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2022年11月3日木曜日

224. 9/10月のレビュー

<サマリー>
QSO数は237となり、前年同期(340QSO)の7割に留まったが、ハイバンドのコンディションが良好であり、また複数のDXペディションを追いかけた結果、Band NEWを82エンティティ積み上げた。
この2か月でATNOは3つ解消し、今年の目標(285エンティティ)まで残すところ1エンティティとなった。

モード別では相変わらずデジタルが全体の9割近くとなったが、CW,SSBも少しづつ増えてきている。


<バンド/エリア別状況>
バンド別では50MHzが全体の約2割を占め、TEP伝搬によるVK、YB等とのQSOが増えたことで、エリア別ではオセアニアが全体の35%となった。10月には南米(LU,PY,CE,CX)が入感し、LU,PYと40年ぶりに(高校以来)QSOできたのは感慨深い。結果としてWACが完成し、またWkdベースで100エンティティを超過した。


アフリカ、カリブについては、アクティブなエンティティ(CO,HI,ZS,EA8など)は未交信局であってもコールは控えたものの、QSO数はそれぞれ40を超えた。

アフリカ、カリブでWkdした主なエンティティは以下のとおり。

ヨーロッパは主に先方からのコールに応えたもの。また
QRP(0.5W出力)でのQSOが6局含まれる。50MHzでもVR25XMTが+5dBで入感した際、0.5Wでコールして「-09」のリターンが得られた。
QRPで運用する際は、特にその旨を告知しないが、eQSLにはコメントを残すようにしている。







2022年8月28日日曜日

217. QRP(0.5W)DXing

HFは既に秋のコンディションに移り変っているようで、夜間のハイバンドでヨーロッパ方面が強力に入感している。
この時期、大きなDXペディションもなく、Band NEWのWkdも停滞気味ではあるが、せっかくのコンディションなので趣向を凝らして、送信出力を0.5Wに絞ってどの程度、DX QSOができるのか試してみた。

出力の調整は、5Wレンジのあるパワーメーターにダミーロードを接続し、TS990のPWRボリュームを回し切って(=5W)送信。その上でJTDXのTransmit digital gain(Pwr)のレベルを下げて0.5Wに調整。
その状態からTS990本体のアンテナセレクターで通常運用のアンテナ系に切替えて運用を行うスタイル。そのため既設のリニアアンプ・LPF・CMF・パワーメーターを経由し30メートル先のアンテナに繋いでいるので、挿入&ケーブル損失(≒1dB)により実際には0.4W程度がアンテナに給電されていると考える

20時過ぎに21MHz FT8をワッチするとヨーロッパを中心に1シーケンスで50局ほどが入感している。DFを高めに設定して”CQ DX”を送信。3年前にも同じような試みを5Wで行ったが、今回、こちらから呼びに回る運用は控えた。

CQを出し始めて5分後にイタリアとポーランドからコール。途中、被りを避けるため何度かDFを変えて30分間で6局からコールがあり4局とQSOできた。
4局とも送受したSNRに大きな差異はなく、最長到達距離は1万キロを超えた。

 Callsign   Sent  Rcvd     Entity          Distance  
 IZ2FOS    -02     -06      Italy              9,682km
 F4FSY     -13   -10     France          9,935km
 EA3EDU  -01      -10     Spain       10,446km 
 RW9AD   -12      -13     AS Russia     6,157km

PSKReporterをチェックすると、こちらの信号(CQシーケンス)を計153局がデコードしており、SNRはさすがに一桁台は殆どないが、それほど悪い値とも思えない。
0.5Wでこの結果であれば、10Wも出していればデコード局数的には、ハイパワー運用時との差異は殆どないのかも知れない。
実際のところ、先方のSNRが低い場合や激しいパイルアップでは、送信出力の多寡がQSO成功のチャンスを高める要素ではあるが、CQ中心の運用スタイルであれば、200W機を10~20W程度で長時間に亘り送信し続けてもRIGへの負担やインターフェア発生の可能性も低く、より安全で効率的な運用と言える。



2019年11月3日日曜日

51. QRP運用テスト

朝8時過ぎに14MHz/FT4でVR2XYL(Hong Kong)が「+15dB」で強力に入感。このレベルの強さであれば、こちら側の送信出力をどの程度まで下げることができるのか.. と疑問に思い、試しに無線機のPWRボリュームを最小側に回し切ってコールしたところ、思いがけず一回でピックアップされ且つ「-05dB」のリポートを受領した。これをきっかけにFT8(FT4)においてQRP運用がどの程度実践できるのか検証してみた。


<送信出力>
無線機の機能として設定(調整)できる送信出力のミニマム値は5W。これに電源を落としたリニアアンプ(アンテナチューナー回路)とコモンモードフイルター(2箇所)を通過させ、約30mの同軸ケーブル(8D-2V)によりアンテナに給電しているため、それぞれの挿入損出の合計をざっくり「-1dB」と見積もると電力比0.8換算で、4W程度がアンテナに供給されていると想定する。


<交信状況>
JAを含む近隣諸国はなるべく避けて、SNが比較的良好で且つ遠方にある局を中心にコールすることにして、次第にハードル上げていった。
結果として半日かけて30局ほどコールして16局と交信。QSOできた局のうち、SNが±0dB以上の局については数回のコールでリターンを得られる場合が多く、-05dB〜-10dB辺りの局はケースバイケースといったところ。-15dBを下回る局については、数十回コールするもリターンを得ることはできなかった。
SNの差異は最大で21dB、最小が3dBであり、一桁台に留まったものが半分であった。また受領したリポートが-20dBを下回ることは無かった。交信状況は以下のとおり;

OG55W(Finland)は、こちらのSNの方が上回り(+02dB)思わず送信出力が5W以上出ていないか確認した。
ES8DH(Estonia)は、ショートパスで一回目のコールでリターンがあり「-10」に対して「-15」を受領した。


<最長到達距離>
40m/20m/15mそれぞれバンドがオープンしている時間帯に5W出力で送信(交信)し、pskreporter で確認。結果としてアフリカ大陸を除く全地域に信号が届いてることが分かった。最長距離は7MHzでBrazil局の約1.8万km、14MHzではFrance局の約1万kmであった。


FT8でのQRP運用は、インターフェア発生の懸念や無線機・リニアアンプへの過負荷もなく、また相手にピックアップされた時の喜びもひとしおではあるが、こちらの微弱な信号をデコードできる相手局の受信性能の良さやQRM状況次第であり、QSBのピークでピックアップされたものの、その後、沈んでしまい相手局に何度もシーケンスを繰り返させる虞もあるため注意が必要。先方のSNが極めて良好、例えば+10dB以上でない限り、敢えて極端なSN差を生じさせることは控えるべきかも知れない。