2023年11月20日月曜日

272. DX運用日誌(146)

●7O8AD(Yemen)-ATNO-
LA7QIAによるイエメン共和国ソコトラ島からのQRVで期間は11/4~11/16。同島はインド洋上の中東エリア(アジア圏)に属するが、地理的にはアフリカ(ソマリア)に近い。

11/4の朝5時前に10.106MHz/CWで初入感。RST529程度であったが、信号はフェードアウト気味で且つパイルアップも激しいため静観。


20時半過ぎに14.090MHz/FT8でQRVを確認。小一時間ほどコールしてリターンを得たが、翌日、DX world.net での告知により同時間帯は未だFT8を運用していないことが判明。

MSHVの6~8ラインで入感しJA/EUを同時にピックアップしていたため、その後、同様の入感時には真偽を判別するのは困難であり、ペディション期間中のログアップも無いことからWkdしても不安が残る。
<11/4>

<11/5>
11/12になって、RA9USUによる7O73T(QTHは同じくソコトラ島)の運用が始まるとの朗報が入り、初入感したその日のうちに21MHz/FT8であっけなくWkd。
翌日にはログをCLUBLOGにアップロードしてくれたことから、ATNOは解消し安堵した。

ペディション終了後にアップロードされたログを確認すると11/5の10MHz/FT8(上記)はホンモノであることが判明し、これが最初のQSO(ATNO)となった。
リターンを得るも「RR73」を確認できずリポートを再送したケースが多かったが、QSOした4バンドともに無事にCfmできた。


●TJ9MD(Cameroon)-ATNO-
Mediterraneo DX Club (MDXC) による大規模DXpeditionで、QRV期間は11/3~11/15。

11/5の朝7時前、14.019MHz/CWで初入感。ピークでRST539程度で入感するも20分ほどでフェードアウト。
その後、7:40頃から21.094MHz/FT8でのQRVを確認。30局ほどがコールされているがこちらでは入感はなく、9時前になってようやく-18dBで入感。

コール開始後、SNRはマイナス一桁台にまで上昇するが、マルチスロット運用ではなくピックアップした局に何度かレポートを送信して次の局に移る変則的な運用のため、遅々としてQSOが進まずパイルアップもなかなか収束しない。

結果、4時間以上コールし続けてリターンが得られ、オンラインログでQSOを確認。ようやくATNO解消となった。

「ATNO解消後は円滑にQSOが進む法則」は、今回も当てはまり、その後SSBでは、ほぼ一回でコールバックがあり、FT8も10分もかからずにリターンが得られることが多く、Band NEWを積み上げていくことができた。

しかしながら24MHzはQRVのタイミングが合わず、11/12の15時頃に4ラインでの入感があるも逸してしまう。
また、3.5MHzは11/13の早朝4時半頃にQRVを確認するも、デコードできたのは1回限りであり、結果、6バンド/10QSOに留まった。

●PR0T(Trindade & Martim Vaz)-ATNO-
ブラジルチームによるDXpedition。トリンダテ島はリオ・デジャネイロから東に約1,400km(札幌~福岡間)、大西洋上の群島でブラジル海軍の駐留を除いて無人との事。
QRV期間は11/17~19の3日間で、FT8は18/24MHz限定(フルリモート運用)とのアナウンスがあり、ハードルは高い。

<11/17>
朝8時頃から24.910Hz/FT8でのQRVを確認。複数のJA局がコールされているが、こちらには入感はない。DXSCAPEのData Base Searchをチェックすると昨日(初日)からの運用のメインはSSBのようであるが、入感&QSOの可能性は低いと考えてスルーすることにした。

<11/18>
深夜から引き続き18.107MHz/FT8で自動受信で待機。アンテナはショートパス方向。6時半頃からQRVを確認し、8時前になってDF:3,000Hz以上でコールされているJA局を見つけ18.108MHzにQSYするとDF:560Hz付近で複数の光点が現れて-16dBで初入感。

SNRはピークで6ライン/-17dBまで上昇するも、JA,EU,NA,SAと広範にピックアップしており、少なくとも100局以上がコールする激しいパイルアップが想定される。

MSHVのためバンド幅は有効に使えるが、見えているJA局だけでも空きDFを探すのが困難なほど混み合っており、低いDFを狙って何度も行き来しながらコールするもリターンは得られず、9時頃に一旦フェードアウト。

その後も絶え間なくJA局がコールされているが、こちらには入感はない。11時を過ぎてコンディションが少し持ち直し、スポット的にデコードできたタイミングでコール再開。13時半頃からはアンテナをロングパス方向に向けてコールしていたところ「-02」のリターンを得た。

あいにく「RR73」は未受領となったが、オンラインログが稼働しており”In log”を確認。朝の8時前か
らコールを開始し、約5時間半もトライしていたことになる。

16時頃から7.160MHz/SSBのQRVを確認し、試しにワッチするとRS41程度で入感。+10KHz以上のスプリット運用ながらJA局の激しい抑圧で殆ど聞き取ることができず早々に離脱。

17時頃から24.907MHz/FT8でのQRVを確認。多くのJA/EU局がコールされているがこちらでは入感はなかった。

<11/19>
朝の6時半前に10.133MHz/FT8でのQRVを確認。同局のHPにオペレーションプランを変更したとの告知あり。SNRはピーク4ライン/-10dB程度で入感するも、JAに限らずEU,NA,SAもピックアップしており、激しいパイルアップの状況は昨日と変わらず。

リターンを得られないまま9時過ぎには見えなくなったが、依然としてコールされているJA局は80局ほど見える。10MHzは短縮率30%のRDPであり、PY0Tを狙うには力量不足は否めないところ。

15時過ぎに帰宅し10.133MHzをワッチするとコールされているJA局が30局ほど見える。16時半になって-19dBで入感するもデコードは断片的。

デコードできたタイミングでコールしていると7分ほどしてリターンシーケンスをデコード。Hint依存で且つSNRが-25dBのためFalse decodeの疑いがあるが、2ピリオド後に「73」をデコード。
しかしながら正しいシーケンスは「RR73」であり、オンラインログには反映されず False decodeと判明。

仕切り直してコールするも、一度、False decodeが発生すると再発する傾向があり、その後も繰り返されるが、
JTDXのパラメーターは触らずに経験則で対処することに。

暫くコールし続けた後、バンド内の状況確認のために一旦、送信停止した後で「-18」のリターン。
直ぐに「R-21」を送るも「RR73」は未確認であったが、オンラインログにコールサインが表示され2バンド目のWkdとなった。

翌朝(11/20)も早朝5時過ぎから10.133MHz/FT8で入感しており、パイルアップは相変わらずであったが、リモートでチェックすると9時過ぎまで入感が続いていた。

今回、かなり苦戦したペディションであったが、短期間且つバンドが限定されていたことで返って集中できたのかも知れない。

2023年11月13日月曜日

271. 50MHz DXing 2023(9)

<11/5>VK9QO(Cocos-Keeling Islands)-Decoded-
一昨日の23時頃に50.323MHzでの運用を確認し、22時過ぎからアンテナを190度に向けて50.323MHzで待ち受け受信にしていると22:27にJT_Alertで入感を認知。

F/Hによるオペレーションが始まり4~6ライン/-12dBで安定して入感。1~6エリアを広範にピックアップされているが、この状況ならばリターンの順番待ちかと思いきや、入感から7分ほどで急速にフェードアウトしWide Graph上からも光点が完全に消える。今回は少ないチャンスを活かすことができなかった。

<11/7>HC2FG(Ecuador)-Worked-
12時過ぎにリモートでワッチすると南米が広範に開けている様子が伺える。CE,PYの常連局のほか、数分前からZP5DA/DBC,HC1DAZ/MD,HC2AO/ACZ/FGをコールされているJA局が見えるが、アンテナが南南東を向いておりDX局はデコードできていない。

アンテナを真東に向けると12:07にHC2FGが-16dBで入感。送信出力150Wでコールするもデコードレベル以下に落ちることが多い。デコードできたタイミングでコールしていると12:33にR-19でリターン。貴重なエクアドルの2局目をWkdできた。
その後、PY2XBやQSO B4の常連局は入感するも12:45頃にはKH6を除いてフェードアウト。

帰宅後に今朝の状況を確認すると、11時過ぎからHC局が、その30分後にZP局が入感していたようである。JA局が送られていたリポートは-15dB前後が多く、アンテナを向けていたとしてもこちらでデコードできたかどうかは不明。

<11/10>4W8X(Timor-Leste)-Worked-
11/9の10時過ぎにQRVを確認したが入感せず。本日は20時前からアンテナを真南に向けて待ち構えていると、
20:11に-19dBで入感。

直ぐにコールし3回目でリターンを得るも、マルチスレッドのためSNRが低く(Wide Graph上ははっきりと見えているが)シーケンスが続かずリポートを3回繰り返してようやく「RR73」を受領。

QSO後、暫く様子を見ていると1~6エリアまで広範にピックアップしていたが、信号は次第に弱まり最終デコードは20:35。こちらでは20分程度のオープンであった。

同局はCLUBLOGでリアルタイムでのログサーチが可能であるが、何故かデータが反映されておらず、試しに同じ時間帯にQSOされている他局を検索しても同じ状況。
ログ自体は何度もアップデートされるもNILの状態が続きPirateの可能性も考えたが、翌日の午後になってIn logが確認できた。

<11/11>南米オープン
9時前にワッチするとLU,CE,PYの数局が入感。またCE0Y
HOをコールされているJA局が見えるが、こちらでは入感なし。次第にコンディションが上昇し始めて9:10頃には10局ほどが同時に見えている。

小一時間ほどコールしてCE,LUの4局から応答を得たが半分は「RR73」未受領のまま終了。
10時頃にはフェードアウトし入感は常連局のみとなる。11時頃からはVK2が強力に入感し始めたのでアンテナを廻して3局とQSO。

11:20頃から再びPYを中心に南米局が入感。3エリア以西ではもう少し早い時間から賑わっていた様子。
SNRは-12dB前後で、CQingを繰り返す局が3局ほど見えるが、コールしても応答が得られない。いわゆる”片パス”なのか送信側DFのQRMが原因なのかは不明。

11:36にようやくリターンが得られ、そこからは効率良くリターンが返る。多い時には15局ほどが同時に入感しており、12時頃に信号が弱くなるまでに7局とQSO。

12時を過ぎた頃にZP5DAをコールされている1エリア局が現れるが、こちらには入感はない。その後、FO5QSのSPOTを確認しアンテナを110度に向けてワッチしていると-23dBで入感。コールするもデコードは一回限りであった。

午後は15時半頃まで断続的にVK1~6がオープンし、未交信局を見つけてコール。結果、本日の出来高は南米11局とVK15局の計26局であった。


<11/12>
8時半頃からワッチするとイースター島のCE0YHOをコールされている複数の1エリア局を確認するもこちらでは入感はない。

9時半前からはパラグアイのZP9HTLをコールされている1エリア以西の局が複数見えるがデコードできず。LU,PYの常連局もQRVしている様子であったが、今朝の入感はなかった。

午後からは昨日より小規模ながらVK1,2がオープンし3局とQSO。

16時過ぎにSNSの情報で4W8Xが50.111MHz/CWでQRVしていることを知りワッチすると419程度で入感。

スプリット運用となりコンディションの上昇を待って+1.6KHzでコール開始。程なくして「JA1?」でコールバックがあり、フルコールを打つもQRMでラストレターが取れず「JA1AFR 599 TU」で返して先方のコンファームを得た
その後、信号は599レベルまで上昇し多くのJA局がQSOされていた。


2023年11月2日木曜日

270. 9/10月のレビュー

<サマリー>
QSO数は339(9月:143 / 10月:196)となり、前年同期(237QSO)の1.4倍に増加。この2か月間に実施されたDXペディション(27団体/個人)をメインに追いかけたことでQSO数が伸び、全体の約半数(162QSO)を占める結果となった。


<エリア/バンド別状況>
エリア別にみると、DXペディションが数多く行われていたオセアニアがQSO数全体の50%を占め、バンド別では、50MHzが最も多く、オセアニア、南米が広範にオープンした日が続いたことでQSO数が増加し全体の1/4となった。


<DXCC進捗状況>
DXペディションによりATNOを2つ解消でき、Wkdベース(Mixed)で300エンティティに達した。
Band NEWは69スロット増えて、結果、DXCC Challengeはジャスト2,000Wkdとなった(LoTWでのCfmは1,880)。主なエンティティは以下のとおり。


<50MHz DXing>
9月後半からの断続的な南米オープン、10月に入って夜半のロングパスによるカリブ/ヨーロッパのオープン、そしてオセアニアが毎日入感しており、結果、
2か月間で25エンティティとQSO。

Band NEWは、オセアニアでのDXペディションとカリブオープンにより12エンティティ伸ばすことができた。内訳は以下のとおり。

一方、入感しコールするも逃したエンティティは南米のZPとオセアニアのT2,4Wの3つ。また、中米のTI,TGおよびカリブのCO,PJ2はQRVを確認するもこちらでの入感はなかった。