2025年4月4日金曜日

306. 2/3月のレビュー

<サマリー>
QSO数は187(2月:88 / 3月:99)となり、前年同期(316QSO)の約6割に留まった。DXペディション局とのQSOは全体の35%を占め、出来高は先細りながらBand Newを17スロット伸ばすことができた。


<バンド/エリア別状況>
オセアニアが複数のDXペディションと50MHZでのVK,ZLのオープンによりQSO数が増えて全体の半分近くを占めた。


<エンティティ別状況>
ATNO解消に繋がるDXペディションはなかったが、ナイジェリアの5N9DTGでBand Newを7つ増やし、50MHzではオセアニアの3エンティティ(VK9XU,H44MS,VP6MW)をWkd。3.5MHzも朝方のグレイライン狙いで4エンティティ伸ばすことができた。
主なエンティティは以下のとおり;



2025年3月22日土曜日

305. 50MHz DXing 2025(1)

2月後半から南米局が入感し始めたこともあり、今年も50MHzのDX入感&QSO状況について記録しておく。

<2/28>

数日前から午後の時間帯でDXペディション局のVK9XU(Chrismas Island)をコールされているJA局が散見されるが、こちらでは入感せず。ペディション期間中は夕方頃からアンテナを向けて待ち構えていると、本日19時過ぎに-15dBで入感。
コール開始し4局ほど待ってリターンが得られた。コンディションは下降気味であり-26dBで何とか「RR73」を受領するもそれが最終デコードとなった。


<3/1>
2月の最終週より朝9時頃から南米がオープンし始めており、3/1の朝8時過ぎにCE/LU/PYが見え始め、9時過ぎにPU3MSRとQSO。今シーズン初めての南米局とのQSOとなった。
西日本では夕方に南西方向のスキャッター伝搬でヨーロッパが入感している様子。

<3/2>
昨日に続き8時半頃からCE/LU/PYがオープン。多い時で6局ほどが同時に入感し9時過ぎに新局のLW6DLSをコールし1回目でリターンが得られた。

11時頃にはHK3WをコールされているJA局が見えるがこちらでは入感せず。ネット情報によるとアンテナ方向100~120度からの伝搬らしい。

外出から戻るとFK/VK/ZLが強力に入感しているため、DXworld.netで告知されていたH44MS(Solomon Islands)のQRV情報を踏まえアンテナを向けてワッチしていると、13:13にいきなり-16で入感。直ぐにコールしリターンを得られた。信号は上昇しピーク時は-9dBほどになるもオープン時間は短く最終デコードは13:35であった。


<3/4>
夜遅い時間帯でロングパス伝搬でカリブがオープンしたようであるがワッチできず。

<3/10>
午後にJT_Alertのアラームが発呼しワッチすると9K2GRが-15dBで入感しコール開始。3局待ってリターンが得られた。VK9CUも同じ時間帯でQRVしているようだが、こちらでは入感せず。

<3/11>
19時過ぎに昨日に続き230度方向からクエートの2局が入感。19時半にはA92HKのCQingが-19dBで入感。いずれも”QSO B4”局のためワッチのみ。A71ATをコールされている局もいるがこちらでは見えず。

<3/12>
16時頃からVK2/3/7がオープンしており、19時過ぎにワッチを再開すると9K2GR,4X4DKが220度方向で入感。イスラエルの新局も出ているようであるが、こちらではデコードできない。パスは地中海方面まで伸びているようであり、5B4,SVをコールされているがDX側は常連局のみ。

<3/20> カリブオープン
11時頃に120度方向でXE1MEXのCQが-18dBで入感。この数日間、スキャッター伝搬で中米が入感しており、TG9AJRとQSOされている局もいるようである。

19時過ぎに220度方向で3B8FAが-9dBで入感。その後FR4PJが-15dBで入感し-8dBまで上昇するも直ぐに見えなくなる。ZSまでパスは伸びているようであるがこちらには入感せず。

23時
半過ぎにWP3RのCQingが-17dBでデコード。今シーズン初めてのカリブ入感となった。何度かコールするも直ぐにフェードアウト。WP4G(QSO B4)も入感しており、こちらの信号をデコードしてくれている。


<3/21>
15時半頃よりVK3,VK9DX,ZL,ZL7DXが強力に入感。オープンは19時過ぎまで続き、ZLを含む8局とQSO。その後、南西方向で9K2GSのCQingをデコード。連日、よく入感しているが、他の中東局は見えない。

23時を過ぎてアンテナをカリブ方面(220度)に向けたまま就寝したところJT_Alertが発呼。
23:51にテキサス州のK5YTを-20dBでデコードしている。初めてロングパスでの米本土入感であり、その後、同じテキサス州のAA5Cが-17dBで入感。両者ともコールするもリターンは得られないままフェードアウト。他に2局ほどQRVしているようであったがこちらには入感せず。オープンしていた時間は16分程度。

PSKReporterをチェックするとAA5Cをコールしている際、こちらの信号をケイマン諸島のZF1EJがデコードしているがQRVは確認できなかった。



2025年2月23日日曜日

304. 風速計設置

2月13日に台風並みの北風が吹いたため、タワーのエレベータユニットでアンテナを下降させた。気象庁HPで公開している市内の観測データによると、最も強かった15時半頃で平均風速9.5m/s、最大瞬間風速18.8m/sが記録されていたが、体感としてはもっと強風であった気がする。
これを機に以前から検討していた風速計を設置することにした。

<機種選定>

ネットで風速計を検索するとハンディタイプのものは数多く出回っているが、風速計を自宅に設置する需要が少ないせいか、据え置きタイプのものは少ない。
幾つか見つけた中では、降水量や外気温等を同時に測定できる一体型のものがあり、また、Wi-Fi接続で手間要らずではあるが、気象観測ホビーの域を出ない感じがするので触手が伸びない。

風速測定に特化した製品を調べているとamazonで中国製品が見つかり、業務用途を謳っていることから購入を決めた。

商品が届き開封すると風速計のコントローラ部分は無骨な筐体で電源スイッチも付いておらず、操作はアラームを鳴らして回路を切断するための「風力階級」を設定するボタンのみ。
いかにも作業現場で使われている感じがあり返って好感が持てる。電源はACアダプタが付属しているが、USB Type-B接続なのでPCから給電することにした。

<設置>
風速センサー(ファン)を取り付けるために同梱されていた金具は、水平方向のマストに取り付けるタイプであり、垂直マストに取り付ける場合は、クロスマウントを挟む必要がある。
思案しつつ先般、ベランダから取り外したアンテナ基台(L型)に合わせてみるとサイズがぴったりでネジ穴一か所でしっかりと固定できるためこれを活用することにした。



設置場所はタワートップが望ましいが冬場の作業は避けるべく、とりあえずベランダから32mm径のポールを伸ばして庇を超えた辺りで固定。地上高は計測地点で約6mとなり、この位置では南/北からの風の通りは良いが、西側は屋根と煙突があるので正確な風速は測定できないかも知れない。

<動作>
LED表示は4つあり、左上が現時点での風力階級(0~12)でその下が風速(m/s)、右上はアラーム設定値(風力階級)と右下が最大値(風力階級)のメモリ表示となっている。
試しにブロアーで風を送ってみると、風速1.3m/s(風力階級0.6)から次第に数値が上昇しアラーム設定した風力階級3.0に近づくと早期警戒ランプが点灯し、3.0を超えると警戒ランプが点灯しアラーム音が鳴り、回路を切断する仕組み。




これまで台風接近を除いて、エレベータユニットでアンテナを下降させる機会は少なかったが、春先の突風などを想定し小まめに昇降させる際の目安としたい。

<参考>風力階級表


2025年2月2日日曜日

303. 1月のレビュー

<サマリー>
QSO数は254となり、
前月(55QSO)、前年同期(85QSO)と比べ大きく増加した。年始に始めたQRP運用と今年初となるエンティティを追いかけたことでアクティビティが高まった。
出来高ではBand Newを7つ増やし14MHz単独で300エンティティ(Wkd)に達した。


<バンド/エリア別状況>
ハンド/エリアともに大きな特徴は見られないが、1月中旬に50MHzでVK,ZLのオープンが続きQSO数が伸びている。


<エンティティ別状況>
一ヶ月間で132エンティティをWkd。エリア別に見るとヨーロッパが全体の36%を占める。カリブ海、アフリカも比較的珍しいエンティティともQSOができている。

入感するも過去に同一バンド/モードでQSOしている局はコールを控えたため、以下の19エンティティはWkdに至らず。
5W,5Z,9N,CP,C2,D2,EA9,HB0,JY,KP2,OA,GJ,GU,S7,SV5,VP6,Z6,ZF,ZL7
コールするもQSOできなかったエンティティは以下の6つ。
8P,A6,C31,KH2,OD,YS
その他に入感の確認に留まったエンティティも複数あり、結果として160エンティティほどの入感に対してWkd率は8割強といったところ。

ATNO解消に繋がるペディション等はなかったが、CW/SSBでBand Newを4つ増やすことができた。特にWake IslandのKH7AL/KH9は、DX World.net で運用スケジュールを告知してくれており、それぞれの時間に合わせてワッチ。毎回、EU等の指定が外れたタイミングでコールし数回のコールでリターンが得られた。
主なエンティティは以下のとおり;

思いのほかアクティビティが高まった1月であったが、無線機の電源を入れない日もあり、やはりモチベーションアップに繋がるイベント(DXペディションなど)がないと先細りする予感はある。

2025年1月13日月曜日

302. QRP DXing 2025

年明けのDXは1/3のカリブ局(J75K)から始まったが、この時期、Band Newに繋がるDXペディションはないことから久しぶりにQRP(0.5W)運用を試してみた。

送信出力の調整は
前回同様、5Wレンジのあるパワーメーター(RW-31L)にダミーロードを接続し無線機のPWRボリュームを回し切り(=実測値4.8W)、AF入力レベル(Tx Audio Level等)を下げて0.5Wに調整。その状態で無線機のアンテナセレクターで通常のアンテナ系(KA1-404L)に切替える。これをバンドを変える度に繰り返す。

送信時、経由しているパワーメーター(KP1)の指針が僅かに震えるがデジタルメーターでは表示(検出)されない。


1/3の8時前に28.074MHzから運用スタート。この時間帯、北米を中心に良くオープンしており、同一シーケンスで40局ほどが見える。

手始めに10分ほどCQを出し続けPSKReporterをチェックすると北米を中心に100局ほどがデコードしてくれており、最長ではブラジル(約1.8万km)まで届いている様子。Hamspotで確認すると、こちらのSNRは-24dBが目立つが、中にはマイナス一桁台でデコードしている北米局もいる。
バンドが混み合っているせいか、こちらの信号をデコードされていない局が近接DFでQRVを始めることが多く、高いDFに設定しつつ何度も被りがないかチェックしながら運用を続ける。

15分後にCA局からコールがあり-11/-24で初QSO。odd/evenを変えながら1時間ほどCQを出していると約300局がデコードしてくれており、4局からコールされて2局とQSOが成立。さすがに効率が悪いので、その後はSNRが良好な北米局をコールして2時間ほどで9局とQSOできた。

送信時に敢えて /QRP を付けることはしなかったが、JT_AlertのText Messageを有効にしている局にはQSO後にメッセージを送ったり、eQSLでは0.5W出力の旨、コメントを残すようにした。

12時頃からは21MHzで南米が強力に入感し始めて、こちらの信号をデコードしているCX、LU局をコールし難なくQSO。15時過ぎには14MHzでセントヘレナ島でフラッグが立っており、CQを出し続けていたので試しにコールしたところ「-10」でリターンを得ることができた。

夕方の時間帯からはロングパスによるヨーロッパ局が見え始めたが、直線距離で3万kmを超えるせいか強力に入感する局をコールしてもデコードされることは少ない。それでも何とか3局とQSOすることができた。15時頃から約3時間のQRVでデコードされた状況は以下のとおり;

1/7の夕方には50MHzでBY,VR,VK6がオープンしており、コールしたところ4局とQSO。VK局からのリターンは得られなかったが2局からのデコードを確認。

ローバンド(7/10MHz)は
6~7時台の時間帯で何度かチャレンジするもデコードされるのは近隣諸国のみであり未だQSOには至っていない。

約10日間、QRVできるタイミングでコンディションの良いバンドを選びQRP運用した結果、30エンティティ58局とQSOできた。

コールし続けてもなかなかリターンが得られないものの、CB無線と同等の出力で世界中と交信できるのは、思いのほか達成感を味わえる。長時間の送信による無線機やアンテナへの負荷、インターフェースの懸念もないため、今後も気楽に運用していきたい。

2025年1月2日木曜日

301. 2024年レビュー

<QSO数>
年間のQSO数は1,309となり、2023年(1,548QSO)との比較で15%減少。QSOの大半はDX局へのコールがメイン
であり、QSO終了後に他局から呼ばれた際には応答する運用であった。
モード別では、FT8(FT4)が全体の91%を占めた。DXペディション局やDXコンテストを除き CW/Phoneに触手が伸びない状況に変わりはない。

月別では100QSOに満たない月が全体の半分を占めた。7月頃から無線以外に時間を費やす機会が増えてアクティビティが低下した影響は否めない。

バンド別に見ると50MHzのQSO数が574QSO(昨対比1.5倍)となりQSO全体の44%を占めた。これはNew Gridを追いかけて国内および近隣諸国とのQSO数が伸びたこととF2層伝搬に
よる北米/南米局とのQSO数が増えたことに起因する。

一方でHF帯は全バンドで前年を下回り、合計の725QSOは前年の6割程度に留まっている。
「DXペディション」と銘打ってQRVしていた局(計66局)とのQSO数は369となり、DX QSO全体の3割を占めた。


<DXCC>
Mixedで309エンティティ(+6)、Challenge(Wkdベース)で2,205スロット(+144)まで伸張。しかしながら増加幅(率)はそれぞれ昨年の半分以下であった。


参考指標としている年間DXCCは225エンティティとなり、前年(255エンティティ)からは減少。同一バンド/モードではコールしない前提のため、新局が見つからずQSOしなかったエンティティも少なからず存在した。2024年のATNOは以下のとおり;


<50MHz>
ここ数年、夏季シーズンのマルチホップEsによるヨーロッパ・北米方面が優れない一方で、春/秋シーズンのF2層伝搬により北米、南米局が多く入感する日が続いた。
F2層伝搬によるヨーロッパ、カリブ(ロングパス)も何度か経験したが、比較的よく入感する局は ”QSO B4” の常連局が多くQSO数は思っていたほどは伸びない。特にカリブ方面のNewエンティティは入感(デコード)時間が短い若しくは不安定なケースが多く、安定しているとパイルアップが激しく太刀打ちできない状況で不調に終わった。

それでも一年間で74エンティティとQSOし(前年は68エンティティ)Band NEWとしてはオセアニアを中心としたDXペディションのおかげで14エンティティをWkd(Cfm)できた。


<トピックス>
特筆するほどのトピックスがない一年であったが、振り返
ってみて幾つか挙げてみた。
●VUCC Award
2023年末から意識してNew Grid局を追いかけ始め「Gridmaster」を活用して国内および近隣国は未Cfmのグリッドを確認してコールするスタイルで運用。結果、1年間で150グリッド以上を積み上げ779グリッドまで伸張した。
Cetificate は7月に700グリッドを超えた時点でLoTWで請求して1ヶ月ほどで到着。

●トラブル対応
4月にローテータ本体の故障による交換対応を行った以外は台風等によるアンテナへの影響もなく、ここ数年では平穏に過ごせた一年であった。
●無線機材/アンテナ類
ハムフェアを含め無線関連の機材・部品等を購入することが全くなかった。唯一、災害発生時の備えとして大型蓄電池(2,000kW/hクラス)を購入したが、将来的に移動運用することがあれば役に立つであろう。
ベランダに設置していたマルチバンドホイップ(UHV-9)も殆ど使用する機会がないので台風シーズン前に撤収。

●ブログ運用
これまでDX局との交信状況を記事としてまとめ掲載してきたが、最近はX(旧Twitter)で記録を兼ねてポストすることが増えたため、1ヶ月に1~2回程度の更新となっている。
私的な備忘録として始めたブログであるが、開始8年目で累計10万アクセスを超え(これが多いのかどうかは不明であるが)記事をご覧いただいたOM諸氏からメールを頂戴することもあり、励みにさせていただいている。
●1万QSO到達
2015年5月にQRVを開始し2024年10月に1万QSOに達した。QSO数を増やすことは特に意識してはいないが、1万という数字は「よみうりアワード」を彷彿させる。開局間もない学生の頃には途方もない数に思えたが、近年では
コンテストとFT8運用により単年で1万QSOを達成される局もいらっしゃると聞く。ちなみにLoTWでのCfmは7,500程度に留まっている。

10年の節目となる今年もできる範囲で気楽に続けられる趣味として、アクティビティを維持していきたい。