<経緯>
現行のWindowsPCは、いわゆる自作パソコンで2012年7月に組み上げた後、SSDの容量追加(64GB→120GB→500GB)、電源ユニットの故障交換、BIOS/OSのバージョンアップなどを経て、現在に至っている。
構成は CPUがIntel Core i7-2600K(3.4GHz 4コア/8スレッド)、マザーボードはZ68X-UD3H-B3、メモリーは16GB(8GB*2)、ストレージとして起動ディスク用にSSD(500GB)、データ保存用にHDD(2TB)を設置し、グラフィックボードは内臓GPUで賄うために搭載していない。
動作に関して今のところ特に不具合は発生していないが、メインで用いているiMAC(Retina 5K /2017)と同時並行で作業しているとアプリケーション(Powerpointなど)の立ち上がりなどの遅延は否めない。
昨年夏からFT8を開始して以降、サブ用途であったWindowsPCを毎日使うことになり(HAMlogとデータ連携させるため)、また最近は在宅勤務によるリモートPCとしての使用頻度も高まり、寝る時以外は「点け放し」の状態となっている。
既に8年が経過しているため、マザーボードの部品劣化などで、突然、致命的な不具合が発生しかねないため、使用頻度の低いデジカメ写真などのデータ保管やoffice系のアプリケーションはそのまま残して、FT8運用とリモート接続用に特化したPCを用意(=機能分散)することにした。
<パーツとスペック>
今年に入りPC雑誌やネット記事で最近のパーツ動向をチェックしていると、数年まで高騰し続けていたメモリーやSSDの価格が下落しており、2年前の半値以下となっている。SSDの規格はSerial ATA 6Gb/sから、より高速なPCIe NVMeが主流となっており1TBの製品でも1.5万円程度から入手できる。CPUはIntel一強からAMD Ryzenシリーズがコストパフォーマンスが良く人気を博しているようである。
利用用途として動画編集やゲーム類はしないためハイエンドのスペックを求める必然性はないが、アプリケーションの起動・動作を可能な限り高速にすること(iMACと遜色がない程度に)とFT8のレスポンス遅延を解消するため、PCの構成としては、CPUは Intel Corei7 第9世代または AMD Ryzen7 第3世代から選び、SSDはNVMe規格で1TB、メモリーは16GB以上として、グラフィックボード、データストレージ用HDDおよび光学ドライブは搭載しないことにした。なお、この構成ならばPCケースもミニタワーなど小型のシャーシに組み込めるため「床置きスタイル」から本来の「デスクトップ」にすることができる。
<BTO発注>
上記要件に基づきパーツをネットで調べていると、BTO(Build To Order)パソコンをPCメーカーや販売店が積極的に展開していることを目にする。よく考えると現行のiMACもAppleにBTOで発注していた。会社によってカスタマイズできる範囲は異なるが、パーツの大量発注と商品在庫を抱えるリスクが無いためか価格はそれなりに安い。また、センドバック方式の3年保証をつけているところもあり、自作PCのネックであるパーツの整合性による不具合や動作不良時の切り分け作業の煩雑さを考えると選択肢となり得る。
その中でLenovo社がLegion C530シリーズとして2019年6月から販売しているPCが、グラフィックボードが搭載されていることを除けば、上記要件に適合していることが分かった。ハンドルの付いたキューブ型PCの外観が特徴的ではあるが、コストパフォーマンスが良く直販価格は定価の半値となっており、ちなみに使用されているパーツなどをネット価格で試算してもオプションの3年保証を付けたこちらの商品の方が安いことが判り発注することにした。
<レスポンス比較>
CPUが第2世代(Sunday Bridge)から第9世代(Coffee Lake)となり、ターボ・ブースト時の最大動作周波数は、3.8GHzから4.7GHz(+24%増)、コア数は6から8に増えている。
ストレージへの書き込み速度については、実測値で7倍近くに上がり、電源スイッチOnからWindows10の起動まで10秒足らずとなっている。
上記環境の変化により、どの程度FT8デコード時のレスポンスが改善できるのか、JTDX(v2.1.0-rc150)のデコードに関するパラメータを固定し、CPUに負荷がかかることが想定できるデコード局数が40を超えるタイミングでCPUのパフォーマンスとDecorder Lag値を比較した。
---------------------------------------------------------
FT8 threads →Auto
FT8 Decoding
・wideband decording → deep
・narrow Filter → deep
・QSO RX freq sensitivity → high
・decode sensitivity → use subpass
Hint / SWL mode / AGCs → On
---------------------------------------------------------
デコード局数が40を超える場合、従来のPCでは、Lag値は+1.5〜1.8程度となり+2を超過する場合も散見される。その際、CPUの動作周波数はMax値の3.7MHzで使用率は100%となる場合が多く、感覚的にはJTAlertのディスプレイ表示(4X9=36局)が、パタパタと2〜3回に分かれる遅延がある。また先方から「73」を受領した次のシーケンスで、直ぐに送信停止せずに「RR73」のシーケンスを繰り返そうとする(次の瞬間にストップ)事象も起きる。
置換後のPCでは40局を同時デコードしてもLag値が+1.0を超えることは殆どなく、デコード時のCPU使用率は70%を下回っている。また、JTAlertのディスプレイも瞬間で更新されるようになった。普通にデコードしている状態ではLag値は概ね+0.5以下が保たれているようであるが、もう暫くは様子を見ることにする。
<BTO発注>
上記要件に基づきパーツをネットで調べていると、BTO(Build To Order)パソコンをPCメーカーや販売店が積極的に展開していることを目にする。よく考えると現行のiMACもAppleにBTOで発注していた。会社によってカスタマイズできる範囲は異なるが、パーツの大量発注と商品在庫を抱えるリスクが無いためか価格はそれなりに安い。また、センドバック方式の3年保証をつけているところもあり、自作PCのネックであるパーツの整合性による不具合や動作不良時の切り分け作業の煩雑さを考えると選択肢となり得る。
その中でLenovo社がLegion C530シリーズとして2019年6月から販売しているPCが、グラフィックボードが搭載されていることを除けば、上記要件に適合していることが分かった。ハンドルの付いたキューブ型PCの外観が特徴的ではあるが、コストパフォーマンスが良く直販価格は定価の半値となっており、ちなみに使用されているパーツなどをネット価格で試算してもオプションの3年保証を付けたこちらの商品の方が安いことが判り発注することにした。
<レスポンス比較>
CPUが第2世代(Sunday Bridge)から第9世代(Coffee Lake)となり、ターボ・ブースト時の最大動作周波数は、3.8GHzから4.7GHz(+24%増)、コア数は6から8に増えている。
ストレージへの書き込み速度については、実測値で7倍近くに上がり、電源スイッチOnからWindows10の起動まで10秒足らずとなっている。
上記環境の変化により、どの程度FT8デコード時のレスポンスが改善できるのか、JTDX(v2.1.0-rc150)のデコードに関するパラメータを固定し、CPUに負荷がかかることが想定できるデコード局数が40を超えるタイミングでCPUのパフォーマンスとDecorder Lag値を比較した。
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FT8 threads →Auto
FT8 Decoding
・wideband decording → deep
・narrow Filter → deep
・QSO RX freq sensitivity → high
・decode sensitivity → use subpass
Hint / SWL mode / AGCs → On
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デコード局数が40を超える場合、従来のPCでは、Lag値は+1.5〜1.8程度となり+2を超過する場合も散見される。その際、CPUの動作周波数はMax値の3.7MHzで使用率は100%となる場合が多く、感覚的にはJTAlertのディスプレイ表示(4X9=36局)が、パタパタと2〜3回に分かれる遅延がある。また先方から「73」を受領した次のシーケンスで、直ぐに送信停止せずに「RR73」のシーケンスを繰り返そうとする(次の瞬間にストップ)事象も起きる。
置換後のPCでは40局を同時デコードしてもLag値が+1.0を超えることは殆どなく、デコード時のCPU使用率は70%を下回っている。また、JTAlertのディスプレイも瞬間で更新されるようになった。普通にデコードしている状態ではLag値は概ね+0.5以下が保たれているようであるが、もう暫くは様子を見ることにする。
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