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2026年4月19日日曜日

322. タワーアース工事

先般、1.9MHz帯アンテナを検討する中で、タワーの接地について改めて調べたところ、周囲への落雷による誘導雷のリスクが無視できないことが分かった。そこで安心して運用を続けるためにタワーのアース工事を行うことにした。

■ 周囲環境と落雷リスク

自宅は第一種低層住宅地で周囲に高い建物はないが、タワーより高い構造物として以下がある。
東方向 90m:野球場のネットを支えるコンクリートポール群
西方向 130m:高圧線鉄塔
南方向 400m:地上高60m超の高圧線鉄塔

タワー自体の高さは15m(マストを含めると18m)なので直撃雷の可能性は低いと考えていた。しかし、周囲の鉄塔などに落雷した際、静電誘導や電磁誘導による誘導雷および接地電位上昇のリスクは否めない。

タワー建設から8年間、近隣で落雷被害の話は聞かなかったため深く考えていなかったが、通勤で利用する駅舎(2階)から見ると、タワーが周囲より頭一つ抜けて見える。この状況を踏まえ、リスク低減と安心のためにアース工事を行うことにした。

■ 業者選定と工事方針

以前、ハイパワー変更工事の際に200V配線とアース工事をお願いした電気工事店(ご隠居)に連絡。その日のうちに現地調査に来ていただき、以下の方針で進めることにした。

・被雷対策としての保護接地のため、接地抵抗はA種接地相当(10Ω程度)を目標とする
・アース棒(1,500mm)を連結して「深打ち」することで低い抵抗値を確保する
・タワーの3本柱それぞれにアース線を繋ぎ、どの柱に雷が落ちても大地へ逃がせるようにする

3日後「今から工事しますが・・」との連絡が入り、急遽、立ち会いながら(手伝いながら)作業を進めた。

■ 作業工程

①掘削

タワー東側の柱から約1.2m離れた地点を70cmほど掘り下げる。

②配管ルートの確保

掘削地点までの経路を掘る(深さ30cm程度)。そこにPF管に通したアース線(22sq)を配線。

③アース棒の深打ち

連結式アース棒(Φ14×1,500mm)を電動ハンマで順次打ち込んでいく。

④接地抵抗の測定

アース棒を打ち込む毎に抵抗値を確認。

⑤タワーとの接続

タワー基部(東側柱)のボルトにアース線端子を装着し、他の2本の柱とリンク接続して終了工事時間は2時間強であった。

■ 接地抵抗の推移

アース棒を1本打ち込んだ段階(先端深さ2.2m)での測定値は 21.0Ω。 その後、測定しながら4本まで深打ちした結果は以下のとおり。

最終的にタワー本体から測定した接地抵抗は3.9Ωとなった。
この値から逆算(並列合成抵抗の計算)すると、タワー単体の接地抵抗は 約12.8Ω。もともと地中の湿り気や土質が良く(軟弱地盤であるが)、タワー基礎の鉄筋がしっかりと大地と結合していることが証明された。

今回、接地抵抗として「3.9Ω」という極めて低い値を得られたことで、Low Band運用における高周波的な安定も期待できるため、タワーそのものを輻射体とするシャントフィード等の検討もしたい。


2026年4月14日火曜日

321. 1.9MHz帯アンテナの設置

DXingに復帰して 8年目。伸び悩むDXCC Challenge の打開策として1.9MHz帯へのQRVを試みるためにアンテナを設置した。

■アンテナ選定

1.9MHz帯のアンテナはその固有長から住宅地での設置はハードルが高い。候補としてはタワートップに短縮型ハーフスローパーを設置する方法があるが、タワー建設時にアース棒を基礎に埋設・接続しておらず、この状態ではタワー単体で静電容量による「疑似アース」として多少は効くものの、実用的なRFアースとしては期待できない。

また、給電点インピーダンスが低くSWRの整合が取りにくくなることが想定され、疑似アースが弱いことと相まって同軸ケーブルの外皮(網線)がアース代わりとなりコモンモード電流が発生しインターフェアの原因となる可能性がある。

そのためハーフスローパーと比べ高仰角(DX不向き)で大地の影響を受けやすくなるが、設置・調整が簡単な短縮型ダイポール(Inv-Vee)を試すことにした。

商品としては第一電波工業から1.9MHz/7MHzの2バンド対応アンテナ「W719」が2021年に発売されており、ローディングコイルを介してワイヤーエレメントがそれぞれ15メートルなので、途中でベントする(折り曲げる)前提で設置することができる。これをネットで注文した。

部材は以下のとおり。バラン(BU-50A)が同梱されており、耐入力は1.2kW(PEP)。FT8では250W以下で使用するよう注意書きがあるが、1.9MHz帯の最大出力(免許)は200Wなので許容範囲内に収まる。但しアンテナがしっかりと整合していることが前提であるが・・

ローディングコイルはずっしりと重い(346g)


■アンテナ設置

タワートップには3.5MHz用のInv-Veeを上げており、ここに共存させると互いへの干渉が気になる。気軽に試すことを優先し2階ベランダからマストを伸ばして地上高7m弱の位置にバランを設置。そこから南北方向にワイヤーエレメントを張り、北側は5m、南側は8m辺りで90度にベントさせる計画とした。

ベント構造は効率低下を招くものの、限られた敷地で実用的な長さを確保でき、3.5MHzでもそれなりに楽しめているので(143エンティティとQSO)今回も期待したいところ。

北側のワイヤーエレメントを中継/固定するため、敷地の角2ヶ所に新たにアンテナマストを設置(高さは3m)。南周りには80mのワイヤーエレメントに使用しているアンテナマストと共用した。

W719を一旦マニュアル値どおりに設置してSWRを測定。7MHzはフルサイズのダイポールとして動作しており、ヒゲ長を調整し7.074MHzで1.6程度に落ち着いた。帯域幅も割と広くDX局も入感しているのでサブアンテナとしても使えそうである。

肝心の1.9MHz帯では、その近辺はおろかアンテナアナライザーの計測範囲(下限1.71MHz~)ではディップ点を見いだすことができなかった。

アンテナが地面に近いため、地面との静電容量(浮遊容量)が増加し、エレメントが物理長以上に“電気的に長く”見えている。その結果、ディップ点はアンテナアナライザーで測定できない1.7MHz以下にあると考えられる。

■アンテナ調整

①バラン無しでアンテナ単体の共振点を確認
推測に頼っていきなりワイヤーエレメントをカットするのは無謀なので、まずバランを外してアンテナ固有の共振点を探ることにした。結果、1.802MHz付近でディップしていることが判明し、そこからエレメント長の調整に入った。

3.5MHzのInv-Veeを設置した際、左右のワイヤーエレメントのカット幅とSWRの推移を見ながら感覚的に作業してしまい、後からワイヤーを継ぎ足す羽目になった反省がある。最終的に左右のエレメント長の正確な値が判らなくなってしまった..

今回はこの反省を踏まえてAI(Copilot)にアンテナの設置環境、現在の共振周波数、SWR値、リアクタンス(R)/インピーダンス(X)、目指す周波数(1.840MHz)を伝えエレメント調整幅、調整方法を求めた。

AIによるアドバイスをベースに作業を進めることで、余計な思い込みに左右されず論理的に進めることができる。また、いきなり計算上の数値までカットすることを求められることはなく慎重なアプローチを提案してくれる。

何度も測定値をAIにフィードバックしながら調整した結果、1.840MHz近辺でディップを得ることができた。しかしながらSWR値は5.7と高く、このままでは実用には適さない。

②バラン装着後に再測定・調整
ここからはバランを取り付けて実運用に向けた調整を行う。バラン装着後、ディップ点は再び計測範囲外となったが、下限周波数(1.71MHz)付近でカーブが見えていたため、慎重にワイヤーエレメントを切り詰めていくと、1.72MHzにディップ点が現れ、SWRは1.7となった。

この現象は(AIの解説によると)バランの無い状態では同軸ケーブルの外皮(網線)がアンテナ(放射体)として一体化し動作していた可能性があり、アンテナエレメント調整後にバランを付けることでアンテナ固有の共振点が見え、且つ同軸ケーブルの外皮を流れるコモンモード電流が遮断され同軸ケーブルは本来の伝送路となり、アンテナ固有のSWR値が現れてきたらしい。

③ 1.840MHzへの追い込み
あとはこれまでの工程を繰り返すだけだが、ワイヤーエレメントの上げ下げ(ロープ牽引)と調整、そしてAIとの対話を繰り返すうちに気づけば夜の19時になっていた。それでも最終的に1.840MHz付近でSWR1.5まで追い込むことができた。

ローディンコイルの端子からエレメント先端までは双方382cm(ヒゲ7cm含む)となり、規定の460cmから78cmカットした計算となる。

SWRの測定結果は次のとおり。予想どおり帯域幅は狭く「1.840MHz/FT8専用アンテナ」という趣きである。1.820MHzあたりのCWならばアンテナチューナーで対応できるが、1.90MHz以上はSWRが非常に高く強制的にチューナーで整合させてもバラン自体に負荷がかかり、ほとんどが熱として消費されてしまうため実用的な運用は難しい。



<インターフェア対策>

アンテナの地上高が低く家屋が近いため、コモンモードの発生は極力抑えたいところ。幸い給電点から無線機までの同軸長は10m程度であり、対処ポイントは絞られる。

まずバランの直下にコモンモードフィルター(CMF2000)を挿入。これは自宅保管していたものを活用。屋内対策はアンテナチューナーの後にフェアライトコア(ZCAT2032-0930)を8個装着した。

これ以上の対策は思い浮かばず、AIに確認しても送信側としては充分との見解。あとは実際に運用し、インターフェアが出た場合はその機器側で対策を講じるしか無さそうである。

1.9MHz帯の運用では、コモンモードに限らずインターフェアを完全に防ぐことは難しい。特に住宅地では、隣家の方が安価な(シールドが弱い)AMラジオを聞いている場合など、強電界で抑圧される可能性が高く、他バンド以上に注意が必要である。

2025年9月23日火曜日

312. 受信用アンテナ(SA7000)の設置

2階のベランダに立てている風速計用のマストに受信用アンテナ「AOR SA7000」を併設した。

現在、受信用アンテナとして第一電波工業製のD303(0.5~200MHz)をベランダの北側に設置しているが、二台ある受信機、SDRレシーバー(RSPdx)とFRG-7の切り替えが面倒なためベランダの南側に設置している風速計のマストに別のアンテナを取り付ることを考えていたが、この
アンテナの基台であれば風速計と一緒にしてもファンがエレメントに干渉しないことが判り、ネットオークションで出品されているものを見つけて入手。

取扱説明書には30kHz~2GHzで使用できるホイップアンテナとの記載があり、30MHzまでの中短波用エレメント(1.8m)とそれ以上の周波数をカバー
するエレメントの2本を樹脂ケース内部で混合し同軸に送る構成になっている。

広帯域で同調を取るためにローディングコイルが入っているようだがゲインは最大で0dBであり、高い周波数帯ではあまり期待できないが、試しに他のアンテナと聞き比べてみた。

先ずFRG-7に繋いでAFN(810KHz)を受信するとD303ではSメータで59のところ、SA7000に切り替えると+15dBまで振れる。
そのまま7MHz/CWをワッチするとD303ではRST419~519の局が559程度まで上昇。感度はこちらの方が優れているようであり、ミクロネシアのDXペディション局も辛うじて聞こえた。

7MHz以上のHF帯では特に差異は見られないため、今後はTS-990に繋いで
14.074MHz/FT8をワッチしてみる。KA1-404Lで20局程度デコードしている状態からSA7000に切り替えると5局以下に減少したが-6dBで入感していたウルグアイ局が-18dBでデコードできた。

次にSDRレシーバーに繋いでFM放送を聴き比べると、多くの放送局では大差がなかったがI
nterFM(89.7MHz/東京タワー)はD303の方よりも感度が落ちてノイズが絡むようになった。

エアバンド,145MHzの比較でもD303の方が感度が勝っていたが、VHF以上はディスコーンアンテナ(DS150S)の方が優れているので、こちらも置換した。

タワー中段に設置しているコメット製のGP-5(145/430MHz)を含め、3種類のアンテナ(GP/ディスコーン/ホイップ)で439.14MHzのレピータ局(箱根町/110km)を受信したところ、GP-5ではRS52程度、DS150SではRS41程度、SA7000では入感しなかった。

暫くはこのアンテナを中・短波帯で用いて更に感度の良さそうなものがあれば置換してみたいが、やはり実際に使ってみないとその優劣は解らないようである。

2025年8月27日水曜日

310. ベランダアンテナの変遷

当地に自宅を建てた2000年から2階のベランダには、何かしらの無線用アンテナを設置している。そもそも施工時にその目的で壁面に3ヵ所CD管を通しておいた。
2018年にタワーを建設した後も状況は変わらず、現在は受信用アンテナ(D303)と風力計を上げているが、過去からの変遷を整理しておく。

■VC-3

周波数:7/21/28MHz
設置時期:2000年頃
既に廃業した北辰産業(Maldol)製のトライバンドV型短縮ダイポール。実家から持ってきたHF機(IC-750S)に繋ぐために設置するも、結局、ワッチのみで電波を出すことはなかった。当時ネットショップで購入したと思うが履歴などは残っておらず詳細は不明。数年後に撤去した際、エレメント接合部が固着して分解できずそのまま屋外で保管。2019年2月にジャンクとしてネットオークションで売却している。

■DS150S

周波数:25MHz~1500MHz
設置時期:2003年頃
コメット製のディスコーンアンテナ。2003年に現YAESUの受信機VR-5000を購入したタイミングで設置したと考えるが、会社帰りに秋葉原の富士無線に立ち寄って購入したこと以外は忘れてしまった.. これまでに何度もベランダでの設置と撤去を繰り返しており、現在は保管中。

■MK-5

周波数:長波~UHF帯
設置時期:2010年2月
Field_ant製の受信専用シールドループアンテナ。ノイズが少ないとの評判を踏まえネットオークションで購入して設置。DS150Sと併設して聞き比べると長波~短波帯でもS/Nに変化は感じられず暫くして撤去し保管。大きさ故に保管スペースを取るので2011年1月にネットオークションで売却した。

■D303

周波数:0.5~200MHz
設置時期:2011年2月
第一電波工業 (DIAMOND) 製の受信専用アンテナ。MK-5の後継としてネットオークションで中古品を購入後、DS150Sとの併用/置換を繰り替えしながら現在も稼働中。

■CP-5HS

周波数:7/14/21/28/50MHz
設置時期:2015年5月
第一電波工業 (DIAMOND) 製の5バンドグランドプレーン。アマチュア無線の復帰に向けてネットショップで購入し設置。全長が3.6Mあることから給電部分で3方向にステーを張った。
ラジアルも最長1.8Mあり隣地に少しはみ出していたことから、住宅建設が始まったのを機に2018年内で撤去・保管し、2019年1月にネットオークションで売却。
このアンテナを用いて初めて当地からQRV開始。無線局免許状の交付から12年後となった。

■UHV-9

周波数:3.5/7/14/18/21/28/50/144/430MHz
設置時期:2023年5月
コメット製の9バンド短縮ホイップアンテナ。サブ機(FT-991AM)導入を機にネットショップでカウンタポイズと併せて購入し設置。
実運用に用いることはなく、風力計設置のためマストを譲る形で2025年2月に撤去して現在保管中。


このほかにFM放送用の4エレ八木や衛星放送用パラボラアンテナを設置した時期もあったが、現在は至ってシンプルな構成になっている。
サイズの制限はあるものの気軽に様々なアンテナを試せるのはベランダアンテナの醍醐味であろう。

2024年5月4日土曜日

289. ローテーターの交換 ②

4/15にメーカーに故障対応を依頼したローター(本体)が修理を終えて戻ってきた。故障原因は、ローター内部のボリュームの経年劣化によるとの事。

ローテーター(RC5A-3)は2018年6月にのタワー建柱時に設置しており、約6年で故障したことになるが、メーカーによると機械構造部ではなく電子部品なので、使用頻度にも因るがもっと早く故障する場合もあるとの見解であった。


修理内容は、ボリューム(品番:RA25Y-20S B506)の交換のみであったが、併せてオーバーホールを依頼して、グリスアップ・クリーニングと幾つかの部材を交換。


費用は技術工料(2.5hと記載)と部品代、送料等で1.8万円ほど。インジケータおよび他の部材と共にこのまま保管し、何年か先に起こりえる次の故障に備えることにする。



2024年4月22日月曜日

286. ローテーターの交換 ①

3月末にローテーターが突然動かなくなり、結果、ローター本体を交換したので経緯を纏めておく。

■事象

アンテナ(ローター本体)が340度(北北西)の方向で停止。PCリモートでインジケーターを操作しても動かなくなる。
インジケーターを手動(MAIN側)にして、CWレバーを1回押下すると指針が時計方向に高速で回転(通常の3倍程度)し廻し切った状態で停止。
上記からCCWレバーを1回押すと、指針が反時計方向に高速で回転し廻し切った状態で停止。
何回か試していると指針が廻転途中で止まり、その左右(30度程度)で大きくふらつく事象も発生。その状態から再度CW/CCWレバーを押下すると左右に廻し切れる。

<障害切り分け>
インジケーターは、2023年7月にリモートタイプ(RC5A-3P)を購入し置換しており、試しに以前のインジケーターに接続しても上記事象は同じであったことから、故障箇所はローター本体かリモートケーブル(7芯)の断線が考えられる。

取扱説明書に記載されているインジケーターとローター本体それぞれの内部抵抗値を測定すると、インジケーターとローター駆動の電源供給部は規定値どおりであったが、方向制御に係る区間の抵抗値が大きい。
但しインジケーターで左右に廻し切った状態で何度か測定すると抵抗値の変化はあるため、ケーブル断線は考え難い。

不具合内容と測定値をメーカーに伝えたところ、ローター本体の故障の可能性が高い(ケーブル起因もゼロとは言えない)が、いずれにせよローター本体をメーカー側で点検させていただくとの見解。

ローター本体をタワーから一旦外してメーカーに送付・修理した後、再度設置となると二度手間になることから、新たにローター本体を購入し置換して、修理したローターは予備として保管しておくことにした。

■交換作業

ローター本体は部材としてメーカーから直接購入できないため、工事業者にローター本体の調達を含め交換作業を依頼。工事日はスケジュールを調整した結果4/12夕方からとした。

当日は18時前から作業を開始し1時間ほどで終了。ローター本体交換後、インジケーターを接続し正常動作を確認。併せて磁北寄りであったアンテナの向きを真北(+7.5度)に調整した。


■ジャンクションボックス

ローターの置換に併せてリモートケーブルの延長と発雷時に直ぐにケーブルを切り離せるようジャンクションボックスを設置。

ケーブル延長用のコネクタはメーカーから頒布されているようであるが、現行のY型圧着端子を切断せずにそのまま活かすことにし、ハム
ショップでリモートケーブルと同じもの(VCTF 0.75mm 7芯)を2m買い求め、7Pinコネクタセット、端子板などの部材はamazonおよびホームセンターで調達。ケースは100円ショップで見つけた金属ケース(蓋付き)を用いた。

コネクタは予想したよりも内径が小さく、ケーブル(外径9mm)がコネクタ内部まで通らず、またハンダ付けには難儀したものの何とかコンパクトに仕上げることができた。


2023年8月26日土曜日

256. ローテーターのPCコントロール

FT8のリモート運用でこれまでネックとなっていたローテーターのリモート操作に関して、ローテーターPCインターフェイス(頒布キット)を用いてPC制御によるリモート操作をできるようにした。

■インジケーターの置換

2018年のタワー建柱時に購入・設置したローテーターセット(RC5A-3)は、そのインジケーター部(コントローラー)にリモート端子がない仕様のため、メーカーに送って改造してもらうかリモート端子付きのインジケーター(RC5A-3P)を購入する必要がある。
メーカーに見積依頼したところ納期までに10日ほどかかり、その間はアンテナを廻せないことや、工費が思った以上に高額であったことから、新たにインジケーターを購入し、従来のものは故障時の予備とすることにした。


■PCインターフェイス

ネットにて「ローテーターコントローラー」を検索すると、完成基板の頒布とパーツから組み立てるキット頒布の2つが見つかり、後者は2023ハムフェアでも入手できるため、こちらを選択し事前予約の上、8/19に会場で受け取った。
キットはプリント基板、パーツ、5PinDINコネクタと各種アプリケーション/説明書が入ったCD等を含めて5Kと安価。

動作原理はどのコントローラーも同じであると考えるが、ローテーター側から位置情報を示すDC出力、RC5A-3Pの場合は、1番ピンから0.0V(CCW-180度)~3.2V(CW+180度)の電圧変化をA/Dコンバーターでデジタル変換し、アプリケーションの地図上にプロット。アンテナを向ける方位を決めて地図をクリックすると、A/Dコンバーターを介してその位置情報までCCW(左回転)またはCW(右回転)端子を接地しローテーターを廻す仕組み。

■組み立て

久し振りのキット製作のため、半田ごての先端が最も細いタイプの純正品(TQ-77RT-SB)に交換。基板のはんだ付けは、トランジスタ(3個)の線間ピッチがかなり狭く注意を要したが、丁寧な説明書が添付されており、難なく組み立て作業を終えた。

一方、インジケーターのリモート端子のピンポジションを左右反対に誤認したことで、期初設定で規定の電圧が測定できず、気づくまでに時間を要してしまった。

ケースは、ハムフェアで見た実機のケースより少し大きめの「YM-120」を購入。USB Type-Bを差し込む四角穴のケース加工は金属やすりをかけて仕上げたが、それなりの出来栄え。 ケースに入れて配線し完成したものは以下のとおり。


インジケーターのリモート端子(J1)は6Pin DINのため6芯ケーブルを用意し
たが、使用するのはGNDを含めて4芯のみ。ピンポジションを備忘のため記録しておく。


■設定・調整

説明書に従い、基板の位置情報信号出力(電圧)を調整。その後、アンテナ方位と電圧の関係を示すパラメータ(ADコンバーター値)を4つの方位で測定しデータ登録。設定値は以下のとおり。

なお、現在アンテナの向きはインジケーターが0度値でほぼ磁北を向いており、真北方向に+7.3度補正する必要があるが、台風シーズンが終わってからの作業とする。

■使用感

アプリケーションの設定画面で地図を3種類から選択できるほか、jpegファイルで簡単にカスタマイズできる。試しにQTHを中心とした関東エリアと日本全国の地図を作り設定してみた。50MHzで国内向けにビームを向ける時は便利に使える。

従来のインジケーターでの操作と比べ、PC上で(マウスで)簡単にエンティティの方位を合わせられることや、世界地図(正距方位図)も少しカスタマイズして見易くなったため、リモート運用に限らず普段使いとして用いることにした。

ステータスLED(緑)が通電時は点滅し続けるので、電源スイッチに置換しても良いかもしれない。


2023年6月18日日曜日

250. サブ機導入・ベランダアンテナ設置

無線設備の冗長化に向けてサブ機を導入。それに合わせてベランダにアンテナを設置した。

<サブ機の導入>
これまで無線設備としてはTS990一台で運用してきたが、購入から8年が経ち故障発生に備えて(DXペディション中の不測の事態に対処するため)サブ機を用意しておくことにした。

機種選定にあたっては、単に予備用とするのは勿体ないので、144MHz/FT8で近隣アジアを狙うことと、リニアアンプ(IC-PW1)を繋ぐ前提として、ICOMかKENWOODで検討したが、両者とも現行モデルでは候補機がないことから(ここ数年、発売を待っていたが)YAESUのFT991AMとしてネット通販で購入。

FT8運用で接続するPCはTS990と共有するため、操作で混乱しないようソフトウエアはWSJT-Xを使用して使い分けすることとし、JT-Linker経由で共有するTurbo HAMLOGにログデータを送る設定。

<アンテナの選定>
144/430MHzはタワー中腹のアームバーに設置したグランドプレーン(GP-5)に繋ぐが、HF~50MHzについては、既存のアンテナシステムから切り替える構成とせずに、モニター用途として2階のベランダに新設することにした。

アンテナの選定については、隣の敷地にはみ出さない形状と大きさ、台風時に撤収できること、そしてなるべく多くのバンドに対応(同調)していることとし、COMET社のUHV-9にカウンタポイズを取り付ける構成とした。セット品としてHAM通販大手で購入し併せてアンテナ基台(コネクタ付き)をamazonで調達。

<アンテナ設置・調整>
組み立てそのものは数十分で終わったが、各バンドのエレメント長の調整に時間を要した。
ステンレス製のエレメントは、予備品が付属してあるものの切断が必要となる調整が難しく(切りすぎると戻せない)、針金で代用してアンテナを定位置に上げてアンテナアナライザーでSWRを測定し調整を繰り返す手順で、これを各バンドで実施。

エレメントの調整に先立って、カウンターポイズ(5m×5本)をアンテナ基台から垂直に降ろして、ベランダに無造作に放置。長さをもう少し伸ばしても良いかも知れない。

各バンドともディップ点はピンポイントとなるため、全てFT8の標準周波数で調整。3.5MHzは、数ミリでも大きく変動するために追い込みきれず、ステンレス製エレメントを少し切りすぎたためディップ点が高めとなったが、実際に送信する機会はないであろうと考えて一旦終了。

50MHzは無調整でも使用可との説明があったが、HFの調整後に測定すると全帯域を通じて5を下回らない..ここから調整を行うと既に調整した他のバンドに影響する可能性があるのでそのままとした。
SWR値は以下のとおり;
  3.573MHz:6.0(3.610MHz:1.0)
  7.074MHz:1.1
14.074MHz:1.0
18.100MHz:1.7(18.000MHz:1.0)
21.074MHz:1.5
28.074MHz:1.7
50.313MHz:5.6 無調整
144.47MHz:1.4 無調整
432.17MHZ:1.1 無調整

給電点は地上高5mであり家屋からも近いため、7~28MHzのSWR値も落としきれないと思ったが使える範囲には治まった。


<運用所感>
設置後、14MHzで伝搬の良い時間帯にFT8をワッチしてみると、北米(東海岸)、カリブ、EU、中東が入感している。28MHzでは南米、50MHzでは、XV,DUもデコードできた。

メイン設備と同時受信して比較すると当然ながら入感局数は少なく総じてSNRは低いが、中にはマイナス一桁台を示す局もおり、全長2メートルの
短縮ホイップにカウンターポイズを付けただけで、これほどデコードできるとは思わなかった。

Newエンティティを追いかけず、単にFT8でDX QSOを愉しむことに特化するならば、この設備構成でも十分であることが判った。

2023年6月15日木曜日

249. VERSA Beamのポール折損 ②

VERSA Beam(KA1-404Lite)のグラスファイバーポール(以下、ポール)が折損した原因等について纏めておく。

ブームから取り外したAEU(Ra)や部材を見ると、焼け焦げや変形が随所に見られる。特にエレメントに直接触れる「ガイドパイプ」の焼損は激しく、炭化が進んでいる状態。




AEU(Ra)をメーカーに送り、想定される原因等について問い合わせ、1週間ほどで内部の写真とともに点検結果の報告を受けた。
メーカーによると、焦げたエレメントの位置から推測して7MHzでの送信時に高いSWR値で高電力の負荷がかかり、スパークしたのであろうとの事。

高いSWR値(2.0以上)のまま送信した場合、パワーメータ(KP1)のプロテクト機能により瞬時に送信ラインを遮断する構成にしているが、上記以外にスパークを誘発する要因がないことから
、例えばKP1の電源を入れ忘れた状態で7MHzに切り替え、その直後に誤って最大出力(400W程度)で送信したのかも知れない。※これも現実的には考え難いが..

上記を踏まえ、本事象の流れを整理すると以下のとおり;
昨年9月頃に7MHzで送信した際、高SWR値で高電力(400W程度)がかかる状況となり、最初のスパークが発生。
スパークは「ガイドパイプ」内のエレメント(7MHz位置)と「ポールサポート」を固定している六角ボルト(M6)間で起きたと考えられ、その結果「ガイドパイプ」の筒部分が焼け焦げた。
スパークしたもののAEU内部の電子回路は損傷しておらず、その後も通常どおりエレメントは伸縮し、SWRは1.2程度に留まっていたため異変に気づくことはなかった。
最初のスパークで焦げた「ガイドパイプ」の一部が炭化(導通化)したことで、その後の送信時(平常のSWR値であっても)に同一箇所で同じようなスパークが発生し「ガイドパイプ」以外にも「パイプラバー」「ポールサポート」そして「グラスファイバーポール」にまで焦げおよび発熱による変形が徐々に広がった。
「ガイドパイプ」の筒部分が焼け焦げて変形したため、エレメントを収納しようとした際、エレメントトップがAEUの定位置まで戻らず、結果、ホームポジションエラーが発生。
その後、更に焼け焦げ(炭化)が進んだことでエレメントトップの動線が再び確保され、結果的にエレメントトップがセンサー位置まで戻ることができ、同エラーは解消した。
その後もスパーク/発熱による変形が繰り返されたことで、最初のスパークから半年以上経って(今年5月)ポールの焦げた部分の強度が弱まったところに強風の影響で負荷がかかり折損した。

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再発防止としては、このモデル(Liteタイプ)の鬼門?である7/10MHzでの運用時、カタログ値の耐圧(600W/SWR1.2以下)を上限とせずに、基本はベアフット(200W以下)とすることが何よりであろう。

今回の折損で約3週間、HF帯(7-28MHz)の運用停止を余儀なくされたが、大きなDXぺディションがなかったことが不幸中の幸いであった。これが2月のBouvetの前に起きていたと思うとぞっとする。

<参考>部材名称








2023年6月14日水曜日

248. VERSA Beamのポール折損 ①

2021年4月に設置したVERSA Beam(KA1-404Lite)について、今回、ラジエーター左側のグラスファイバーポール(以下、ポール)が根本から折れるトラブルが発生。以下、経緯について纏めておく。


<2022年9月末>
AEU(Ra)のエレメントをホームポジションに巻き戻した際、KA1コントローラーの表示が「_234」となり、ステップモーターが空回りした後で停止(タイムアウト)する事象が発生。

メーカーに問い合わせたところ、エレメント伸縮時に何等かの影響でエレメントの先端部分が湾曲しAEU(Ra)のホームポジションセンサー位置まで戻らなくなったか、センサー回路の不具合が考えられるとの見解。

前回の不具合発生時と同様、ケーブル治具を送付してもらいケーブル断線等の可能性を探るも問題はない様子。

普段の運用には影響はないので、工事業者には都合の良い時に(近隣で工事があるついでに)点検していただくよう依頼。その後、同事象は散発的に発生したが、年が明けた頃には安定したため、特段、気にかけることもなくなった。
※結果論ではあるが、この時点でAEU(Ra)を点検し一部の部品を交換していれば、
ポールが折れる事態までには至らなかった..

<4/14>
何気にアンテナを見上げた際、ラジエータ左側の
ポールがビーム方向に僅かに曲がっていることに気づく。
例えば大きな鳥が飛来してポールに長く留まった場合、荷重が下方向に加わって歪曲するのであれば理解できるが、前方への曲がりは原因不明のため、工事業者にメールで連絡し先の不具合を含め点検を再要請。

<5/6>
朝から強風が吹いており、エレベーターでアンテナを降下させるかどうか思案していると、外からカンカンと何かを叩く音がする。
庭に出てみるとラジエータ左側のポールが折れて垂れ下がり、風で煽られてタワーに当たっている事が判明。

直ぐにエレベーターでアンテナを降下させ、強風の中、タワー中腹まで登って折れたポールを取り除いた。

ポールが折れた位置は、AEUとポールを固定する2か所の「ポールサポート」の中間部分であり、ここに外部から力が加わることは構造的にあり得ない。

当初、AEU側の「ポールサポート」のボルトが緩んだか、ヒビ割れが生じたことでポールの先端が抜けてしまい、もう片方の「ポールサポート」がテコとなって強風の力が加わり折れたのではないか-と推察したが、折れたポー
ルの断面を見ると、その一部が焦げており、単に物理的な力が加わったことが原因ではないことが判った。



メーカーおよび工事業者に連絡を取り状況を伝えたが、折損が起きた原因はAEU(Ra)を取り外して検分しないと判らないことから、ポールの交換品とAEU(Ra)の置換も想定し関連部材を送付するようメーカーに依頼。

数日後、メーカーから部材が到着し、後は工事業者と日程を決める段取りとして、暫く待機することにした。



<5/29>
5月末に工事業者から連絡があり、工事日は週明けの5/29で調整。当日は台風2号接近の影響で前線が停滞しており朝から雨の中での作業となった。

作業は効率的に時間をかけずに終わらせるため(タワー上での点検等は行わない)、ブームベース上のラジエータ部分を全交換することとし1時間ほどで終了した。


想定される原因等は別頁②に記載