2018年6月24日日曜日

6. アンテナの選定

今の時期(2018年)はサンスポットの最下降期であるため、DXは7MHzのCW中心となると考えたが、7MHzの八木系アンテナでは、どうしても回転させた際に両隣の敷地に大きくはみ出すため断念せざるを得ない。また垂直系は、打ち上げ角が低くDX向きと言われているが、ゲインが無くタワートップに取り付けることは構造的に無理がある。結果として、短縮形ロータリーダイポールをタワートップに設置して(地上高は半波長以上が理想であるが、17 m程度が限界)打ち上げ角を可能な限り低く抑える計画とした。

しかしながら、候補と考えていたミニマルチ社のアンテナが、部材メーカーの事情により納期が大幅に遅れるとの連絡があり、また、バランを用いない給電方式のため、QROした際にインターフェア発生に不安が残ることから計画を変更することにした。

なお、同社のホームページに記載されているアンテナのエレメント長などの数値が、取り寄せたpdf資料と異なることが多く、また既に販売していないアンテナがメンテナンスされずそのまま掲載されているためにメールで何度も確認し、結果、徒労に終わることが多かった。

その後、工人舎のversaシリーズ、KA-404Liteを検討。いわゆる「巻尺式アンテナ」の特長であるWARCバンドを含む7-50MHzのオールバンドが全帯域SWR値1.2以下で運用可能であり、回転半径も許容内であったため、ほぼ決めかけたが、オプション(50MHzパッシブエレメントなど)や事前組み立て費用を含めるとアンテナだけで60万円を超える額となる。(ミニマルチ社でのアンテナ見積額の約4倍)また、機械構造のため、故障時(アンテナが故障するというのも滑稽であるが..)は、全バンドで運用できない虞や修理の必要性があることに鑑み断念。

アンテナは、あくまで「空中線」としての機能だけを愚直に有するものとして、最終的には、7MHzダイポールがオプション設定されているクリエイトデザイン社の318-40(14/21/28/3エレ)を選んだ。

50MHzは、318-40のブーム長(5.0m)とのバランスに鑑みCL6DX(6エレ/ブーム長5.7m)とした。50MHzの6エレでは、F2層によるDXには力不足であることは否めないが、8エレ以上のクラスになると、それ一本とHF帯はマルチバンドダイポールという構成にならざるを得ないため、今回は様子見とした。

なお、この2本のアンテナは、1970年代には既に発売されており、何度か改良されているが基本仕様は変わらず、極めてスタンダードな(廃番にならない程度に普通に飛ぶと解釈)アンテナであると考える。

アンテナの配列はタワートップから1.0mの位置に318-40を、更にその上1.5mの位置にCL6DXを設置。この構成での受風面積(45m/s)は、約15㎡となり(クリエイトデザイン社による試算)KT-15Cの許容負荷を僅かに越えるが、強風時にはアンテナを降下させることで対処する。

144/430MHzのグランドプレーンは、エアバンド受信ができるコメット社のGP-5(全長2.4m)を富士無線のセールス時期に購入・保管しており、これをタワー中腹部(屋根の高さを越えるレベル)にアンテナアーム(AM26B/2.7m)を用いて取り付けることにした。アンテナマストの先端に取り付けない理由は、ローテーターの回転により、捻れに弱いSFAケーブル(10D-SFA)のトラブルを防ぐことと、ケーブルによる減衰量を少なくするためである。

結果として、GP-5を除く全てのアンテナ、ローテーター、タワー関係の部材がクリエイトデザイン製となった。1社に限定した方が、メールでの問い合わせも効率的であった。

全体の構成は下図のとおり;





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