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2026年4月25日土曜日

324. AI解析の差異について

フェライトコアのノイズ抑制効果を生成AI を使って検証した際、 AI によって分析結果が異った。ノイズを定量化する際の基準となるパラメーターであったため、 その差異がどこから生じたのかを整理しておく。

■差異発生箇所

TS-990のメインディスプレイ(FFT表示/7インチ/800×480)のグリッド縦1マスあたりのピクセル数


AI①:40 px (1px = 0.25dB)
AI②:30 px (1px = 0.33dB)


1マス=10dB(10dB/div)であるため、1ピクセル当たりのノイズ量を算出する際の基礎値となる。

■AI①の回答

「この画像の垂直解像度は 480px である。GUI設計の一般的な定石に基づけば、表示エリアはキリの良い 400px 程度に設定されるのが通例であり、それに合わせてグリッドも 40px 間隔(10分割) または 20px 間隔(20分割)で配置されるのが最も合理的。」

「画像全体のレイアウトから推測しても、目盛り幅が 40px であると考えるのが統計的に最も妥当である。」

■AI②の回答

「提示された画像データの垂直軸を解析した結果、グリッドの配置には明確な幾何学的規則性が確認できる。」

「具体的には、y座標 100px 地点に第1グリッド、y座標 130px 地点に第2グリッドが位置しており、その座標差は正確に 30px である。この 30px の間隔は画面内の全グリッドにおいて一貫しており、画像の解像度(800×480)に対する相対的な位置関係とも完全に整合する。」

「したがって、1マスに相当する値は統計的な推測に頼るまでもなく、物理的に 30px であると確定できる。」

■AIの特性

AI①:推測ベースの判断(LLMの特性)


膨大なテキストデータを基盤とする LLM(大規模言語モデル)であり、画像を厳密な数値として処理するプロセスが不得手。そのため、全体の解像度や過去の学習パターンから「このサイズなら目盛りは 40px 程度が妥当だろう」といった統計的推測を優先したと考えられる。

実際には計測できずとも、指示に応えるために“測ったような体裁”を整えてしまう傾向がある。一方で、こうした特性は、曖昧な情報からでも即座に大まかな見立てを提示できるという強みの裏返しでもある。

AI②:視覚ベースの判断(マルチモーダルの強み)

画像の形状や比率を比較的正確に読み取ることができるマルチモーダルAIモデル。画像の形状・密度・規則性を直接読み取り、グリッド線の間隔やパターンを構造的に把握する能力を持つ。
厳密な座標計測を行うわけではないが、画面上の相対的な位置関係を正しく捉える点で、推測ベースのAI①とは本質的に異なる。この特性により、FFT表示のような規則構造を含む画像では、実際の画面表示に整合する値を返しやすい。

■差異原因の深堀り

両者の主張をそれぞれにフィードバックし、反証を求めるやり取り(議論)を数回繰り返した結果、 AI①も最終的に「1 マス=30 px」であることを認めた。さらに別の AI に全てのやり取りを検証させて整合性を確認。
注:画面の実寸(14.9×8.9cm)から求めたピクセルピッチと TS‑990 の画像データ(800×480px)は計算上一致する。

この検証過程を踏まえ、正解は視覚的に読み取ったAI②の回答(30px)と断定できる。そしてAI①の誤回答は単なる計算ミスというよりAIの構造的な違いに起因している。改めて
整理すると以下のようになる。

AI①は 言語モデルとしての「推論能力」を基盤にしており、 画像を数値データとして扱わず文脈や過去のパターンから “もっともらしく見える答え”を組み立てる(推測する)言わば
「文系AI」

AI②は 画像を映像的に扱える画像解析エンジンを備えており、 ピクセル位置や座標差といった物理量を直接扱うことができる。 そのため、視覚に基づく判断を積み上げた言わば「理系AI」
 同じデータ解析を指示したことで、両者の個性がより明確になった。

■AI活用のポイント

今回の検証で明らかになったのは、生成AIは同じ画像を見ても、その内部構造によって “見え方” や “考え方” もまったく異なるという事実である。

検索・言語モデルは、曖昧な状況でも素早く結論を提示できるが、長さや座標といった「物理的な数値」の扱いには「ハルシネーション(もっともらしい嘘)」が混じりやすい。

対して画像解析に長けたモデルは、測定において圧倒的な信頼度を誇るが、情報の取捨選択や文脈の解釈には別の知能が必要となる。

AIそれぞれの特性を理解し、状況に応じて「どの知能」を使うか。その選択の重要性を、今回の実験は改めて示してくれた。


2026年4月23日木曜日

323. フェライトコアの効果検証とノイズ対策の再構築

現在、HF帯~50MHzのアンテナ系にはコモンモードフィルター(CMF)を挿入し、補完的にフェライトコア(FC)を数ヶ所にクランプしている。しかしFCについては、必ずしも明確な根拠に基づく設置とは言えず、よく揶揄される“おまじない” の域を超えていない可能性もある。

そこで、FCの効果を定量化するためにAIを活用し、フロアノイズ低減(SNR向上)を目的とした環境の再構築を行った。








■CMF/FC の役割整理


①コモンモード抑制

CMFは特定帯域(HF帯など)で高いインピーダンスを得るよう設計された専用フィルターであり、アンテナ系に乗るコモンモード電流を大きく抑える。

FCは広帯域で緩やかに効く素子で、複数個を直列にすることでインピーダンスを積み上げられる。CMFで取り切れない残留コモンモードを追加で抑える役割を担う。

②ノイズ抑制(SNR向上)

CMFはアンテナ(同軸外皮)に付着したノイズを入口で遮断する一次対策であり、SNRに対して大きな効果を持つ。設置はアンテナ直下が最適だが、タワー上での障害切り分けが煩雑になるため、現在は屋内側のみで使用している。

FCはCMFでは遮断しきれない「別経路のノイズ」、すなわち長尺の制御線に途中で付着するノイズ、シャック内の電子機器からケーブルを介して放射されるノイズなど、アンテナ(主線)とは異なる経路で入り込むノイズに対して広帯域で効果を発揮する。

■FCの設置計画

現在のCMF設置状況を踏まえ、最適なFCの設置場所と数量をAIとの対話により決定。
設置計画は以下のとおり。

これまで特に対策を講じていない多芯・長尺の制御線(Versa用コントロールケーブル、ローテーターケーブル)は周囲のノイズを取り
込み易いため同軸ケーブル同様、ケーブル取り込み口に集中配置した。

ケーブル取り込み口の直下で5本のケーブルにFCをクランプすることは物理的に困難であり、また並列にした場合、FC同士が磁気的に接触し効果が薄れるため、直列配置にしつつ最短でも互いの距離を3cm以上(コア1個分相当)離すよう設置。デスク裏の壁面が少し雑然となるが止む無しとした。

次にシャック内で無線機に繋がるLAN、USBケーブルもPC側/TS-990側双方の端子にFCを取り付け、更にノイズを発生させるモニター2台に繋がるHDMI、ACラインにもFCを追加した。

■観測方法・概要

ノイズの定量測定にはスペアナが必要であるが所有していないため、TS-990のバンドスコープ(FFT表示)を簡易測定器として活用。

TS-990 の FFT はノイズレベルを絶対値(dBm)として表示しないものの、縦軸が 10 dB/div の固定スケールで描かれるため、フロアノイズの相対的な高さを読み取ることができる。

ただし肉眼では微小な差異を判別できないため、 FCあり/なしの各状態で FFT 画像を撮影し、
AI に読み込ませて高さの差分から dB差(効果)を推定することにした。


■観測条件・プロセス


測定の再現性を担保するため、以下の条件を固定。

・周波数:3.520MHz(家庭内/近隣ノイズの影響を受けやすい最もシビアなバンド)
・TS-990設定:AGC Off / P.AMP On / NB・NR Off / Filter 2.4kHz
・SCP設定:Grid 10dB / Span 20kHz / Averaging 2 / REF LEVEL固定

FCはあらかじめ決めた順序で “引き算方式” により取り外し、10分以内に全ステップを完了させることで伝搬変動の影響を最小化した。

観測プロセス(5ステップ)は以下のとおり;


■観測結果・効果


①分析基準


解析にあたり、以下の3つの基準を設定。

・固定スケールの確認(10dB=30px)

TS-990のFFT表示は 10dB/div の固定スケール。画像解析により「縦1マス=30px」が一定であることを確認。これが定量比較の前提となる。

・換算レートの算定(1px=0.33dB)

 10dBを30pxで割り、1px ≒ 0.33dB と換算。ピクセルの最小単位は整数(1px)だが、繰り返し測定した結果を平均することで、小数点以下の微細な変化も反映させた。

・ノイズ重心の定義

ノイズ波形は常に上下に揺れるため、波形の上側平均と下側平均の中点を「ノイズ重心」と定義。複数箇所のサンプリングと2枚の画像による平均化を行い、ノイズの「塊(かたまり)」としての動きを把握した。

② 観測結果

画像分析(注)の結果、各対策によるフロアノイズの抑制量を観測した。

注:グリッド変化値(px)はAIによる視覚的分析に基づく。Python等による定量的な画像解析は行っていない。

この観測結果からはでは、全ての対策によるノイズ削減効果は 5dB となり、無線機に届くフロアノイズを電力比で 約1/3(約32%) まで抑え込んでいる計算になる。

入力信号レベルが一定の条件下での測定であるため、このノイズ低減分はそのまま SNR の向上に寄与している筈だが、実運用でどの程度体感できるかは今後の確認となる。

■総括


今回の検証では、FC を用いた「多経路対策」の効果が明確になった。特に未対策だった制御線への FC 追加は、ノイズ床の低下が肉眼でも確認でき、同軸・制御線・周辺機器といった複数の侵入経路に対して段階的に対策を積み上げることの有効性が示された。

これにより「CMF で大元を遮断し、FC で周辺経路を封じる」という多層的なノイズ対策の方針が、実際の運用環境でも有効であることを再確認できた。

また、AI を用いた画像解析により、従来は感覚的だった FC の効果を視覚的に比較できた点も収穫である。ただし AI は得意・不得意があり、時に“もっともらしい誤答(ハルシネーション)”を返すこともあるため、一つのモデルに依存せず、複数の AI を使い分けて結果を照合することが解析の信頼性を高めるうえで重要となる。

<後記> 2026/5


今回、マルチモーダル AI による FFT 画像のピクセル差分からノイズ削減効果を推測したが、 後日、Python を用いて画像解析したところ、算定した数値は当初より小さい値となった。

この背景には、AI は見た目のノイズ床の高さを広く捉えて変化を評価するのに対し、 Python はノイズ分布の重心位置のみを数値化するため、変化が小さく算出されやすい。このように評価指標が異なるため、同じ画像でも結果が一致しない結果となった。

いずれにせよ、FFT 画像だけでノイズ低減量を定量的に求める方法には限界があり、反対に実際のノイズ減衰量が画像に十分反映されない場合も考えられる。実際に肉眼でノイズ床の低下は確認できるものの、 数ピクセル単位の変化量から算出した数値は、あくまで参考値として扱うのが妥当だろう。


2020年4月30日木曜日

89. 4月のレビュー

●新型コロナウイルスの影響
3月から世界的に感染拡大している新型コロナウイルスの影響で、予定されていたDX Peditionが次々と中止になっている。また、各国とも外出禁止が呼びかけられているため、固定局のActivityが向上すると思いきや、入感数に特に変化は見られないようである。

4月7日の緊急事態宣言から在宅勤務に移行したため、日中は、JTAlertでNEWエンティティやアフリカ・カリブ局が入感した際に "Audio Alert" で知らせるように設定しているが、たまにアラート(アナウンス)が鳴って見に行くと"Fake Decode" ばかりである..

新型コロナウイルス感染症拡大の防止を啓発するために、サフィックスが "STAYHOME" の局が各国、特にヨーロッパを中心に多数QRVしている。記念に(祈念に)Cyprus、FinlandおよびJamaica局をWkd。



●キーボードからのインターフェア混入
4月10日に7MHz FT8でJ68HZをコールしていると、いきなりPCがシャットダウン。その後も送信時に電卓のアプリケーションが勝手に起動したり、コントロールパネル等のウインドウが開く事象が発生。


最近のPC環境変化はメカニカルキーボードから軽量のWiredキーボードに変えたことだけであったため、試しにキーボードを外すと事象は現れないことを確認。キーボードのケーブルをフェライトコアで4回巻きにするも改善は見られないため、ワイヤレスのキーボードを通販で購入して置換。結果、不具合は再発しなくなった。

●21MHzでのFT8 DXing

昨年3月にアンテナシステムを変更した際、21MHzは3エレ八木からローターリーダイポールにスペックダウンしたこともあり、これまでQRVすることは殆ど無かったが、FT8で思いがけずDXが入感していることを知りワッチする機会が増えた。またコンディションが良い日が続いたこともあり、Band NEWとなるエンティティとアフリカ局に絞ってコールした結果、28エンティティ、アフリカ局はZSを中心に24局、以下7つのエンティティをWkdできた。

●4U1UNとの1st QSO
3月7日に初めてFT8 で入感して以降、何度かコールする機会は訪れたものの、総じてSNRが低く直ぐにデコードレベル以下に沈むため、4月になっても他のJA局がコールされている様子を眺めていることが多い状況であった。

5日ぶりの入感となった4月30日。朝7時45分頃にDXSCAPEでセルフスポット(14.085MHz F/H)を確認しワッチすると、既に20局程のJA局がコールされている。2分ほどして3Slots/ -16dBでデコードでき、その後も比較的安定して入感しておりチャンス到来の予感がする。

Wide Graphでバンド内の空きを確認して1700Hz辺りでコールを開始するが、こちらでは見えないW局にもリターンを返しておりQRM(Hound同士の被り)は何とか回避したいところ。既にWkdされたJA局が2500Hz、2800Hzと割と高いところでコールされていたため2850Hz辺りにQSY。8コール目で「-09」のリターンを得ることができた。

しかしながら、先方のSNRは-21dBと低く、続くシーケンスはデコードできず、送信3回目でタイムアウトする “3 strikes and you’re out rule” が頭をよぎったが、無事に「RR73」を受領できた。

この「RR73」のシーケンスで初めて4Slotsでのデコードを記録。その後10分程は1〜3 Slotsで入感していたが、8時16分のシーケンスを最後に再びデコードすることはなかった。終わってみれば、信号強度がピークとなるタイミングでリターンが得られたと思われ、運にも恵まれたようである。NEWエンティティのWkd/Cfm(ATNO)は、3月中旬のVP2VBから1ヶ月半ぶりとなった。




2020年1月24日金曜日

67. 50MHz用アンテナ・フィルターの耐圧

先般、50MHz FT8でVK局とQSOした際、送信出力は600W程度にしていたが、今後もFT8でDXを追いかけることを想定して、アンテナとコモンモードフィルター の耐圧レベルを改めて確認。

CL6DXは、取扱説明書で耐電力が平均/
PEP=1/2kWとの記載があり、FT8による連続送信の場合はPEPの1/4程度と考えるが、念のためクリエイトデザイン社にメールで問い合わせたところ、やはり「約500W」との回答を得た。ちなみに上位のCL6DXX、CL6DXZもFT8の耐圧は同じとの事。なお、輻射器を「2.5/5kW型」に交換すれば1kWまで耐圧を高めることはできるが、受注生産品であり価格は32,600円(税/送料別)とほぼアンテナ本体と同額。また、既存のコモンモードフィルター CMF2000は、1kW変更申請時にメーカーに問い合わせた際、FT8での運用は650W以下との回答であった。

HF帯用アンテナ2機とコモンモードフィルター4個 は、デジタルモードでも1kW耐圧の仕様であるが、50MHzは1kWの免許を受けた後、恒常的に1kW送信することは想定しておらず、また、FT8を用いたEsマルチホップ伝播によるDXで、どの程度まで出力が必要なのか不明なため、今年、FT8での運用で様子を見ることとし、そもそもアンテナゲイン不足(十分にデコードできない..)ならば、アンテナ構成を変える際に耐圧を高めることにする。
コモンモードフィルター については、ネットオークションでコメット 社のTF-5000(PEP 5kW)の中古品を7,000円程で入手したので、これに取り換えることにした。

TF-5000
新旧フィルターのアンテナ側での高周波電流の値を簡易型RF電流計(CQ-10)で測定した結果は以下のとおり;
<条件>
送信周波数:50.350MHz(FT8)
送信出力 :600W (励振電力50W)
測定箇所 :M型コネクタから10cm先の同軸ケーブルをクランプ
<高周波電流>
CMF2000 : 3.3mA
TF-5000   : 2.5mA

ちなみに上記条件で送信した際、アンテナに供給される電力は、ケーブル損失(10D-2V/33m)、M型コネクタ/フィルター挿入損出の合計で-1.3dB(0.74倍)で見積ると440W程度に低減される。






2019年2月16日土曜日

25. コモンモードフィルターの交換

1kWへのQROに伴いコモンモードフィルター を交換。

従来のCMF2000は、耐入力2kW(SSB)の仕様だが、メーカーによるとCWでの連続送信時の耐圧はおよそ1/3程度となるため、1kWで断続的に送信し続けた場合、内部のフェライトコアが異常発熱し「磁性破壊」を起こしてフィルター機能が失われる虞があるとの事。

今回新たに購入したのは、RF Inquiry 社の「CF5KVX」。耐入力5kWに加えて市場に出回っているコモンモードフィルター では最大減衰量であったことが決め手。"STRONGEST Common-Mode Filter" と銘打っているだけの効果があれば良いが...
 CF5KVX

以下、備忘のためのスペック抜粋:
■使用可能周波数: 54MHz以下
■耐入力: 5kW連続 ※VSWR=1.0時
■インピーダンス: 50Ω
■コモンモード減衰量: 250MHz以下において最大-65dB
■挿入損失: 実質0.5dB以下
■チョーキングインピーダンス: 1.1KΩ(1.8MHz)~5.3KΩ(14MHz)
■コネクタ: M型
■サイズ:φ50mm×500mm
■重量:1.1kg

なお、バンド毎の減衰量が示されていないため、7MHzと14MHzの減衰量についてメーカーに問い合わせたところ、以下の回答。

■7MHz:-35dB~-40dB、14MHz:-40dB~-50dB ※平均値
■使用部品や製造ロッドにより特性にばらつきがある
■最大で-60dB~-65dB、ピークの周波数は10MHz〜14MHz。


CMF2000のカタログ値では7MHz:-32dB、14MHz:-35dB であることから更なるインターフェア抑止効果を期待。外観は、CMF2000と比べて直径は同じ(50mm)だが、12cm長く重さは約2倍ある。

 CF5KVX
 
 CF5KVX

アンテナ直下の設置分を含め4本購入。揃えると結構なサイズとなり、秋葉原から持って帰るのに手間取った。
 CF5KVX

2018年11月4日日曜日

21. 電源ラインのインターフェア対策強化

リニアアンプの設置に伴い、大進無線製のコモンモードフィルター とTDK製のフェアライトコアを用いて、電源ラインのインターフェア対策を強化。送信側での対策を纏めると以下のとおり;

■エキサイター

・機器側の電源コードの付け根にフェライトコア(ZCAT2032-0930)を8個クランプ
・アース端子にコモンモードチョーク(DCE-3)を挿入してリニアアンプのアース端子に接続
・AC100Vコンセント側にコモンモードフィルター( DCK-SRH)を挿入

■リニアアンプ

・機器側の電源コードの付け根に付属品の大型フェライトコア2個を装着
・アース端子にコモンモードチョーク(DCE-3)を挿入し、先に工事した壁面のアース端子(端子から地面までの距離約4メートル)に接続
・AC200Vコンセント側にコモンモードフィルター (KIT-DCK-61W )とコモンモードチョーク(DCE-3)および200Vコンセント(WK3811)を多孔パネルに配置・結線して壁面に架設(下図)

 

■その他機器

テーブルタップのAC100Vコンセント側にフェライトコア(ZCAT3035-1330)を3個を用いて2ターンした自作のチョークを挿入。

以下はデスクの下に設置したリニアアンプの背面。黒の筒状のもの2本が付属品のフェライトコア。クランプ式ではなく、AC200Vのプラグを結線する前に電源ケーブルに通してから結束バンドで落ちないように留める構造。
ちなみに左上のアンテナコネクタ(4番)に繋いでいるのはコモンモードフィルター(DCF-RF-QEA)。これを介して今年のハムフェアで購入した1.5kWダミーロード(MFJ264)に接続。※フィルターの耐圧は500Wだが、連続送信時間が数十秒のため許容。

 

コンセント周りの状況 
 

コモンモードチョークを挿入する位置をRF電流計(CQ20)を用いてコモンモード電流値が下がるポイントを探っていくと、リニアアンプのアース端子直下よりもアースコンセント側に付けた方が低い数値が出た。
ただし最も低い値を示したのは、リニア側から見てチョーク通過後ではなく、チョークの手前となったため、そもそもチョークの効果が無いのかと考え一旦取り外してアース線のみで接続すると大きなコモンモード電流が流れるため、低減効果があることは確認できた。この辺りは理屈ではなく実際に試してみるしかないようである。

2018年11月2日金曜日

20. インターホンの障害対策

7MHzと14MHzでの送信時、自宅のインターホン(パナソニック製/VL-SWN350KL)のモニター映像に電波障害が出ることが判明。
インターホンのインターフェアは、呼び出しチャイムが勝手に鳴り出す誤動作だけだと思っていたため、現象が発生しないので気に留めていなかったが、ふと思い立ち、試しにモニターをオンにして送信したところ、多数の横筋が入って画面が乱れるアナログTV時代のTVIと同じような障害が発生していた。
この障害はアンテナが北方向ビームで最大となり、東方向(90度)に廻すと、気づかない程度にまで落ち着くことや、送信出力が200W程度では、実用に耐えるレベルであるが、1kWで試験電波を発射した際は、映像がかすむほど乱れることが判明した。

平常時


1kW送信時


自宅ではあるがインターフェアを認知した以上、何とか止める手立てを講じるべく、また、ご近所で同じ障害が起きた時に備え、先ずはメーカーに相談した場合にどのような対策が講じられるのかを知っておくことにした。

メーカーのサービスセンター(パナソニックコンシューママーケティング社)に電話連絡し、状況を伝えて修理担当者の来訪をお願いした。
当日、実施された対策は、予想したとおり親機(本体側)から子機(カメラ側)に接続する端子にチョークコイル(ST-101)を接続することであり、残念ながら目に見える改善は図れなかった。次に障害の起点箇所を切り分けるため、門柱から子機を取り外して、部屋の中で親機と短いケーブルで接続したところ、障害発生は見られなかったことから、障害発生要因は、機器本体や電源ラインからの回り込みではなく、子機との接続に用いているケーブル(十数メートル)に起因することが判明。

結果、修理担当者からは、製品自体の瑕疵ではなく設置環境の問題である-との見解が示され(異論はあるが..)、その上で、このままST-101を取り付けた場合、1万円の作業費が発生するがどうするか−と聞かれ、当然、お断りして「修理中止」として作業完了。その場で、出張料・技術料として約4,000円を精算してお引き取りいただいた。ST-101(2,000円相当)も買い取ることはなく、お持ち帰りいただいた。

勉強代としては少し高くついたが、メーカー側の対応と障害起因箇所が特定できたので、後は、どの程度強力なチョークコイルを入れ且つ配線を見直すかを考えることとし、先ずは、富士無線で取り寄せた大進無線製のインターホン用チョークコイルDCF-50TEL-2Cを親機(本体)のケーブル端子に接続した。結果は、ST-101よりも効果はあるものの、障害解消と言うには、程遠いレベルであった。

 

 

配線の経路については、親機を設置したリビングの壁面内から玄関脇に設置した配線ボックスまで4芯ケーブルを引いており(宅内での経路や距離は不明)、そのうち2本の芯線を配線ボックス内でインターホン用のケーブル(ACコードの類)にジョイントして、そこから8メートルほど地中に埋設したCD管を通じて門柱(枕木)に設置した子機に接続している。

試しに宅内から配線ボックスまで引いたケーブルに子機を直接、繋いで試したところ、1kW送信でも殆ど判らないレベルまで障害が低減していることが確認できた。
結果、しっかりと対策を講じる必要があるのは配線ボックスから地中を経由して子機まで伸びている配線部分であり、ここはCD管自体が経年劣化で所々で亀裂があり雨水が浸入していることから、少し時間をかけて対処を練る予定でいたが、電気工事店の会長さんにAC200V工事の際にインターホンの電波障害の話をしていたため、工事の翌週に雑音耐性のあるシールドケーブル(FCPEV)をわざわざ持って来ていただいたので、CD管の亀裂を自己融着テープ、アクリルスプレーで塞いでシールドケーブルを再配線した。

結果、モニターに映る映像は、宅内配線に直接繋いだ時と変わらず、軽微なレベルに収まった。

 

 

これ以上の対策としては、親機を取り付けている壁面内でチョークコイルを多重化したり、屋内配線全てをシールドケーブルに取り替えることであるが、両者とも施工がちょっと厄介なので、とりあえずの対策はここまでとした。

なお、これまでに費やしたインターホンの障害対策費に上記の施工費用を加えれば、ワイヤレス式のモニターインターホン(多分、インターフェアとは無縁だと考える..)が買えることを後から気づいた。


2018年10月22日月曜日

19. 電波障害調査

試験電波発射届を提出後、近隣住宅に対する電波障害調査を実施。
関東総通局からの文書「電波障害調査等の提出について」に添付されてきた様式「電波障害調査依頼書/回答書」では、少し言葉が足りないと考え、文書を一読するだけで趣旨が伝わるよう、様式の記載内容を網羅しつつ丁寧で解り易い表現にした依頼書と回答書に分けて作成した。

「電波障害調査等の提出について」
 

作成した依頼書と回答書
 

 

調査対象は、アンテナを中心に半径30メートル内にある同じブロックの6世帯と道路を挟んだ2世帯および念のために70メートルほど離れた日頃から交流のある1世帯の合計9世帯とし、土日での在宅を見据えて手土産として千円程度の菓子(※あまり高価だと何事かと思われる..)を持参して一軒づつ訪問。趣旨を説明しご協力を仰いだ。

調査対象住宅との位置関係

ご近所には、6月のタワー建設時に案内文書をお配りしているため、アマチュア無線について最初から説明する必要はなく、玄関先でお話をさせていただいた方々(ご主人/奥様)は皆さん趣旨についてご理解いただけた。

試験電波の発射は、免許を受ける全ての周波数(7/14/21/28/50MHz)且つ4方向(東西南北)にビームを向けて実施。1バンド1方向で2〜3分間の送信(Phone/CW)を断続的に行った。

調査結果については、次の土曜日に回答書を取りに伺うことをお伝えしていたが、回答書に記載した自宅ポストへの投函を皆さん選ばれた。

結果として、8世帯から「異常なし」との回答書を受理。しかしながら、普段からあまり近所付き合いをされていない1軒のみ、白紙の回答書が自宅ポストに投函されており、これは、こうした調査には協力したくないーとの意思表示と捉えて、特にこちらからアクションは取ることは控えることにした。

調査に協力いただいた世帯から全て「異常なし」との回答を得たが、これで障害の可能性が全てゼロになったとは思えず、単に調査時にはお気づきにならなかったと考えることにし、改めて十分なインターフェア対策を講じることにする。

また、自宅から最も近い他の無線局(北東方向に290メートル)である小学校の敷地内に設置された市の防災無線スピーカー(子局)に電波障害が発生していないか、毎日1700時の一斉放送に合わせて試験電波を発射し、スピーカーから雑音や混信がないか実際に聴取する調査を行い、特に問題がないことを確認。

ちなみに変更申請時に提出した「他の無線局の設置状況を示す図面」を作成する際に調査した半径1Km圏内に設置された無線局は全部で11局あり、そのうち携帯電話基地局が6局、防災無線スピーカーが4局、鉄道無線局が1局であった。これらは全て目視により(探して)確認した。






2018年6月24日日曜日

7. インターフェア対策

現行のグランドプレーンを用いて7MHzで50W送信した際、部屋に設置している静電タッチ式の卓上ランプが点灯するインターフェアが確認できている。それ以外の現象は確認できていないが、単に気づいていないだけかもしれない。ちなみにこのランプを部屋の外に持っていけば現象は現れない。また、他のバンドも特にインターフェアは確認できない。

このインターフェアは、コモンモード電流によるものと推察するが、これが無線機のシャーシから出ているのか、電源ラインからの回り込みなのか、または同軸ケーブルなどに乗っていることが原因なのかは不明であった。

試しに富士無線で購入した大進無線製のコモンモードフィルタ(DCF-RF-QEA/500W耐圧)を取り付けたが、上記インターフェアは収まらなかった。

次に、後から10D2Vケーブルをクランプできるよう大型のフェアライトコア(TDK製/ZCAT3035-1330/内径13mm)を秋葉原の福永電業という卸問屋から30個を購入して(ちなみに1個あたりの単価は319円とamazonと比較しても最安値)無線機に繋がっている全てのケーブルに装着したが、その効果を確認することはできなかった。

このため大進無線が販売しているRF電流計キット(CQ20)を富士無線で取り寄せて購入。これを写真のとおりデジタルテスターに繋ぐことで、RF電流を測定しコモンモード電流が多く発生している場所を定量的に特定することとインターフェア対策の効果を見極めることとした。


HF帯と50MHzのアンテナに対するインターフェア対策として、HF帯は318-40のバラン直下と無線機直下のそれぞれに第一電波工業のコモンモードフィルタ(CMF-2000)を接続することとし、50MHzは無線機直下に同じくCMF-2000を、バラン直下にはフェライトコア12個を装着することにした。

CMF-2000の接続は、同軸ケーブル(5D2V)50cmを用いた最短接続として、アンテナ直下分は自己融着テープ全体を覆って防水処理を施した。なお、同製品の仕様では「屋内使用限定」との記載があるが、両端のコネクタ接続部分以外に水分が侵入するところは構造的に見当たらない。メーカーに屋外使用について質問するも「コネクタの防水に気をつけてください」との回答であり、屋外使用を否定するコメントはなかった。製品仕様上、屋内使用限定としているのは、紫外線によるケースの劣化ではないかと推察する。

無線機側の接続の2台については、ホームセンターで購入した多孔パネルにモノタロウで購入したVP管用のサドル(内径50mmのつもりであったが、表記単位を誤解しており実際は58mmであったため、10mmのゴム板を挟んで固定)を取り付け、そのパネル自体を壁面に取り付けることで、無線機の背面をすっきりと整理した。


そのほか、ACライン用のコモンモードフィルタ(大進無線製DCK-SRH/7-90MHz)を富士無線で購入し無線機の電源に直接取り付けた。

無線機から離れた場所からリモートでPTTを押下し手元にあるRF電流計で数値を計測するための工夫として、ワイヤレスチャイムをamazonで購入。これを無線機のVOX機能と連動させてリモートで送信できるようセッティング。このチャイムの到達距離は長く、自宅前の道路に出て自宅から50mほど離れた場所からも反応する。

アンテナを318-40に変更し上記対策を採った結果、7MHzで出ていた部屋の中でのインターフェアは収まっているのでひとまず安堵。なお、無線機からコモンモードフィルタまでの約50cmの同軸にもフェアライトコア(ZCAT2032-0930)を15個づつクランプした。このコアは1個あたり120円と安価であったので、30個ほど追加購入する予定。