結局、1.5時間ほどコールするもリターンは得られず18時過ぎにフェードアウト。

PSKReporterで18.069MHz/CWでのQRV確認。ワッチするとRST559程度で入感しており+1.7KHzでコールしたところ、1回目でリターンを得た。

その後14.090MHz/FT8でのQRVを確認しワッチすると2Slots/2dBで入感。未だ出始めの頃なのかコールする局も少なく、先方のDF1,200Hzに対して800Hz辺りでコール開始。
今回も長丁場かと思いきやは2分ほどでリターンを得た。昨夜は3時間近くコールしてもリターンが得られなかったが、Wkdできる時はこうしたものである。

<5/3>
朝の10時頃から28.091MHzで待機していると10時半頃にWide Graph上にそれらしき光点が現れるが、DTが大きくズレておりデコードできない。
DTを+5.0に補正しても追いつかず+7.0でようやくデコードし最初のコールで「+08」のリターンを得た。
その後、CQを繰り返して誰もコールされていないため、DXSCAPEにDT-7.8を注記してSPOT。クラスターは "Give & Take"の関係ではあるが、いたずらにパイルアップを激化させないよう細心の注意が必要。

<5/4>
9時頃から28MHz/CWでQRVを確認するも信号は弱くパイルも激しいため途中で断念。午後にかけてベランダアンテナの設置工事を行う合間にワッチする程度で静観。
16時半頃にRST539程度で入感を確認。パイルも落ち着ている様子なので、+1KHzあたりでコールしていると5分程でリターンを得た。

PSKReporterをチェックすると24.911MHz/FT8でQRVを確認。ワッチすると4Slots/-7dBで入感。DFの500Hzほど下でコールしていると5分程でリターンを得た。

その後、50MHzをワッチするとフィリピン局が+1dBで入感しており、暫くすると同局をコールされる局が複数見える。
そのまま待機していると18:09に-18dBで入感。その後SNRは急上昇し、24MHz同様、3Slots/-8dBで入感。DF1,136Hzの下で何とか隙間を見つけてコールし、6分後にリターンを得た。
19時頃までJA局がコールされていたが、こちらでの最終デコードは18:39であり30分間のオープンでチャンスを活かせた。


<5/5>
6時過ぎにPSKReprterで10.131MHz/FT8のQRVを確認。ワッチすると既に50局ほどが
コールされている。いつもどおり先方のDFの500Hzほど下で隙間を見つけてコールを開始すると幸運にも6回目でリターンを得た。暫くワッチしていると既にクラスターにもアップされており70局ほどがコールされている。

14時半頃に外出から戻り、SPOTで21.096MHz/FT8のQVを確認。30局ほどがコール
されているが、21.095MHzに合わせるとDF1,2000Hz辺りのいつも位置となり、ルーティンとなった-500~600Hz辺りで空きを探してコールを開始。
10回ほどで「+02」でリターンを得たが、QSBが激しく次のシーケンスで「RR73」を受領できず再チャレンジすることに。

信号が上昇したタイミングでコールしていると5分後に「+09」でリターン。このまま「RR73」に辿り着くと思いきやまたしても「RR73」が見えない.. 信号が安定するまで10分ほど待って、4Slots/-18dBのタイミングでコール。直ぐに「+20」のリターンを得て次のピリオドでようやく「RR73」を受領した。

22時頃にDXWorld.comをチェックすると当面1.9~7MHzのQRVを控えて10~50MHzに集中するとのこと。今回、LowBandは無理かと諦めていたが、PSKReprterで7MHzのフラッグが立っている。

Freq Planを確認して7.056MHzをワッチすると50局ほどがコールされており、3Slots(5Lines)/-14dBで入感。既にクラスターにもSPOTされており、これから更にパイルアップが激しくなる予感。
いつもどおりDF1,200Hzに対して500Hzほど下に陣取ってコール開始。6回目でリターンが得られた。

今回の7MHzでのQSOで50MHzまでの7バンドが揃った。残す3.5MHzはQRVは不明ながら最終日まで引き続き注視する。



2023年5月5日金曜日

246. 4月のレビュー

<サマリー>
QSO数は183となり、前年同月(142QSO)、前月(118QSO)よりも上回った。またDXペディション局とのQSO(72QSO)が全体の4割を占めた。
参考指標としている年間DXCCは4ヶ月で200エンティティを超過。昨年よりも早いペースとなった。


<エリア/バンド別状況>
エリア別ではオセアニアがDXペディション局が複数QRVしていること(9局とQSO)また50MHzでVK,ZLのオープンが続いたことからQSO数全体の6割となり、バンド別では50MHzが全体の1/4を占めた。


<エンティティ別状況>

DXペディション局を中心に未交信バンドの空きスロットを埋めることに注力した結果、Band NEWを32エンティティ伸ばし、先月(28エンティティ)を上回った。Wkdした主なエンティティは以下のとおり。


<アンテナのリニューアルから2年>
2021年の4月末にアンテナ変更工事を行ってから2年が経過。1年目は何度かトラブル(ケーブル断線等)に見舞われたが、この一年間では大きなものはない。唯一、AEU(Ra)のエレメントを巻き取った際(Home Position)コントローラーのディスプレイ表示が「_234」となる現象が散発し、現在は治まっている。

メーカーによると、内部センサーの動作不良若しくはエレメント先端部分が何らかの理由で折れ曲がって、ホームポジション位置にあるセンサーまで到達していないかも知れないとの事。

その他、強風の影響かラジエーターの左側のグラスファイバーポールがビーム方向に少し曲がってきている。

いずれも普段の運用には影響はないことから、工事業者の点検を気長に待っている状況。

運用面では、KA-1 Liteタイプの特徴かも知れないが、一旦、VSWRを1.1にセットしても翌日には変動しており、1.5を上回っているケースもあるため、Manual操作によるエレメント長の微調整が欠かせない。

またAEU(Ra)内部回路の焼損が起きないよう入力レベル(送信出力)には気を使っている。FT8ではバンドを問わず、送信は500Wを上限としているが、長時間コールする(せざるを得ない)状況では実質的には300W程度に絞ることが多くなった。※このレベルの出力差は結果に影響しないことが経験則として分かった

受信性能(特にFT8でのデコード)については、7MHzは短縮率が増え(70%→50%)、地上高も3m低くなったことから、機能的に劣ったことは否めない。※NEWエンティティ局の出始めを捉えて数コールでWkdするような経験はなくなった..

14MHzについても先のフルサイズ3エレと比較するとフロントゲインのカタログ値こそ同等だが、過去において他のJA局がコールされているDX局がデコードできないケースはあまりなかったが、今のアンテナでは結構見えないことが多い..

とはいえ、住宅地の環境でアンテナが隣地にはみ出すことがなく、7~28MHzの7バンドでDXを追いかけるには、故障リスク等があるにせよ他の選択肢は今のところ見つからない。