2021年12月26日日曜日

183. ハイパワー変更(追加)申請①

5月より3.5MHzとWARCバンドの運用を開始したが、200W未満では3.5/10MHzのDXingにおいて力不足を感じることもあり、改めてハイパワー変更申請(空中線電力200Wを超える指定変更)を行うことにした。以下、時系列に纏めておく。

<11/7>
変更申請は前回同様、電子申請システムを利用。今回の変更は、現在ハイパワー免許を受けている7/14/21/28/50MHzに加え、3.5/3.8/10/18/24MHzを1kWとする内容。1.9MHzは3.5MHz用のInverted-Vにローディングコイルを付加する場合、耐圧の課題があり、また例え免許を下ろしてもこの住宅環境下でハイパワー運用は現実的ではないと判断し対象外とした。

設備構成はアンテナを除いて3年前
の申請当時と変わらないため、添付資料の大半は、前回使用したものを一部修正するだけで事足りた。

申請に用いた文書は以下のとおり;
1.変更申請書 ※電子申請システムで作成
2.無線局事項書及び工事設計書 ※電子申請システムで作成
3.添付資料
(1)送信機系統図
(2)他の無線局の設置状況を示す図面
(3)設置場所でのTV・ラジオ放送の受信状況一覧表
(4)アンテナの道路越境に係る確認書
(5)電波防御指針に基づく基準値に適合していることの証明書
  ①電界強度計算表(南側道路/最短近接住宅/南西住宅
  ②アンテナを中心とした平面図(広域図/詳細図)
  ③アンテナを中心とした立面図(南北面/東西面)
  ④アンテナの垂直面指向特性図(俯角減衰量計算用)
  ⑤アンテナの利得・エレメント寸法に関する資料
  ⑥給電線損失(フィルター挿入損失含む)に関する資料

添付資料は合計で15種類。全てExcelシート(A4/縦)で作成し、システム送信時のファイル容量制限を考慮して2ファイルに分けて添付した。
以下、新規作成したアンテナに関する資料。


<11/25>
補正依頼のメールが来着。思いのほか早く審査されているようであり、指摘はいずれも軽微な内容であった。要約すると以下のとおり;
●電界強度計算表への記載は、今回の変更申請分だけではなく、既にハイパワー免許を受けている周波数も併記すること
●アンテナを中心とした平面図(詳細図)に電界強度の計算を行なった3地点をプロットすること
●3.5MHzアンテナに係る空中線地上距離(平面)および地上高(立面)の測定は、給電点(バラン位置)ではなく、エレメント(ワイヤー)が地上および隣家に最も近接するポイントから測ること

11/28に上記を補正した上で添付ファイル(全て)を再送。

<12/8>
補正申請から10日ほどで「審査終了」のメールが来着。前回のハイパワー変更申請では審査終了時にメールは来ておらず(毎日ステータスが変わるのをチェック)不可解に思いつつメールを読むと、審査終了後の免許状交付に関する案内であった。
もしかして設備構成が何ら変わらず周波数の追加のみであれば、これで免許されるのか..と考えたが(検査事業者からも同様のコメントあり)翌日、関東総通局に電話で確認。

「このようなメールが届いたが、このまま免許されるのですか」と尋ねると「その内容ならば多分そうであろう・・」と曖昧な返答。理由が解せないので電子申請番号を伝えて調べてもらうと「確認したところ変更検査が必要でした・・」との事。

メールは電子申請システムからの自動配信のようであり、ハイパワー申請であっても「審査終了」のフラグが立つと一般の変更申請と同じ内容のメールが飛ぶらしい。真偽のほどは定かではないが..

翌日に120円切手を貼付した返信用封筒(角形2号)を同封して関東総通局に「無線局変更許可書」等の書類送付を依頼。

<12/14>
関東総通局から以下の書面が来着。
・無線局変更許可書
・アマチュア局変更申請者(200W超)に対する指示文書
・電波障害調査等の提出について
・アマチュア局検査申込書(様式1)
・アマチュア局検査事前点検表(様式2)
・電波障害調査依頼書/回答書(様式3)

無線局変更許可書の日付は12/8。電子申請開始から1ヶ月で指定変更工事の許可を得ることができた。
指示文書を含め様式類は、3年前と同じ内容であったが、唯一、国の検査を希望する場合「コロナ禍の影響で(検査までに)半年程度時間を要する場合がある」と朱書きされており、検査は前回同様「登録検査等事業者制度」に基づき検査事業者に依頼することにした。

翌日(12/15)関東総通局に「試験電波発射届」を郵送。試験開始日は12/18として、年内に電波障害調査を終わらせる段取りとした。


2021年12月12日日曜日

182. VERSA Beamのトラブル対応


今年4月末に設置したVERSA Beam(KA1-404Lite)のトラブル対応について纏めておく。不具合の原因はコントローラケーブル(36芯)の一部断線であったが、原因を特定し工事を終えるまでに3ヶ月を要した。

<発覚経緯>
9月初旬、7MHz/FT8でDX局をコールした際、リターンがなかなか得られない
と感じていたが、DX局はいつもどおり入感しているので特に気に留めずにいた。しかしながら流石に何日も続くのでこれはおかしいと思い、無線機のオートチューナーを外したところSWR値が跳ね上がった
アンテナアナライザーで全バンドをチェックしたところ、7/10MHzのみSWR値が無限大を示しており、KA1コントローラでラジエータのエレメントを伸縮させても一向に変化がない状況。

メーカーに問い合わせたところ、おそらくラジエータAEU(Ra)内部のコイルまたはリレーが損傷しているか、KA1コントローラの不具合が考えられるとの事。
KA1-404Liteの耐圧(カタログ値)は7MHzではFT8で600W(SWR:1.2以下)のため、リニアを用いる際には500W未満となるよう注意していたが、Band切替えの際にエレメントが伸びきっていない状態で送信しコイル等を損傷したのかも知れず、またエレメントの伸縮で容易にSWR値を1.1程度に調整できるにも関わらず、常時、オートチューナーを点けていたことが災いした。

<原因調査>
KA1コントローラをメーカー点検に出したところ「異常なし」とのことで返却。同梱されてきたケーブル断線の有無を点検する検査器具にコントローラケーブルに接続してメーカーが指定する導通テストを実施。

その結果、AEU(Ra)のライン(1-2/3-4番)および各AEUへの+24V給電ライン(32-35/33-36番)は正常であることを確認。一方で、ディレクタAEU(D1)のライン(9/10番)の導通がなく、KA1コントローラを操作してもディレクタのエレメントが伸縮しない(エレメントが伸び切っている)ことが新たに判明した。
上記より、7/10MHzのSWR値が無限大となる原因はAEU(Ra)の故障が濃厚となったが、ディレクタエレメントの伸縮不具合ついては、ケーブル断線が主な原因と考えられるものの、アンテナ新設(ケーブル敷設)から半年も経っておらず、また今年は台風被害もなくエレベーターによるアンテナの昇降も殆どしていない状況から、ジャンクションボックス内のコネクタ接触不良若しくはAEU(D1)の故障の可能性も想定した。

<AEU交換工事>
メーカーに交換用のAEU(Ra)、AEU(D1)の送付を依頼し併せて工事業者に連絡して工事日程を調整。
1ヶ月半ほど時間を要したが10月末に事前調査を兼ねて一度お越しいただき、ケーブル交換工事に先立ってAEU(Ra)を交換してみることに。これで7/10MHzのSWR値が改善すると思いきや、全く変化が見られない。ジャンクションボックス内でのコネクタ類の接触不具合もなく、再度、ケーブルの導通を確認したが問題ないことから、ここにきて振り出しに戻ること(原因不明)になった。

ちなみにタワー上からコントローラケーブルを揺らしたところ、KA1コントローラのホームポジションの表示「1234」の「34」が何度か消えたことから、ケーブル(芯線)の一部が断線していること(不安定)は疑いないことは判った。

<原因特定>
翌日、工事結果についてメーカーに伝えて原因調査を依頼。
後日、メーカーからメールにより回路図面が来着し、当初点検していなかったコントローラケーブルの19-35/20-36番も7/10MHz動作時にはAEU(Ra)内のリレー/コイルに+24Vを供給していることを確認、正常時には1.2kΩ程度の値(導通)を示す筈なのでチェックして欲しいとの事。
ケーブル検査治具で測ってみると、この部分の導通がないことが判明。併せてホームポジションにあるセンサー3/4のライン(27-35/28-35)も導通がないことが判った。

結果として、コントロールケーブル(芯線)の断線が全ての事象の原因である可能性が高いことから、ケーブルを部分的に置換しそれでも改善しない場合は、改めてKA1コントローラ、AEU(Ra)をそれぞれ交換する対応を取ることにした。

<ケーブル置換工事>
11月下旬にメーカーよりコントローラケーブル(15メートル/コネクタ付き)、ジャンクションボックス、予備用としてKA1コントローラ、AEU(Ra)が到着。
工事日は当初、11/30で予定を組んでいたが先方都合により12/11に延期。当日は二名でお越しいただき9時半頃より作業開始。

既存のコントローラケーブル(全長35メートル)を全て交換せずに、シャックからタワー中腹にあるアンテナアームまで敷設したケーブルはそのまま残して、そこに新たにジャンクションボックスを取り付け、そこからアンテナブームに設置しているジャンクションボックスまでのケーブル(可動部分であり、断線していると考えられる区間)の約15メートルを置換。その際、再びケーブル断線が起きないよう以下3点の補強を実施。
❶アンテナ廻転によるケーブルの捩れを緩和するため、アンテナブームのジャンクションボックスとローテータ間のケーブル円弧をこれまで以上に大きく取る。
❷ローテータ台座のケーブルガイドに沿ってケーブルに二重管チューブで巻いて補強。
❸アンテナアームの先端にPF管を取り付けて、それにケーブルを沿わせることで、エレベータによる昇降時に鋭角に曲がらないよう工夫。
ケーブル置換後、チェックリストを用いてケーブル検査治具で全ての導通を確認。

これで完治と思いきや、アンテナアナライザーで測定すると7/10MHzのみならず14MHzのSWR値までも悪化しており、ラジエータエレメントを伸縮しても数値が一向に変化しない.. 念のため新しいKA1コントローラでチェックするも変わりなく、AEU(Ra)を再度置換しても
改善しないことから、改めてジャンクションボックスの配線を点検したところ誤配線が判明。
配線を正すと全ての事象が改善されていることが確認できてようやく工事を終えた。

取り外したケーブル(約13メートル)の外観からは大きな傷などは見当たらず、断線箇所は特定できないがケーブルの捩れが原因であったと考える。工事業者によるとVERSA Beamを含め巻尺式のアンテナのコントローラケーブルの断線は(リリース当初は特に)少なからず発生したとの事。今後、不具合発生時に備えケーブル検査ができる準備を進める。




2021年11月21日日曜日

181. DX運用日誌(116)

<11/1>TL7M(Central Africa)on 20M  -ATNO-
10月末からスタートした中央アフリカ共和国のペディション。Single Operator ながら"DX Peditioner"の LA7GIAによるオペレーションなので期待は高まる。
10/31の16時過ぎに14.090MHz FT8(F/H)で初めて入感。2Slotsでピックアップしているが30分ほどコールするもリターンは得られず、この日はそのままフェードアウト。
翌日(11/1)、朝の7時頃からアンテナをショートパス方向に廻し14.090MHzで待ち構えていると、7時16分にCQシーケンスを捉えた。しかしながらSNRは-21dB程度と低くデコードが続かない。
断続的にコールしていると30分ほどして信号が上昇したタイミングで「+08」のリターンを得た。しかしながら次のピリオドからはデコードレベル以下に沈み、結局「RR73」未受領で終了。
午後14時半頃に再びワッチするとロングパスで強力に入感しており、数分コールして難なくWkd。後日、CLUBLOGをチェックすると午前中のトライも"In Log"となっていたが、さすがにこのDupeを回避することはできなかった。
11/3には18MHz CWでもQSOできたが、その他のBandではQRVの時間帯が合わず、結果として2Band Wkdに留まった。

<11/3>HD8R(Galapagos Islands)on 80M  -Band NEW-
10/26の21MHz CWでのQSOを皮切りに各BandでQSOすることができ、貴重なNEW Entity(ATNO
)と複数のBand NEWが得られた。
ペディション終盤で残すところ3.5MHzとなり、この日の夕方17時半過ぎに-13dB程度で入感。コール開始後10分程でリターンを得られたものの、Phoneと思われるQRMにかき消されてしまう.. それでもなんとか2シーケンス後に「RR73」を受領できたのは幸運であった。翌日にはCWでもWkdでき通算14QSOとなった。

<11/3>PJ7P(Sint Maarten)-Not in Log-
今年2月にQRVを確認したPJ7AAから追いかけ続けているセント・マーチン島(サン・マルタン)。これまでも何度かチャンスを逃していたが、今回のペディションでは "Focus on JA" をうたっていることから期待を寄せていた。
先方とのパスは早朝の10MHzおよび9-11時台の21MHz(ロングパス)が良好らしく、既に多くのJA局がQSOされている様子であったが、10MHzはアンテナの不具合、21MHzはQRVのタイミングが合わず(On duty..)なかなかコールする機会が巡ってこなかった。
ペディション終盤となったこの日、早朝6時前に10.145MHz FT8(F/H)で入感。10分ほど静観しSNRが-10dB程度に安定したのを機にアンテナチューナーで強制的に同調を取ってコール開始。暫くしてなんとか「-21」のリターンを得たがシーケンスは続かず、F/Hルールで敢えなく"三振".. 出勤時間となりコールは中止し、後ほどCLUBLOGをチェックするも "Not in Log"で今回も残念な結果となった。

<11/9>QSOs with Oceania on 6M
11/5にアルゼンチンが1エリアでも入感した(QSOされた)情報を得て以来、50MHzをワッチする頻度を高めていたが、オセアニア方面もコンディションが良好で昨日に続いて午後13時半頃からVK局が入感し始めた。未交信局を見つけてはコールしていると13時54分にFK8HMのCQシーケンスを捉え、直ぐにコールしたところリターンを得られた。ニューカレドニアは2局目となるが、同局はLoTW対応しており、思いがけずCfm 1Upとなった。
その後、多い時には1ピリオドで7-8局のDXが見えており、DUも3局同時に入感するなど、久しぶりの50MHz DXingの賑わいを見せた。


<11/21>PJ7FM(Sint Maarten)on 20M -ATNO-
先週末からQRVしているPJ7/UR5BCPを追いかける中、早朝からPSKRepoterをチェックしていると、21MHzから14MHzにQSYしている様子が窺える。
6時10分に14MHzをワッチすると10/16に取り逃したPJ7FMをコールする北米局を確認。次のシーケンスで-16dBで入感。SNRはピークで-11dBまで上昇している。
直ぐに370Hz辺りでコールを開始するもリターンは得られず次第にパイルアップも激しくなる。何度かQRXを繰り返しており、前回の入感時(21MHz)では最初のCQシーケンスを捉えるも20分ほどで突然見えなくなったことから、いつまでQRVが続くのか気が気でない..
ピックアップの傾向を見ると1000-2100Hzで分散しており、先にQSOされたJA局のTx Freqから50Hzほど下に空きを見つけてQSYしコール再開。
その直後、近接DFで北米局をコールするJA局が現れて、デコードできないシーケンスが続くが6コール目で「-13」のリターンを得られ、何とか「RR73」まで辿り着いた。
その後、入感は8時半頃まで続き、時折、近接局のQRMで見えなくなるも、1時間以上に亘り多くのJA局にサービスしてくれた様子。LoTWも直ぐにアップされてようやくサン・マルタンの重圧?から解放された。










2021年11月2日火曜日

180. 10月のレビュー

●DX運用状況
9月から引き続き複数のDXペディションがスタートし、またハイバンドのコンディションが良好な日も多く各バンドとも賑わいを見せた
今月もペディション局を追いかけながら、Band NEWを埋めていく運用で 172QSO(昨対比:127%)であった。NEW Entity(ATNO)は J5HKT(Guinea-Bissau)とHD8R(Galapagos Islands)で2つ伸ばし、Band NEWは24/28MHzのヨーロッパを中心に110エンティティを積み上げることができた。


●DXペディション
比較的規模の大きいペディションが重なるとQSOが進むに連れて、どの局をどのBand/ModeでWkdしたのか混乱し始める.. S9OKがCWで "QSO B4"を打ち返しているところを何度も耳にしたが、誤ってコールしないよう「星取り表」をつけてコールする前にチェックすることに。10月末での実績は以下のとおり;
J5HKT/J5Tのハイバンド(21-28MHz)は、QRVしている時間帯とワッチのタイミングが合わず入感することはなかった。
S9OKは、CLUBLOGのLive Streamを用いており、CWでも”In Log”がリアルタイムで解るので便利であったが、ハイバンドでのデジタル運用はFT4が多くデコードに至らずに不調に終わった。
HD8Rは、伝搬も良いことから初日に5BandでWkdできたが、最も強力且つ長時間に亘り入感していた10MHz/FT8はJA/EUの同時パイルが激しく翌日に持ち越し且つ苦戦した。

●3.5MHz WAC
今年5月から3.5MHzにもQRVできるようアンテナを整えて早朝を中心にワッチするも、先方のSNRが-15dB程度ではなかなかリターンが得られないのが現状。
このため少し距離を置いていたが、10/19の早朝に久しぶりにワッチすると3DA0WWが-15dBで入感。ダメもとでコールしながらHamspot.netをチェックするとこちらの信号がデコードされていることが判明。程なくして-13dBでリターンを得られ「73」も受領した。
リターンシーケンスは全てHint Decoder(*)に依存していたので、CLUBLOGで確認するまでは ”False Decode”の疑いが晴れなかったが、無事"In Log"を確認。
3.5MHzでのアフリカは、これまでZS局を2,3度見かけコールするもリターンは得られず、今回初めてアフリカ局とのQSOが叶い、通算8バンド目となるWACが完成。10/29に7P8RUをWkdできたのも幸運であった。

●アンテナ不調
VERSA Beam(KA1-404Lite)の不具合が未だ解消できておらず、
7/10MHzは最低限の運用に留めている状況
事象としては、バンドを7/10MHzに切り替えた際にSWRが極端に悪化することと、ディレクター1のエレメントが伸縮しないこと。
エレメント伸縮の不具合はコントロールケーブル(36P)の一部が断線していると考えるが、SWR悪化についてはラジエーター用のAEUを交換しても改善しないことからメーカーに調査依頼中

●50MHz QSL来着
9H1TX(Malta)はSAE送付から1.5ヶ月で到着。4L/DL7ZM(Georgia)は7月にPaypalで送金/請求したが音沙汰がないので、10月初旬にSAEを送付したところ20日後に返信があった




●DXCC Challenge
先月LoTWベースで1,000を超えたが、10月末にはDigitalモードのみでも1,047Cfmとなった。FT8運用開始から2年3ヶ月の計算になるが、当初からマルチバンドでQRVしていればもっと早かったかも知れない。Wkd ベースでは1,278まで来ているので、当面は1,500を目指したい


2021年10月2日土曜日

179. 9月のレビュー

●DX運用状況
SSN上昇の影響かハイバンドのコンディションが良く、特に9月後半は夕方から21-28MHzでヨーロッパ/
アフリカ方面のショートパスが良好であった。交信総数は157QSOとなり、昨年同月の21QSOからは大幅に増加。Band NEWとしては、67エンティティを積み上げた。
一方でローバンドはアンテナトラブルもあり局数的には伸びず、また、NEW Entity(ATNO)は入感することはなかった。

アフリカ方面では11エンティティとQSO。珍しいところでは9/18に Zimbabwe(Z21ML)を3年ぶりにFT8としては
初めてQSO。28MHzでは9/25に Namibia(V51MA)が入感し、激しいパイルアップとなったが幸運にも早い段階でWkdできた。


カリブ方面では特に目新しところは入感しなかったが、9/27に18MHzでBand NEWとなる8P(Barbados)を3局連続でQSOすることができた。

これまでカリブの未交信局は全てコールしてきたが、さすがにCubaはキリがないので(FT8
で既に150QSO)静観することが増えた。

DX Peditionは、現在進行中のものを含めマルチバンドで追いかけるなど楽しめた。伝搬的に易しい太平洋方面では3D2CR(Conway Reef)を6Band/3ModeでWkdできた。


●50MHz QSLカード来着
SAEで請求したEA8AQVとOQRSで請求したOD5ETのQSLカードが来着。また
T6AAのSAEを本国のスロベニアに送付したが、理由不明のまま送り返されてきたため、Paypalでの請求に変更。



●DXCC Challenge Award
今年4月末よりWARC Bandでの運用を開始したことを機に年内を目処にLoTWベースで1,000Cfmを目指してきたが、9
月末に24MHzで一気に伸長したことで前倒しで達成。

同アワードはいわゆるCertificate(賞状)の発行はなく、Plaque(楯)を申し込む(購入する)段取りとなるが、先ずはLoTWで未登録分(New Credits)を申請し1,000クレジットを確定させたのち、専用のOrder Formに記入してARRLに送付する流れ。
新たに416クレジットを申請しPlaqueを発注するとコストは$160ほどかかる見込み。


2021年9月19日日曜日

178. FTCの接続とメモリー設定

FTC(Frequency Tracking Controller)を用いて、TS990からの周波数データをICPW1とVERSA BeamのKA1コントローラーの双方に送り周波数(Band)をトラッキングさせているが、先般、KA1コントローラーの設定を初期化した際、パラメーター等の再設定に時間を要したことから、改めてケーブル配線/Pin配置等を再確認しメモリー設定値を備忘として残しておく。

<構成図>

ケーブル❶/❷はRS232C二股ケーブルを用いてパラレル接続。FTC側をMaster(データ送/受信)KA1側をSlave(データ受信のみ)にすることが基本であるが、ICPW1との接続では特に影響がないためケーブル❷のPin処理は未対応。コネクタはそれぞれD-sub/9Pinを用いてTS990からの周波数データを受信させている。

ケーブル❸/❺は無線機/リニアアンプ間のALC,TXG,PTT,DC出力および周波数データをFTCを経由して接続。
FTC側のコネクタはD-sub/15Pinを使用。周波数データはICPW1のRemote端子(CI-V)に出力し、リニア側から見るとICOM製の無線機が繋がっているように動作する。
このほかICPW1主電源を切っていてもコントローラーに13.8Vを供給することでアンテナセレクター機能を活かしている。

ケーブル❹はFTCの電源(13.8V)をTS990の外付けアンテナチューナー接続端子(6P)から供給させることでTS990の電源ON/OFFと連動させている。
なお、FTC本体が電源OFF時でもICPW1コントローラーに13.8Vが供給されるようFTC基盤のD2カソードとJ9(2番)をジャンパー接続。


<コネクタ/Pin配置 一覧>


<FTCメモリー設定>
メモリー書き込みモードは、電源OFFの状態からPOW/ABスイッチを押したまま電源ON。
現在の”EXciter Type”が表示されるので、メモリー設定00〜03を以下のとおり設定し、POW/ABスイッチ長押し後、電源OFFでメモリ書き込み完了。
FTC電源ON時の表示は以下のとおり;
分岐ケーブルでFTC側がSlaveとなっているため "ComEr1"が表示されるが、Master側のKA-1コントローラーの電源ONで "TS990" が表示され周波数表示(デフォルト)に変わる。


2021年9月4日土曜日

177. 8月のレビュー

●DX運用状況
50MHzのDXシーズンを終え、HFのコンディンションも夏枯れ時期のせいか芳しくなくアクティビティは低下したが、それでも幾つかのDX Peditionもあり、WARCバンドでのBand NEWの追いかけを中心にそれなりに楽しめた。アフリカ、カリブの主なQSOは以下のとおり;


●QSLカード来着
50MHzのBand NEWで
LoTW未対応局を中心にSAEを送付していたが、そのうち3局から返信が来た。

8月のBuro経由では、昨年50MHzでQSOしたドイツ局からのQSLカードが6通来ていたが、いずれも"Pse QSL"となっており、こちらからの送付に対する返答分ではなかった。
HFで比較的珍しいところでは、マリ共和国、パレスティナ、サンピエール・マカロン島などが来着。

QSLはDXCC用途以外では LoTW,eQSL,QRZ.COMなどの電子承認で事足りると考えているが、やはり苦労してWkdした相手局から手書きのQSLカードが届くと感慨深いものがある。一方、DX Peditionに多い4面フルカラーのQSLカードは豪華で見応えはあるものの、何故か未だに違和感を覚える。OQRSで$5〜で「購入した感」が残るからかもしれない。

●QSLカード作成
2018年に国内向け・海外向けにそれぞれ1,000枚づつ異なる印刷業者で作成したが、いよいよ在庫が枯渇してきたので今回は3,000枚を別の印刷業者に発注。
オモテ面、レポート面ともにオリジナルデザインで制作し且つ業者による校正無しとして単価は4円に抑えられた。
レポート面をPC/プリンターを用いた一括印刷を前提に白紙とすることも検討したが、QSLカード発行は50MHz DXを除いて、基本、先方からの請求ベースとしているので、発行数はそれほど多くなく、海外向けには手書きの方が趣きがあると考えてプリントすることに。QSOの大半を占める
FT8のレポート欄を記載して入稿。


●False Decode
6/3にキプロスとの初めての50MHz QSOとなった5B4AGNがCLUB LOGに反映されていないことに気づき、Screencopyを添付しメールにて照会したところ ”Not in Log" との返答であった。
2回目の「R-16」を受信した次のピリオドで「73」を受領したつもりであったが、このピリオドでは他のJA局をコールしていたらしく、またSNRは-24dBを表示しており "False Decode" であったと考える。
他のQSOでも同様のケースがあるため、SNRが-24dB前後の「73」シーケンス、特に少し時間が経ってからの受信には注意が必要であるが、今回のケースではQSOの流れ自体に違和感はなく、短いオープン時間でFalseを疑い再トライすることは困難であった。
この後、キプロスとは別の3局とQSO(いずれもLoTWでCfm)できているが、1エンティティ1局のワンチャンスであった場合、後になってこの"Not in Log"のシチュエーションとなるのは避けたいところである。


2021年8月15日日曜日

176. DX運用日誌(115)

<8/6>
●TY5AB(Benin)on 20M
早朝5時過ぎに14MHz FT8で西アフリカ ベナンのTY5ABが入感。SNRは-12dB程度であり直ぐにコールしリターンを得た。QRMのため「73」を受領できずにいたが、程なくしてeQSLが届きIn-Logを確認。

●Caribbeans on 17M -Band NEW-
9時過ぎから18MHz FT8で複数のカリブ局が入感。そのうちBand NEWとなるFS/W6IZT(Saint Martin)とJ69DS(St.Lucia)をWkd。

<8/8>
●3V8SS(Tunisia)on 17M -ATNO-
19時頃より18MHz FT8で北アフリカ チュニジアの同局をコールするJA局を確認。こちらではデコードできなかったが20時半頃になって-18dBで入感し始め、コール開始後5分ほどでリターンを得られた。その際SNRは-23dBであり、ぎりぎりのところで「RR73」を受領。
同局はこれまでCWコンテンストで何度かQRVを確認していたがQSOに至らず、また
18MHzでのATNOは初めてとなった。

<8/9>
●3DA0AQ(Kingdom of Eswatini)on 20M
16時頃から14MHz FT8をワッチしていたところ、東アフリカ エスワティニの3DA0AQのCQシーケンスが-19dBでいきなり入感。直ぐにコールしたところ「R-10」のリターンを得た。
アンテナは南東を向いており、真東に補正するとSNRは-15dBまで上昇。念のためアンテナを反転モードで西に切り替えると入感はしなかったことから伝搬はロングパスであった。

<8/14>
●YB0COU & DU6GG on 6M
16時頃に50MHz FT8でインドネシアの2局が入感。そのうち未交信のYB0COUをコールしリターンを得た。

その後、1時間ほどしてフィリピンのDU6GGが-21dBで入感。こちらも1stコールでリターンを得られた。50MHzでのDXは
2週間ぶりであった。


<8/15>
●5I3B(Tanzania)& TZ4AM(Mali)on 17M
17時過ぎから18.090MHz FT8で東アフリカ タンザニアの5I3Bが入感。3-4SlotsでのオペレーションのためSNRは良好とは言えない状況。ヨーロッパとJA局を50/50程度でピックアップしており結構なパイルになりつつあったが、コール開始後3分ほどでリターンを得て無事「RR73」まで辿り着いた

その後、18.068MHz CWで西アフリカ マリ共和国のTZ4AMがRST:579で入感。こちらはパイルアップもなく+1.3KHzでコールしリターンが得られ、Band NEWを一つ伸ばすことができた。
同局とのQSOは7/10/14MHzに続く4バンド目であり、いずれもLoTWでCfmできている。

2021年8月6日金曜日

175. 50MHz DXシーズン 振り返り

50MHz 初夏のDXシーズンを振り返り来期に向けた備忘として纏めておく。
FT8でのDXとしては2度目のシーズンとなったが、ヨーロッパ・北米局が入感した期間は昨年よりも長く、QSOは5/6のUX7LTからスタートし8/1のKF7CQまでの約3ヶ月におよんだ。

<サマリー>
Wkdしたエンティティは74、QSO総数は414となった。シーズン当初、入感する局は昨年QSOした局が目立ちQSO実績は大幅に下回るのでは..と懸念したが、結果として同じ期間の昨対比でエンティティ数で
は7つ多く、QSO数は近隣アジアを除き微減に留まった。
地域別に見るとヨーロッパがエンティティ、QSO数とも最多となったが、やはり”QSO B4”が多いことは否めず、QSO数は約3割減となった。

アフリカは昨年デコードできたTT8SN,Z81DやSU1SKの入感はなく、QSOはカナリア諸島のEA8AQV一局であった。中東は、レバノン、アフガニスタンを含め、8エンティティ/ 15QSOとなり、昨年よりも上回った。

北米はQSO数では4割ほど増加したが、エンティティは昨年同様 KL7,VE,W,XEのみであり、カリブは1エリアでコールされているのを何度か目にするもデコードできたのは7/10の一度限りであった。フロリダ半島辺りまでは良く入感したが、それ以上のパスは地域差もさることながら設備差に依るところが大きいと考える。

アジアはマカオ、パキスタンをシーズン序盤でWkdできたが、ネパールはタイミングが合わず(デコードもままならず)来期以降に持ち越しとなった。近隣のチベット(BG0)、インド北部の局が連日入感しており、QSOの可否は先方のアクティビティに依るところが大きい。なお、近隣アジアとのQSOについてはワッチを優先するため1エンティティ1局に控えた。

<Band NEW>
今期、新たにWkdできたのは15エンティティ。昨年入感するも取り逃したところ(4O,5B,9H,E7,GI,GM,OD,SV5)を中心に、新たにQRVしてきた局(HFでアクティブな局)や50MHz特化のPedition局などで伸ばすことができた。
QSOの多くが、信号が浮上したタイミングを捉えてのワンチャンスでのWkdであり、この辺りはアンテナゲインを増強したことが多少なりとも効いていたのかもしれない。
一方で、デコードするもQSOに至らなかったエンティティ/DX局は以下のとおり。
※日付は最初にデコードした日
・Asiatic Russia / R0CK(5/15)
・Liechtenstein / HB0CC(5/25)
・Luxembourg / LX1LA(6/14)
・Marshall Island / V7/KX4QD(6/18)
・Guernsey / GU8FBO(6/30)
・Greenland / OX3LX(7/5)
・Wales / GW7SMV(7/5)
・Cayman Islands / ZF1EJ(7/10)
・Nepal / 9N1CA(7/12)
・Chatham Islands / ZL7DX(7/14)

このほかに入感するもQSO済みのためコールしなかったDX局のエンティティ(A4,EY,LA,KH0,OH0,Z3など)を含めると、今シーズンの入感は約90エンティティであった。

1エリアで複数の局がコール&QSOされているのを確認するもこちらでは入感しなかったDX局(Band NEW)は以下のとおり。結果、1エリアでは100エンティティ以上の入感があったことが判る。
・YI1SAL(5/30)
・T77C(6/17)
・5T5PA(6/25)
・SU1SK(6/25)
・ZB2GI(7/4)
・EA9IB(7/5)
・CT3MD(7/7)
・MD0CCE(7/9)
・VP2V/K3TRM(7/9)
・CO8LY(7/11)
・P43A(7/11)
・WP4G(7/11)
・CN8LI(7/19)

<QSO数 Top20>
QSO数はアメリカ本土が144QSOと最多であり昨対比で4割増加した。ヨーロッパはフィンランドやポーランドなどの北欧とドイツが昨年の半数以下となった。


<WAS>
LoTWベースで2年間で50州のうち43州までCfmできた。思いのほか進捗したものの東海岸の入感頻度が少なく、またオープン時間が総じて短かかったため、CT,DE,SDなどを取り逃した。残る7州は以下のとおり。


アンテナを新調して迎えた初夏のDXシーズンであったが、一回のオープンで長時間且つ広域に入感する "Big Open"の頻度は昨年よりも少なく、特に期待していた夏至(6/21)前後は拍子抜けの感ではあったが、散発的で短いオープンが結構長く続いたことで十分にDXを楽しめた。

在宅時のアラート設定や外出時のリモート運用など、終日モニターに張り付いていなくても入感のチャンスを逃すことがないよう工夫したこともあり、幾つか残念な局面はあったものの、終わってみると当初の予想を上回る結果であった。