2022年3月18日金曜日

193. KP1の導入

アンテナとリニアアンプの保護目的で工人舎のデジタルパワーメーター KP1 を導入。概要を纏めておく。

<背景>
昨年秋のVERSA Beamのトラブル(=コントローラケーブルの一部断線によりAEU内のリレー回路が動作せず 7/10MHzでSWR値が無限大)以降、送信時はリニアアンプの内蔵チューナーはスルーにして、リニアアンプのSWRメーターでアンテナ〜リニア間のSWR値を監視しているが、1月下旬の降雪時、エレメントに付着した雪の影響で7MHzのディップ点が200KHzほど下がり、7.074MHzでのSWR値が無限大となっていた。
その際、もしFT8のリモート運用をしていたら、気づかずにAEU(Ra)の内部回路を焼損するリスクがあった。
また過去にコモンモードフィルターのコネクタ接触不良によりリニアアンプのSWRメーターが異常値を示したことから、アンテナ固有のSWR値を常に確認できる状態が望ましく、更にKA1コントローラーでアンテナのSWR値を調整する際、小さいアナログメーターではディップ点を探るのが不便であった。

上記のはいずれもKP1の機能で解消できることが判り導入を決めた。
アンテナのSWR値が何らかの理由で悪化した場合、リニアアンプを自動停止することができる。結果、バンド切り替え時のエレメント伸縮中に誤って送信した場合のプロテクションにもなる。
リニアアンプから見てフィルター類を通過した後に本機を繋ぐことで、アンテナ固有(同軸ケーブルを含む近似値)のSWR値を測定できる。
SWR値は小数点以下3桁のデジタルで表示されるので、エレメント伸縮によるディップ点が探り易い。

<構成・配線>
KP1を追加した全体の構成・配線は下図のとおり。


本体の背面パネルにあるRCA端子
<TX GND>をTS990のACCソケットの#4(MKE端子)に繋ぎ、もう一方の<RELAY IN>はこの#4とFTCを経由し接続していたIC-PW1のACCソケットの#3(SEND端子)に繋ぐ。
通常、本体内部で接続されているこのラインが、任意に設定したSWRの閾値(例 2.0)を超過した際にオープンとなる仕組み。この場合、エキサイターが送信状態にあってもリニアアンプがスタンバイ(スルー)状態となり、結果、アンテナに供給される電力はエキサイターの出力(最大25W程度)に留まる。
ケーブルは各ACCソケットからではなく、FTC側のDsub(15P)コネクタから分岐することにした。

<動作確認>
SWRプロテクトの閾値を2.0に設定し、送信状態のままKA1コントローラーでエレメントを伸縮しSWR値を変化させいくと、下図のとおり閾値を超えるとプロテクトランプが点火してリニアアンプがスタンバイ状態となった。
KP1は上記の特長以外にもRFピックアップ部分と本体を分離できることや大型クロスメーターにより視野性が高いことなどユーザーの使い勝手に工夫がみられる。できれば50MHzまで測定したいところだが、HFでのハイパワー運用をコンセプトに開発された製品であろう。
筐体は思っていた以上に大きく、TS990の上に配置してみたが少々バランスが悪い.. 部屋にはなるべく無線機材は置かずシンプルなレイアウトを心がけているが、KP1の設置でまた一歩『シャック』に近づいた。なお、世界的な半導体部品不足の影響か、発注から納品までに1ヶ月ほどかかった。

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