2021年5月31日月曜日

161. DX運用日誌(101)

●VK9XX(Chrismas Island) -ATNO-
5/28の夜20時前にPSKReporterで14MHz FT8でのQRVを確認。アンテナは北北西のままReverseモード(3エレ)に切り替えると久しぶりにNEWエンティティを示すレッドバーが表示された。
SNRは-03dBと十分なので、そのまま1070Hz辺りに空きを見つけてコール開始。
信号は安定しているものの、ヨーロッパ、北米局をメインでピックアップしており、JAへのリターンが少ない。そのうち取り始めてくれるであろう..と思いつつコールしていると8分ほどしてリターンを得た。


5/29は18時半頃に10.131MHz FT8でQRVを確認するも、既にバンド中がJA局でびっしりの状態。
コール途中でピックアップされた局のTx Freqをチェックするとバンドエッジ(上限)も取っていることが判明し2860HzにQSY。数分経つとこの辺りも混雑し始めており、40Hzほど下げてコール再開したところでリターンを得た。

5/30の午前11時過ぎにPSKReporterで21.090MHz FT8でのQRVを確認しワッチ開始。15分ほど経って2Slots/-17dBで入感したのでコールして7分後にリターンを得た。


その後、午後13時頃には24MHzでQRVを確認したがこちらには入感せず。午後14時半には28MHzで-14dB程度で入感するも直ぐにフェードアウトした。
一方、15時半頃には18MHzで強力に入感。直ぐにJA局で激しいパイルとなり、なかなかリターンが得られない状況となる。
途中でヨーロッパ等の指定が入ったため送信を停止。しかしながら呼び続ける局が後を絶たない..
結局、アジアを再び取り始めることなくQRTを告知して終了。

QRZ.comによると同局はDX PeditionではなくQRV時間も限られた2-3週間の運用との事で設備もシンプルな構成のようである。伝搬的にはeasyな地域ではあるが、激しいパイルの中、早期に3バンドでWkdできたのは幸運であった。

●3A/IW1RBI(Monaco)on 20M
 -ATNO-
DX World.netによると5/27から4日間のQRVが告知されており注視していたが、これまで入感はなかった。5/29の早朝(深夜)3時半頃にSPOTが上がっており14.070MHz FT8に合わせるとヨーロッパの数局がコールしているのが見える。
何故か IW1RBIをコールしていたが、そのうち 3A/IW1RBIが-13dBで入感。同一局かPirateなのか不明であるが、後者を選んでコール開始。
何度かCQingが続いた後で4Slotsで「-08」のリターンを得た。シーケンスが続かず「RR73」未受領のまま一旦終了したが、後ほどCLUBLOGでIn-Logを確認。モナコ公国は初めての入感でWkdできて、昨日に続きNEWエンティティを一つ伸ばすことができた。

●5H1FF(Tanzania)on 17M -Band NEW-
5/29の16時半過ぎに18MHz FT8で入感。コールされているJA局は(見える限り)5局ほどであったが、ヨーロッパ局もピックアップしており長丁場となる予感。
10分ほどコールしているとオンフレでJA局がCQを出し始めマスキングされて中断を余儀なくされる。18MHzはこのパターンが多い気がする..
その後、DFを少し下げたせいか再びデコードできるようになりコール再開。その時点で20局ほどがコールされていたが5分ほどしてリターンを得た。


<50MHz DXing> 5/24-5/30
近隣のアジアを除いてコンディションは優れず、こちらでヨーロッパが入感したのは二日間であった。

●5/25
14時頃から小規模ながらヨーロッパがオープン。デコードできたのはスロベニア、イタリア、ギリシャのみ。スロベニアのS59Aは安定して入感いたが “QSO B4”局。その他は数シーケンスのデコードに留まり、5B,E7,HB0,4O,9HなどをコールされているJA局のラインを眺めるだけで「かすりもせず」といったところ..

一方でイスラエルの4X4DKが-10dBで入感し、数コールしてリターンを得た。今シーズン初めての中東局であったが、コールされている局は少なく地域差のせいかも知れない。


●5/29
11時前からカザフスタンが見え始め、未交信のUN8PFE,UN8GEQをコールするもリターンは得られず。その後、ポーランドのSP8SNが-19dBで入感したが数シーケンスでフェードアウト。
カザフスタン局をコールしている際、何度もリターンシーケンスの”False Decode”に遭遇。観察しているとDFに近接してQRMがあり且つSNRが低い状況で起き易いようである。

●5/30
20時過ぎからイスラエルの4Z1UFが-12dBで、クエートの9K2MUが-15dBでそれぞれ入感し何度がコールするも数分でフェードアウト。
20時40分頃にはパキスタンのAP2AMが-15dBで入感。DFが2640Hzと高めであったが、先にピックアップされた局が低いDFであったため、途中から377Hzに移ってコールしたところ2回目で「-08」のリターンを得た。
しかしながらQSBの下降期と重なり「73」を受領できずに終了。20分ほどして再浮上したタイミングでコールするも"False Decode"に捕まっているうちにフェードアウト。 
最初のリターンで In-Log の可能性もあるため、CLUBLOGでの確認を待つことにする。

この他、1エリアでは複数の局がYI1SAL,9N1CA,OD5SXおよびSV5DKLなどをコールされていたがこちらには入感せず。タジキスタンの常連局 EY8MMだけが安定して22時頃まで入感していた。

6月の更なるコンディション上昇に期待したい。


2021年5月23日日曜日

160. DX運用日誌(100)

<50MHz>5/17-5/23
今週あたりからWide-Openを期待するも、北米および中東以西の入感は限定的且つ小規模であった。
5/18の16時頃にTT8SN(Chad)をコールされているJA6局を確認したがこちらには入感せず。シーズン当初、中東以西の入感は西日本地域が優位のようであるが、同局は今期もアクティブにQRVされるようなので期待したい。

近隣アジアは相変わらず強力に入感しているが、Band NEWとなるXX9ET(Macao)は弱く、5/20の正午頃にリターンを得るもシーケンスが続かずフェードアウト。その後も入感したタイミングでコールするもデコードが安定せずまたQRMによりWkdできない状況が続く。
5/22はコンディションが良好且つ土曜の午後ということもあり、バンド中がodd/even入り乱れて混雑しており、コールしても直ぐにかき消されてしまう状況となった。
そのような中で、激しいパイルとなったXV9HEU(Vietnam)は割と早めにWkdできた。頂いたeQSLによるとモービルホイップ運用との事であるが、SNRはマイナス一桁台で安定して入感していた。

北米方面は相変わらずQSBが激しく短時間のオープンであり、また入感する局の多くは"QSO B4"の常連局のため新たなQSOはカリフォルニアの3局に留まった。
5/22にはXE2X(Mexico)をコールされている複数の1エリア局を確認するも、こちらでは入感せず。

<Band NEW>
WARCバンドを中心としたBand NEWの積み上げは微増ながらトータル346エンティティまで来た。
少し珍しいところでは以下のエンティティをWkd。
5/20 06:09 10MHz EP2HAM(Iran)  
・5/21 05:29 10MHz ZD7MY(St. Helena)
・5/22 04:55 10MHz 8Q7PR(Maldives)
・5/23 15:06 18MHz ZB2IF(Gibraltar)

各バンドでWkdした3D2ZK(Fiji)は運用上の不正があったとして、LoTW/CLUBLogから抹消されており、この分が目減りすることに.. 真偽の程は明らかにされていないが、NewcomerのYLによるマルチバンド運用という事で注目を集める中、トータル2万QSOが"Invalid"となったようである。


2021年5月16日日曜日

159. DX運用日誌(99)

<5/13> ET3AA(Ethiopia)on 15M -ATNO- 
夕方の18時半頃に14MHz FT8で同局をコールするロシア局を確認するも入感せず。少し経ってPSKReporterをチェックすると数分前から21MHzにQSYしていることが判明。バンドを切り合えると-9dBで入感しておりコール開始後2局待ってリターンを得た。
エチオピアの同局は昨年21MHzでリターンを得るも「73」未受領でNot in Log となっており、今回ようやくWkdすることができた。

<5/14> PP5JR(Brazil)on 80M -Band New-
夕方の18時半に3.5MHz FT8をワッチすると同局が-5dBで入感。南米はこれまでも何局か入感していたがQSOには至らなかった。今回は数回のコールで「R-12」を受領し、3.5MHzで初めての南米局となった。
現行設備では地域によらずSNRが-15dB程度よりも低い場合、リターンを得ることが厳しいように感じる。

<50MHz>5/9-5/15
先週はヨーロッパ、北米局が入感し今週も更なるオープンを期待したが、この1週間の入感は近隣アジア中心となった。夕方から夜にかけて中東のA6,9K,7Zをコールされている局を何度か見かけたがこちらに入感することはなかった。
QSOは、5/12にDU1JM(Philippines)と5/15にVU2BGS(India)の2局のみ。インドのオープンでは3局デコードしたが、いずれも安定しておらずシグナルが浮き上がったタイミングでワンチャンスでのQSOであった。
5/15はハバロフスクのR0CKが強力に入感するも30分足らずでQRT。昨年も同じような運用がであったと思うが理由は不明。カンボジアのXU7AKVもCWで入感した様子であったがタイミング悪くワッチできなかった。

<Band NEW>
先週から引き続きWARCバンドを中心に Band NEW を追いかけてきたが、さすがに2週間目になるとペースが落ちて一日あたり10エンティティを下回る日が増えた。それでもスタートから半月で340エンティティほど積み上げることができた。

結果、DXを再スタートしてからWkdしたエンティティはオールバンド計で1000 を超えた。
しかしながら、LoTWへの反映には時間がかかることや未Cfmエンティティの解消に向け、同一バンド/エンティティの未交信局をWkdしていく必要があるため、DXCC Challenge Award の申請はまだ先のことである。



2021年5月8日土曜日

158. 50MHz DXシーズン到来

4月から断続的に入感していたアジア、オセアニア地域に加え、マルチホップEsによる中央アジアからヨーロッパおよび北米の入感が始まった。

今回、シーズン前にアンテナを6エレから8エレに変更しフロントゲインを高めるとともに、地上高も1メートルほど嵩上げした。あとノイズ低減効果を期待しつつ給電点の近いところに強力なコモンモードフィルター(CF5KVX)を挿入するなど、今の環境でできることは取り敢えず実施。これで多少なりともSNR向上に効いてくれれば良いのだが..

<5/5>

午前9時過ぎにアラスカのKL7HBKを-17dBでデコード。今年初の北米局の入感となった。DXSCAPEによると昨日(5/4)のお昼頃にアメリカ西海岸のオープンがあったようである。

午後になってウクライナをコールされているJA局を確認するもこちらでは入感してこない。

14時半過ぎからモンゴルのJT1COが+0dBで強力に入感。試しにアンテナをKA1-404Lに切り替えて4エレ,DipoleモードでSNR値を比較。結果は殆ど変わりなく、むしろDipoleモードの時に+4dBを記録した。国内Esと同様、この強度ではアンテナゲインに左右されることはないのかもしれない。

夜19時頃に地中海の9H1TX,SV9CVYが関東以北で入感したようである。Out of shackでワッチできなかったが、PSKReporterをチェックすると、設備の優れた局限定であったと考える。

昨年のブログを確認すると、中央アジアの入感は5/13、SV9CVYとのQSO(初ヨーロッパ)は5/18なので今年はオープン時期が少し早いようである。

<5/6>
朝10時過ぎにベトナムのXV1Xが-13dBで入感。午後は13時前からモンゴルのJT1BVが、13時半過ぎにはカザフスタンのUN3GXも-10dBで入感。

昨年同様、徐々に距離が伸びていく感覚であり、14時6分にウクライナのUR0MCが-21dBで入感。これが今年初めてのヨーロッパ(東側)の入感となった。
いずれの局も昨年QSO済みなので静観していると15時17分にUX7LTが入感。SNRは-15dBまで上昇し2回目のコールでリターンを得た。

新しいアンテナでのファーストQSOが、奇しくも今シーズン初のヨーロッパ局となった。

夜には中東のクエートをコールされている複数のJA局を確認するも、こちらではデコードできず。

<5/7>
お昼過ぎにフィリピンのDU1JMが入感するもSNRは-24dBと弱い。6mでは未交信なのでコールするが直ぐにデコードレベル以下に沈む。
その後、マカオのXX9MT、UAEのA65BRをコールされている局を確認するもこちらには入感せず。

他のJA局がコールされているDX局がこちらではデコードできないことはHFと比べて格段に多い。50MHz特有の地域差と設備差の違いが主な要因であるが、昨年もワンチャンスでWkdしたエンティティも数多くあるので、数分間の入感を逃さないよう暫くは気が抜けない日々が続く。



2021年5月6日木曜日

157. WARCバンド レビュー

アンテナシステムを変更して1週間が経過。GWの休暇中であったが、コロナ禍での外出自粛要請もあり、自宅でWARCバンドを中心にアクティビティを高めた。

<サマリー
3.5MHzとWARCバンドは初めての運用であり、FT8(JTDX)で各バンドに切り替えると、当然ながら入感局は全て"Band NEW"の一色に染まる。
先ずはBand NEWとなるエンティティを各バンド一つづつ(1局づつ)Wkdしていくことにした。1週間での結果は以下のとおり;

10MHz,18MHzを中心に6バンドで通算262エンティティをWkdできた。数はこなせた一方、Wkdしたエンティティは、アクティビティが高く伝搬の良い地域に集中し、アフリカは19エンティティ、カリブは6エンティティに留まった。比較的レアなエンティティは以下のとおり;


<10MHz>
KA1-404Lは30%短縮のダイポール動作なのでゲイン不足は否めないが、他のJA局がコールされているDX局が見えないという局面は少なかった。但し先方局のSNRが-20dB前後では、リターンを得られないケースが多く、結果として取りこぼしに繋がった。入感したエンティティは100を超えたと考える。

<18MHz>
14MHzとほぼ同じ時間帯で同じ地域がオープンしており、14MHzと比ベて空いていると思いきや入感状況は変わらず、夜間などヨーロッパがオープンしている時は一度に50局程度デコードできるほどの盛況(混雑)ぶりであった。
コールした局は概ねWkdできたのでBand NEWは100エンティティを超えた。

<24MHz>
ハイバンドのコンディションは上昇傾向にあるが、21MHzと比べると入感数は少なく、アジアを中心に34エンティティに留まった。ヨーロッパも東側がメインであり、未だ深いところまではオープンしていない様子。

<28MHz>
WARCバ
ンドではないが、6年ぶりのQRVであり、FT8では初めての運用となった。バンドがオープンしている時としていない時のメリハリがはっきりしているのはSSB/CWと何ら変わらない。アジア、オセアニアを中心にエンティティを増やせた。

10/18MHzがWARCバンドの主力となるのは間違いないが、21/
24/28MHzもコンディション次第でBand NEWを積み上げることができる感触を得た。
DXCC Challenge Award も見えてきたので年内にLoTWベースで達成できるようアクティビティを維持したい。
なお、この1週間、7MHz,14MHzをワッチする機会は殆どなく、新旧アンテナの比較はできていない。


2021年5月3日月曜日

156. 3.5MHzアンテナ設置

<アンテナ設置>
使用したワイヤーアンテナは、コメット 社のCWA-3.5H。ローディングコイルを使って短く仕上げることも考えたが、先ずはシンプルにインバーテッドVとして、敷地をオーバーする部分は折り曲げるベントスタイルで試してみることにした。

タワートップ に設置したバラン(CBL-2500)からアンテナ線を東西方向に傾斜させてそれぞれフェンスを固定する柱に取り付けたマスト(2.7m/25φ)でアンテナ線を中継し約90度折り曲げる。そのまま水平に5mほど伸ばして同寸法のマストで固定。


<SWR調整>
アンテナ線(各22m)をカットせずにそのままアン
テナアナライザーで測定すると、ディップ点は3.0MHz付近となりSWRは2.5を示している。50cm〜10cm単位で切り詰めながら同調周波数を上げていくと、左右それぞれ3.0mほど短くしたところで、3.57MHz付近でSWR:1.7となった。
その後、微調整を繰り返すもSWR値に変化(改善)は見られない。アンテナチューナーで難なくマッチングは取れるが、アンテナ固有のSWR値は1.5以下に抑えたいところ。

アンテナの頂角が鋭く且つベントさせているため建物の影響と相まって、SWR値が下げ止まりになっていると考えるが、アンテナ線の両端の高さやベントの角度・向きを変えるか、ローディングコイルを挿入するかは今後の検討とした。

<初運用>
給電点の高さがλ/4にも満たないインバーテッドVで、果たしてどの程度まで入感するのか予想できない中、19時過ぎから3.573MHz FT8をワッチしてみる。

初めてのデコードでWide Graphに多くの光跡が見え始め、何かと思うとフィジーの3D2ZKをコールされているJA局のパイルであった。(おかげで国内の入感状況が把握できた)
同局も-15dB程度で入感しており、その他に南米アルゼンチン、北米のW局が数局入感。-10dBで入感していたWA6LIE(CA)をコールしリターンを得て、初めての3.5MHzでのQSOとなった。

その後、フィジー、フィリピン、オーストラリア、EU/ASロシアとQSO。PSK Reporterで確認すると以下のとおり。飛びは別にしてFT8ではそれなりにDXが入感するようである。