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2019年2月16日土曜日

25. コモンモードフィルターの交換

1kWへのQROに伴いコモンモードフィルター を交換。

従来のCMF2000は、耐入力2kW(SSB)の仕様だが、メーカーによるとCWでの連続送信時の耐圧はおよそ1/3程度となるため、1kWで断続的に送信し続けた場合、内部のフェライトコアが異常発熱し「磁性破壊」を起こしてフィルター機能が失われる虞があるとの事。

今回新たに購入したのは、RF Inquiry 社の「CF5KVX」。耐入力5kWに加えて市場に出回っているコモンモードフィルター では最大減衰量であったことが決め手。"STRONGEST Common-Mode Filter" と銘打っているだけの効果があれば良いが...
 

以下、備忘のためのスペック抜粋:
■使用可能周波数: 54MHz以下
■耐入力: 5kW連続 ※VSWR=1.0時
■インピーダンス: 50Ω
■コモンモード減衰量: 250MHz以下において最大-65dB
■挿入損失: 実質0.5dB以下
■チョーキングインピーダンス: 1.1KΩ(1.8MHz)~5.3KΩ(14MHz)
■コネクタ: M型
■サイズ:φ50mm×500mm
■重量:1.1kg

なお、バンド毎の減衰量が示されていないため、7MHzと14MHzの減衰量についてメーカーに問い合わせたところ、以下の回答。

■7MHz:-35dB~-40dB、14MHz:-40dB~-50dB ※平均値
■使用部品や製造ロッドにより特性にばらつきがある
■最大で-60dB~-65dB、ピークの周波数は10MHz〜14MHz。


CMF2000のカタログ値では7MHz:-32dB、14MHz:-35dB であることから更なるインターフェア抑止効果を期待。外観は、CMF2000と比べて直径は同じ(50mm)だが、12cm長く重さは約2倍ある。

 
 
 

アンテナ直下の設置分を含め4本購入。揃えると結構なサイズとなり、秋葉原から持って帰るのに手間取った。
 

2018年11月4日日曜日

21. 電源ラインのインターフェア対策強化

リニアアンプの設置に伴い、大進無線製のコモンモードフィルター とTDK製のフェアライトコアを用いて、電源ラインのインターフェア対策を強化。送信側での対策を纏めると以下のとおり;

<エキサイター>
・機器側の電源コードの付け根にフェライトコア(ZCAT2032-0930)を8個クランプ
・アース端子にコモンモードチョーク(DCE-3)を挿入してリニアアンプのアース端子に接続
・AC100Vコンセント側にコモンモードフィルター( DCK-SRH)を挿入

<リニアアンプ>
・機器側の電源コードの付け根に付属品の大型フェライトコア2個を装着
・アース端子にコモンモードチョーク(DCE-3)を挿入し、先に工事した壁面のアース端子(端子から地面までの距離約4メートル)に接続
・AC200Vコンセント側にコモンモードフィルター (KIT-DCK-61W )とコモンモードチョーク(DCE-3)および200Vコンセント(WK3811)を多孔パネルに配置・結線して壁面に架設(下図)

 

<その他機器>
テーブルタップのAC100Vコンセント側にフェライトコア(ZCAT3035-1330)を3個を用いて2ターンした自作のチョークを挿入。

以下はデスクの下に設置したリニアアンプの背面。黒の筒状のもの2本が付属品のフェライトコア。クランプ式ではなく、AC200Vのプラグを結線する前に電源ケーブルに通してから結束バンドで落ちないように留める構造。
ちなみに左上のアンテナコネクタ(4番)に繋いでいるのはコモンモードフィルター(DCF-RF-QEA)。これを介して今年のハムフェアで購入した1.5kWダミーロード(MFJ264)に接続。※フィルターの耐圧は500Wだが、連続送信時間が数十秒のため許容。

 

コンセント周りの状況 
 

コモンモードチョークを挿入する位置をRF電流計(CQ20)を用いてコモンモード電流値が下がるポイントを探っていくと、リニアアンプのアース端子直下よりもアースコンセント側に付けた方が低い数値が出た。
ただし最も低い値を示したのは、リニア側から見てチョーク通過後ではなく、チョークの手前となったため、そもそもチョークの効果が無いのかと考え一旦取り外してアース線のみで接続すると大きなコモンモード電流が流れるため、低減効果があることは確認できた。この辺りは理屈ではなく実際に試してみるしかないようである。

2018年11月2日金曜日

20. インターホンの障害対策

7MHzと14MHzでの送信時、自宅のインターホン(パナソニック製/VL-SWN350KL)のモニター映像に電波障害が出ることが判明。
インターホンのインターフェアは、呼び出しチャイムが勝手に鳴り出す誤動作だけだと思っていたため、現象が発生しないので気に留めていなかったが、ふと思い立ち、試しにモニターをオンにして送信したところ、多数の横筋が入って画面が乱れるアナログTV時代のTVIと同じような障害が発生していた。
この障害はアンテナが北方向ビームで最大となり、東方向(90度)に廻すと、気づかない程度にまで落ち着くことや、送信出力が200W程度では、実用に耐えるレベルであるが、1kWで試験電波を発射した際は、映像がかすむほど乱れることが判明した。

平常時


1kW送信時


自宅ではあるがインターフェアを認知した以上、何とか止める手立てを講じるべく、また、ご近所で同じ障害が起きた時に備え、先ずはメーカーに相談した場合にどのような対策が講じられるのかを知っておくことにした。

メーカーのサービスセンター(パナソニックコンシューママーケティング社)に電話連絡し、状況を伝えて修理担当者の来訪をお願いした。
当日、実施された対策は、予想したとおり親機(本体側)から子機(カメラ側)に接続する端子にチョークコイル(ST-101)を接続することであり、残念ながら目に見える改善は図れなかった。次に障害の起点箇所を切り分けるため、門柱から子機を取り外して、部屋の中で親機と短いケーブルで接続したところ、障害発生は見られなかったことから、障害発生要因は、機器本体や電源ラインからの回り込みではなく、子機との接続に用いているケーブル(十数メートル)に起因することが判明。

結果、修理担当者からは、製品自体の瑕疵ではなく設置環境の問題である-との見解が示され(異論はあるが..)、その上で、このままST-101を取り付けた場合、1万円の作業費が発生するがどうするか−と聞かれ、当然、お断りして「修理中止」として作業完了。その場で、出張料・技術料として約4,000円を精算してお引き取りいただいた。ST-101(2,000円相当)も買い取ることはなく、お持ち帰りいただいた。

勉強代としては少し高くついたが、メーカー側の対応と障害起因箇所が特定できたので、後は、どの程度強力なチョークコイルを入れ且つ配線を見直すかを考えることとし、先ずは、富士無線で取り寄せた大進無線製のインターホン用チョークコイルDCF-50TEL-2Cを親機(本体)のケーブル端子に接続した。結果は、ST-101よりも効果はあるものの、障害解消と言うには、程遠いレベルであった。

 

 

配線の経路については、親機を設置したリビングの壁面内から玄関脇に設置した配線ボックスまで4芯ケーブルを引いており(宅内での経路や距離は不明)、そのうち2本の芯線を配線ボックス内でインターホン用のケーブル(ACコードの類)にジョイントして、そこから8メートルほど地中に埋設したCD管を通じて門柱(枕木)に設置した子機に接続している。

試しに宅内から配線ボックスまで引いたケーブルに子機を直接、繋いで試したところ、1kW送信でも殆ど判らないレベルまで障害が低減していることが確認できた。
結果、しっかりと対策を講じる必要があるのは配線ボックスから地中を経由して子機まで伸びている配線部分であり、ここはCD管自体が経年劣化で所々で亀裂があり雨水が浸入していることから、少し時間をかけて対処を練る予定でいたが、電気工事店の会長さんにAC200V工事の際にインターホンの電波障害の話をしていたため、工事の翌週に雑音耐性のあるシールドケーブル(FCPEV)をわざわざ持って来ていただいたので、CD管の亀裂を自己融着テープ、アクリルスプレーで塞いでシールドケーブルを再配線した。

結果、モニターに映る映像は、宅内配線に直接繋いだ時と変わらず、軽微なレベルに収まった。

 

 

これ以上の対策としては、親機を取り付けている壁面内でチョークコイルを多重化したり、屋内配線全てをシールドケーブルに取り替えることであるが、両者とも施工がちょっと厄介なので、とりあえずの対策はここまでとした。

なお、これまでに費やしたインターホンの障害対策費に上記の施工費用を加えれば、ワイヤレス式のモニターインターホン(多分、インターフェアとは無縁だと考える..)が買えることを後から気づいた。


2018年10月21日日曜日

18. AC200V電源およびアース工事

リニアアンプの購入に合わせて、AC200V(単相3線式)電源の引き込み工事とアース工事を実施。
一階の洗面所の壁面に設置している配電盤までは、既にエアコン室外機用にAC200Vを2回路引いており、ここを起点に二階のシャックまで新たに配線を追加、もしくは既存回路を流用して電圧を変更する案について、住宅メーカー経由で住宅建設時に電気工事を行った業者に相談(見積依頼)。

結果、既存の配管路(φ25mmのCD管)に新たな電線を通すことは物理的に困難であることや既存のAC100V回路をAC200Vに変更した場合、シャックと同じ経路で繋がっている他の部屋やコンセントを共有している他の家電製品が使えなくなるため不可であるとの回答。
代替案として、住宅の西側・南側の外壁に3箇所の屋外コンセントを引いており、この回路のいづれかを200Vに変更して、外側から壁に沿ってシャックのある北側まで回しこむことも考えたが、距離がありすぎることや見た目も良くないことから
断念。
結果として、シャックの直下に設置しているマルチエアコン室外機のコンセントボックスから分岐することとし、同じ配管を用いて、無線機専用の保安用アースを短い距離で取ることとした。

配電盤右下の「室外機200V」スイッチが北側壁面に設置したマルチエアコン室外機の専用回路であり、ここから分岐する。「屋外専用コンセント」スイッチがOFFになっている2回路は、これまで一度も使用していない西側壁面に設置した室外コンセント。住宅建設時、何のためにここに配線したのか、今となっては思い出せない..
 

電気工事の実施について、住宅メーカー、ホームセンターおよびネットで検索した近くの電気工事店からそれぞれ見積りを取り、最も早く工事いただける近所の電気工事店に依頼したが、工事日の4日ほど前に連絡があり、ご主人の体調不良により急遽キャンセルとなった。
急ぎネットで他の近隣工事店を調べて架電し相談したところ、その日のうちに下見に来ていただき翌週の工事となった。近所の工事店は、個人事業主の方が多く、そのためかフットワークが軽く且つ間接コストが無い分
、安くついた。

コンセントボックスの交換による分岐(右が工事後)
 

工事後の外壁の様子。窓枠や雨樋が白色なので違和感はあまりない。
 

保安用アースは、地面から外壁に沿って垂直に約3.5メートル立ち上げて、そこから水平に屋内に貫通させ専用のアースコンセントに接続。アースコンセントからリニアアンプまでの配線は1メートル弱。アース棒は、1メートルのものを3本打つことで、設置抵抗を可能な限り低く抑えることにした。
アース棒の打ち込み場所(点線内)
 

造成地の軟弱地盤且つ北側の湿った地質のため、アース棒は難なく打ち込むことが出来た。施工いただいたのは工事店の会長さん(名刺の肩書き)。代は息子さんに譲ったとのこと。手際の良さと丁寧な仕事ぶりに感服した。
 

接地抵抗の計測は、電気工事店から持参いただいた「自動式配電試験器」を用いて自宅の外周を取り囲むように10メートル位の間隔で2箇所に電極を埋め、それをアース棒に接続して計測。
1本目で約100オーム。1メートルほど離れた2本目で65オーム、更に50cmほど離して3本目を打って、50オームを少し下回った。300V以下の低圧用電力の基準である「D種接地」が100オーム以下であることからこれで十分であると考える。
会長さん曰く、個人からの電気工事依頼で、接地抵抗を低く出すことを求められたのは初めてとの事。
 

50オームの接地抵抗を確認
 

以下は、屋内側のコンセント。200V差込口の下にあるアース線差込口は、上部の200Vアース線(緑色)に接続されている構造であり、中で切り離すことは困難。※当初、別系統で絶縁されていると思い込んでいた。

左側の無線機用のアース専用コンセントは独立させており、200Vのアース線には接続していない。