<経緯>
昨年のVERSA Beamトラブル以後アンテナに問題がないか目視チェックを行う機会が増え、年明けにも何気にアンテナを見上げていたところ、CL6DXZ-5のラジエータの片側がビーム方向に歪んでいるのを確認。
例えば鳥がエレメントに止まったとして、その重さで垂直(下)方向に曲がるのであれは合点がいくが、水平方向に歪むのは何とも解せない.. メーカーに問い合わせると、強風の影響ではないかとの事だがちょっと違う気がする。
アンテナアナライザーでSWR値を測定すると、50.5MHz付近のディップ点で1.2になっており、設置当初の1.0からは少し悪化している。この歪みが原因かどうか定かではないが(他の変化要素としては、6月にアンテナ直下のコモンモードフィルタを接触不良により取り外したこと)見栄えもあまり良くないので工事業者に連絡し、特に急がないので近くに来る機会があれば寄っていただくよう依頼。
変形している箇所はラジエータのUパイプであり、この部材(税別1,700円)だけを取り寄せることは可能だが、1年前に置換したCL6DXのラジエータと同じものであるため、交換が必要であればこれを用いることにした。
<工事概要>
4/6の16時半頃に工事業者から電話があり、ちょうど在宅(勤務)であったため、その日のうちに来ていただき工事を実施。その際にSWRのディップ点が200KHzほど下がるようUパイプのエレメント長の調整を行った。※取扱説明書によると±10mmで約250KHzディップ点が変動
作業はアンテナをエレベーターで下げた状態でアンテナマストから外し、タワーに沿って垂直に立ててロープで固定。その後、タワー中段でラジエータエレメントの補修を行う段取り。
歪んでいる側のUパイプを固定しているネジ(EC1)を緩めると、Uパイプを差し込んでいたラジエータのアルミパイプから抜け出す力が加わりUパイプを全て引き抜くと、ほぼ原型どおりに戻った。
結果的に片方のUパイプがラジエータのアルミパイプに強く押し込まれて変形したようであるが、この力が加わった原因は不明。1年前の設置当時に撮影した写真では真っ直ぐになっており、何かが起きたのは確かではあるが..
結局、Uパイプはそのまま差し戻して使うこととしエレメントを+10mm伸ばして固定。アンテナを元に戻し2時間程で作業終了。
<SWR測定値>
SWRのディップ点は50.3MHz辺りにまでシフトしたが、最良点でも1.2を下回ることはなかった。取扱説明書記載の特性曲線と少し差異はあるが、運用周波数範囲(50.1-50.5MHz)は1.2でカバーできており、フロントゲイン/FB比にも特段の影響はないと考える。
ちなみにアンテナアナライザーで広域(49MHz-54MHz)に亘りSWR値を測定すると、51.6MHz辺りでピーク(4.0)に達した後、再び下降に転じて53.0MHzで再度ディップ点(1.0)を迎える特性を示している。