2018年7月15日日曜日

13. タワー基礎部分の整地

庭の一角に建てたタワーの基礎部分(地面)の見映えが良くなるように整地(整備)を実施。タワーの形に合わせて地面より10cmほど高く仕上げた三角形のコンクリート基礎の周りをウッドデッキの下に広く敷いている庭石(溶岩石)で覆うことにした。

準備として、タワー建設の際に伐採した庭木の根っ子が一部残っていたので、前日にシャベルで周囲を掘って電気ノコギリで切断。根の全てを取り除くには、かなり深掘りする必要があるため、庭との仕切用に埋設するレンガと干渉しない程度に留めた。

当日、コンクリート基礎の周り(南側と東側)を20cmほどシャベルで掘り、自作の水糸などを用いておおよその外周位置を定めた。その際、ウッドデッキ下のレンガを地下で固定しているモルタルをノミで削り、埋設する仕切用レンガと垂直面を合わせた。

その後、砂を入れ、仕切用レンガ(ハーフサイズ)で周囲を囲った。砂を入れレンガを並べる時にゴムハンマーなどでしっかりと叩いて固めることがポイント。モルタルを入れていないので、強度は保てないが、後からやり直しがきくことや、あくまで庭石を留め置くための敷居・境界用途として割り切ることにした。

<使用部材>
・ボルケーノチップス(10ℓ)6袋
・オーストラリアンレンガ(230X115X40)8個
・砂(20kg)2袋

タワー建設場所の移り変わりは以下のとおり;

①掘削場所を選定している頃(2018年3月28日)
 

②庭木を伐採した時点(2018年6月9日)
 

③基礎工事終了後(2018年6月19日)
 

④タワー建設時点(2018年6月29日)
 

⑤基礎部の整地(2018年7月15日)
 

   

2018年7月7日土曜日

12. 信号強度の比較

ベランダに約7メートルの高さ(給電点)に上げている7〜50MHzのグランドプレーン(CP5HS)と318-40との信号強度を比較。

14-28MHzおよび50MHzは八木アンテナのため、違いは歴然であるため対象外とし、ローターリーダイポールとして機能する7MHzで比較した。結果、国内は、S5→S9、S9→+20dBとなり感度は向上している。画像のとおり、バンドスコープでも著実にピーク値が高くなっていることが見て取れた。

CP5HS(7mH)

 

318-40(16mH)


 

ウォーターフォール機能で比較した画像。ブルーのラインがアンテを切り替えたタイミング。下段が318-40。GPでは、聞こえていない局が318-40では入感(暖色表示)している。



感度の違いは、地上高の差異(9メートル)、ダイポールアンテナのゲイン(カタログ値:1dBi)およびダイポールアンテナの16mHでの打ち上げ角が30〜60度の範囲でピークになることから、国内通信にマッチして信号強度が高まったと考える。なお、半波長(20メートル)以上の地上高があれば、打ち上げ角は20〜30度の範囲でピークとなり、国内局の信号が弱まりDX向けとなるが、マストトップでも18mHが限界のため諦めざるを得ない。

 

11. アンテナ地上高

各アンテナのタワートップからの取り付け位置(距離)は、現場裁量で調整したため地上高の正確な数値が不明であったので、工事前に近くのリサイクルショップで見つけて購入しておいたBOSCH製のレーザー距離計 ZamoⅡ型(未使用品が3K)で計測してみた。

 

結果は以下のとおり;
・318-40 (下段):15.85 mH
・CL6DX(上段):17.33 mH

但しエレベーターでもう少し巻き上げることができるため、おおよそ16mHと17.5mHというところである。ちなみにアンテナアームで取り付けたGP-5は給電点まで7.6mHであった。

自宅の周辺には高い建物がないことから、少し離れた場所からもアンテナがよく見える(目立つ)。200メートルほど離れた平地からの遠景は、写真のとおり。タワーの下部にわずかに自宅の妻切屋根の先端が見える。この高さが約8メートル。



620メートルほど離れた高台から見下ろすように望遠レンズで撮った一枚。これだけ離れていると流石に目立つことはない。

 

自宅のロケーションは高台ではないが(海抜6メートル)、360度どの方向にも開けている。アクティブだった学生の頃のロケーションは、南東から南回りで北西までが山に囲まれており、特にアジア大陸から中近東、アフリカ方向のショートパスが致命的であり、50MHzでQSOできなかった(聞こえさえしなかった)カントリー(エンティティとの呼び方は未だしっくりこない..)が思い出される。

アンテナは、通勤に使っている最寄駅(直線で約420メートル)の二階の改札やプラットフォームからも、意識さえすれば見る(見つける)ことができる。思えば、タワー計画を検討し始めてから、車でも電車でも、外出すれば、いつも何処かにアンテナが上がっていないか探しており、その癖は今でも変わらない。

2018年7月1日日曜日

10. SWR値

バンド毎のSWR値は、以下のとおり:
なお、SWRメータは無線機内の メータ目盛りの目視であるため、精緻な数値ではない。

 

318-40は、バンド毎にトラップコイルが挿入されており、バンド 内の帯域幅が狭くなる傾向にあるため(特に7MHzは急峻なカーブを描く)主な運用スタイルをCWかphoneを選ぶ仕様になっている。今回はCWを選択して輻射エレメントの長さ調整したが、7MHzのディップ点を少し高く設定してしまった。

CL6DXは、50.0-50.5まではフラットなSWR値を示したが、アンテナ 固有のSWR値(最良点1.2)が、コモンモードフィルターを挿入した結果、フィルター自体のSWR値(1.2)と位相がたまたま合っている(0度)ことから相乗してSWR:1.29となっている。

第一電波工業に対策について確認したところ、位相を反転(180度)するため、λ/4のケーブル長X波長短縮率(2Vケーブルで67%)の計算で約1mのケーブルをフィルターのアンテナ側に挿入すれば、整合比のバランスが取れて解消できるとの事であったので、試してみるとSWR値が1.21程度に下がった。

しかしながら、両端にMPコネクタを噛ます挿入損失を考えれば、SWR1.3での反射波による電力損失の方が少ない(約3%は誤差範囲)ことから、このままとする。
そもそも10D-2Vを33m引いたケーブル損失は1.06dBとなり(減衰量:0.32dB/10m)、アンテナから放出される電力は、約80%(電力比)に低減している。200Wで送信しても実質、160Wしか出ていないという事。

SWR値の悪化は電力損失には影響するが、アンテナチューナーでSWR値を強制的に1.1まで落とし、無線機の終段回路を保護している限り、アンテナのSWR値に関しては、あまり神経質になる必要はないという結論。



9. タワー建柱・アンテナ工事

基礎工事から10日。6月29日にタワー建柱とアンテナの設置工事を実施。晴天に恵まれたが、強風注意報が発令されており、何となく落ち着かない中で、9時過ぎから4名で作業を開始。なお、この日、関東地方では、記録的に早い梅雨明けとなった。
先ず、最後に残っていた最上部のセクション(1T)を組み立て、各セクションにエレベータキットのレールを取り付けた。



その後、鋼鉄製の「坊主」をタワーにくくり付け、滑車で一段づつ引き上げ、ジョイント部分をボルトで締める作業を繰り返し行った。

 

 

最後のセクションの積み上げ;

 

アンテナの組み立ては、現場での作業効率化のため事前にエレメントが組み立てられテナコートが塗られた状態で搬入。ブームへの取り付けは、脚立にアンテナブームの中心を縛り付けて各エレメントの水平を目視確認しながら進めていった。作業場所は、CL6DXは自宅前の車庫での作業となったが、318-40は、道路を挟んだ向かいの空き地を利用した。

 

 

各アンテナのタワーへの取り付けは、一旦、道路から車庫の屋根の上でアンテナを受け取り、タワー上の作業者に手渡す段取り。なお、318-40の輻射エレメントだけは、長さが11mを超えるため、タワーにアンテナ本体を取り付けた後とした。

 

CL6DXのバラン直後に12個フェライトコアを挟んで、自己融着テープを巻いて処理。フェライトコアの内径が同軸(10D-2V)の直径13mmと同じであるため、ケーブルがカーブする部分には取り付けられず4個と8個に分けた。

318-40は、バラン直後に50cmの同軸ケーブルを介してコモンモードフィルタ(CMF-2000)をブーム下部に巻いて取付けた。フィルタ本体は、両端のコネクタ部分に留まらず、全てに自己融着テープを巻いて雨と紫外線から保護することとした。

 

 

下段のアンテナ(318-40)をエレベータキットで降下させて屋根から50cm位の位置が最下段と決め、ウインチのところでマーキング。この状態から下方にあるタワーセクションのジョイント部分にアンテナアーム(AM26B)を取り付け(右側を50cmほど長くして)、その先端にGP-5を取り付けた。



同軸ケーブルの引き込みは、束ねたケーブルを垂直方向に垂らし一旦アンテナアームで受けた後、少したるませてタワーから家屋の北東の角にヒンジを打って、ステンレス製の補助ワイヤーを張り、それに同軸ケーブルを沿わせてシャックまで延ばした。ケーブルの長さはタワー最上部のCL6DX(17.5mH)から無線機まで33m(部屋の中で4m)となった。



シャック外側のベランダに内径50mmのエアコンダクトを開けて、ここから同軸ケーブル3本とローテータケーブルを引き込んだ。2枚目の写真の下は、既存のベランダアンテナ2本とBSアンテナそれぞれのケーブル引き込み口。





アンテナアナライザーで同調点を確認し、7MHzと14MHzがバンド幅を超えて下がり過ぎていたので、繰り返し調整。同調点を上げるには、輻射エレメントを短くする必要があるため、一旦、エレメントをブームから緩め垂直に立て、タワーを登り降りして左右のエレメントを調整し、また水平に戻してから計測する作業の繰り返しとなった。

こうして完成したタワーの全景。2枚目はアンテナを最下部まで下ろした状態。

 

 

3月に着手したルーフタワー計画から約4ヶ月でようやく完成。基礎工事を含め全ての工事を終えて思うことは、自らが緻密に計画を練って試行錯誤を繰り返しても、実際の工事は、現場裁量で知識と経験が豊かな専門業者の判断に委ねることが確実。この会社にタワー建設の引き合いが絶えない理由はそこにあると考える。