2026年4月19日日曜日

322. タワーアース工事

先般、1.9MHz帯アンテナを検討する中で、タワーの接地について改めて調べたところ、周囲への落雷による誘導雷のリスクが無視できないことが分かった。そこで安心して運用を続けるためにタワーのアース工事を行うことにした。

■ 周囲環境と落雷リスク

自宅は第一種低層住宅地で周囲に高い建物はないが、タワーより高い構造物として以下がある。
東方向 90m:野球場のネットを支えるコンクリートポール群
西方向 130m:高圧線鉄塔
南方向 400m:地上高60m超の高圧線鉄塔

タワー自体の高さは15m(マストを含めると18m)なので直撃雷の可能性は低いと考えていた。しかし、周囲の鉄塔などに落雷した際、静電誘導や電磁誘導による誘導雷および接地電位上昇のリスクは否めない。

タワー建設から8年間、近隣で落雷被害の話は聞かなかったため深く考えていなかったが、通勤で利用する駅舎(2階)から見ると、タワーが周囲より頭一つ抜けて見える。この状況を踏まえ、リスク低減と安心のためにアース工事を行うことにした。

■ 業者選定と工事方針

以前、ハイパワー変更工事の際に200V配線とアース工事をお願いした近所の電気工事店(ご隠居)に連絡。その日のうちに現地調査に来ていただき、以下の方針で進めることにした。

・雷対策としての保護接地のため、A種接地相当(10Ω程度)を目標とする
・アース棒(1,500mm)を連結して深打ちすることで低い抵抗値を確保する
・タワーの3本柱それぞれを連結し、どの柱に雷が落ちても大地へ逃がせるようにする

3日後「今から工事します」との連絡が入り、急遽、立ち会いながら(手伝いながら)作業を進めた。

■ 作業工程

①掘削
タワー東側の柱から約1.2m離れた地点を70cmほど掘り下げる。
②配管ルートの確保
掘削地点までの経路を掘る(深さ30cm程度)。そこにPF管に通したアース線(22sq)を配線。

③アー
ス棒の深打ち
連結式アース棒(Φ14×1,500mm)を電動ハンマで順次打ち込んでいく。

④接地抵抗の測定
アース棒を打ち込む毎に抵抗値を確認。
⑤タワーとの接続
アース線を用いて3本柱それぞれと接続(リンク接続)。


■ 接地抵抗の推移

アース棒を1本打ち込んだ段階(先端深さ2.2m)での測定値は 21.0Ω。 その後、測定しながら4本まで深打ちした結果は以下のとおり。

最終的にタワー本体から測定した接地抵抗は3.9Ωとなった。
この値から逆算(並列合成抵抗の計算)すると、タワー単体の接地抵抗は 約12.8Ω。もともと地中の湿り気や土質が良く(軟弱地盤であるが)、タワー基礎の鉄筋がしっかりと大地と結合していることが証明された。

今回、接地抵抗として「3.9Ω」という極めて低い値を得られたことで、1.9MHz帯のようなLow Band運用における高周波的な安定も期待できる結果となった。今後、この良好な接地を活かし、タワーそのものを輻射体とするシャントフィード等の検討もしたい。