2025年5月8日木曜日

307. DX運用日誌(155)-ZS8W-

YL2GM Yuris氏によるソロDXペディション。プリンス・エドワード諸島は、南アフリカと南極の中間に位置しマリオン島とプリンス・エドワード島の2島からなる。日本からの距離は西南西の方角で約13,500km。

運用期間は4/27~5/15として告知されているが、同氏はSANAP(South African National Antarctic Programme)の通信機器メンテナンスチームの一員としてマリオン島に滞在するとの情報もあり、ネットの一部ではQRVは限定的なものになる(QSOのチャンスが少ない)かも知れないとの憶測を呼んだ。

結果として懸念は杞憂に終わり、今回、久しぶりとなるATNOを含め現時点(5/8)で6つのBand NEWを得ることができた。以下、QSO状況を中心に纏めておく。

<4/28>
夕方16時半頃に14.085MH/FT8でQRVを確認。昨夜から既に運用が開始されていたようであるが就寝中につき気づかず。

アンテナをロングパス(北東)方向に向けて待機していると16:43に初デコード。信号はピーク4ラインで入感するもデコードは続かず数分で見えなくなる。

20時を過ぎてショートパス方向で再入感。信号は次第に強力になり4ライン/-12dB程度まで上昇。DFを低めに設定しコール開始したところ13分程でリターンが得られ初QSOとなった。


<4/29>
16時頃に21.077MHz/FT8でQRVを確認。ショートパス方向でワッチするとQSBを伴いながらも最大4ラインで入感。何故か同じ局に何度もレポートを返しており「RR73」が受領できない局も多い。2時間ほどコールして18時過ぎにようやくリターンを得た。次のシーケンスでは「RR73」が得られずDFを変えながら3回目で受領

その後28.077MHz/FT8でのQRVを確認しワッチすると2ラインで入感。アンテナは210度辺りで最も強力になる。EU局もピックアップしており、信号は不安定ながらデコードできたタイミングでコールを続ける。

20時半頃には240度方向でピークで4ライン/-13dB程度に上昇するもやはり同じ局に何度もレポートを返しており、遅々としてQSOが進まない状況。入感とフェードアウトを繰り返し、22時過ぎにWidegraphから光点が消えて終了。

<5/1>
早朝04:20頃から7.077MHz/FT8をワッチすると既に40局ほどがコールされているのが見える。-18dBで入感を確認し低めのDFで空きを見つけてコール開始するもいきなりFalse decodeが連続発生してしまう..

その後、信号は上昇し始めピークで4ライン/-15dB程度となるもリターンは得られず1時間程してフェードアウト気味となったことを機に10.143MHzに移る。

こちらもピークで4ラインで入感していたが、6時を回った頃から次第に信号が弱まり始め出勤時間となる。スマホでのリモート運用に切り替えてコールし続けるも6時半頃には完全にフェードアウト。

結局、両バンドともに激しいパイルアップもありQSOのチャンスは訪れなかった。DXworld.netによると今後、3日間はQRXするとの事。

<5/4>
15時から運用が再開されるとの情報を踏まえ待機していると15時過ぎに14/21MHzでのQRVを確認。21.019MHz/CWをショートパス方向でワッチするとピークRST559程度で入感。+5KHzあたりでコール開始するも、あまりにパイルアップが激しく収まる気配がないため早々に離脱することに..

その後、18.095MHz/FT8で待ち構えているとDF500Hz辺りでTX9Aの運用が始まり、多くのJA局がコールされている。

同局とのQRMを避けるため18MHzでの運用周波数を変えてくるかとも思ったが、18時半にCQシーケンスを捉えて、予め設定していたDF3000Hzでコールを開始し3回目でリターンが得られ、難なく「RR73」を受領できた。


<5/5>
04:15頃から7.070MHz/FT8をワッチすると-20dBで入感。主にEU局をピックアップしており昨日同様、DFを高めに設定しコールしていると次第にJA局にもリターンが返り始め、04:41に「-11」のリターンを得た。しかしながらシーケンスは続かず「RR73」未確認のまま他局に移ってしまう...

再チャレンジしながらも ”In Log”の可能性を考えて10.143MHzに移ることに。7MHzより信号は弱いもののコール開始。5時半頃に信号が弱くなり始めた頃に「-13」のリターンを得るもデコードは続かずにそのままフェードアウト。

6時前の時点で7/10MHzそれぞれコールされているJA局は50局以上見えるが、こちらでは既にデコードできないため終了。ローバンドではアンテナの優位性はなく、送信出力も最大250W程度に抑えているため、予想どおり苦戦を強いられる状況。

ネット情報により16時過ぎに24.910MHz/FT8でのQRVを確認。ワッチすると20局ほどがコールされているのが見えるがこちらには入感はない。アンテナをショートパス方向に向けて静観していると17:11にようやく-16dBで入感。

デコードは断片的であったが、信号が浮上したタイミングでコールしていると17:37に「-06」でリターン。しかしながらデコードは続かず、2分後に「RR73」をデコードするもFalse decodeの可能性が高くそのままフェードアウト。

18時を回って再び入感。18時半頃には3ライン/-11dBにまで上昇するも、同じ局に何度もレポート返す運用は相変わらず。3000Hz前後でコールしていると18:39に「-17」でリターン。SNRが低いので、シーケンスが繋がらないことを懸念するも無事「RR73」を受領。

19時半頃に28.080MHz/FT8でのQRVを確認。ワッチすると2ライン/-19dBで入感しておりコール開始。

20時半頃になると次第に信号が弱まりデコードは断片的に。20:41に「-16」でリターンを得るもデコードは続かずに「RR73」は未受領。その後、再チャレンジするが、21時半頃に完全にフェードアウト。

<5/6>
ゴールデンウイークの最終日。告知されている二回目のQRTは未だらしく早朝から10.143MHzでQRVを確認するも、K指標が5と高いせいかデコードに至らない。

正午頃になって二回目となるログデータがアップされ「RR73」未受領であった10MHzの ”In log”を確認。7/24/28MHzが”Not in Log”であったが24MHzは他局を含めデータ自体がアップロードされていない様子。

そのことをXでポストすると相互フォローしているスペイン局から昨夜の28MHzで「RR73」が返っているシーケンスのスクリーンショットが届き、CLUBLOG上でもデータ更新を確認。

18時半頃から24.910MHz/FT8でQRVを確認。昨日の運用がPirateである可能性がゼロではないことからコールを再開するも先方のDF827Hzの少し上で被せるように(本物の)Pirateが出没したり、同じシーケンスで延々とコールする局が現れるなど混沌とした状況となる。

信号は安定しておりピーク4ライン/-6dBで入感。WideGraph上はコールされているJA局はスキップして全てが見えないため、QRMを避けるため3000Hzより上でコール。せめて見える範囲でも他局が被っていないか途中で何度も送信を停めて確認するが、その度に(高い頻度で)WideGraph上に濃い光点が見えるのにはさすがに興ざめる..

21:01になってようやく「-08」でリターン。しかしながらシーケンスが繋がらず、結果「RR73」未受領となる。その後再チャレンジするも次第に北米局、EU局もピックアップし始めており、22時を過ぎた時点で未だデコードは散発的に続いているが送信を停止して就寝。

<5/8>
早朝からワッチすると2度目のQRXは未だ実施されておらず、10/18MHzでの運用が続いている。程なくしてログデータが更新され24MHzのQSOが確認できた。

今回のDXペディションでは日本との伝搬が比較的良いせいか、JA局を優先的にピックアップしてくれている感がある。CLUBLOGのLeaderboardsでは多くのJA局
が上位を占めており、Staticsの構成比ではAsia(大半がJAであると推察)が全QSOの36%でEUと比肩している。エンティティ別のランキングは公表されていないがQSOの分布図から見てもおそらくトップであろう。


運用終了予定まで1週間となったが、残る3.5MHz/7MHzについてチャンスが訪れることに期待したい。

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