1.9MHz帯(160m)の運用を始めるにあたり、アンテナチューナー(MFJ-989D)を改めて導入したので纏めておく。

昨年末、80m用 Inv-Vee の高SWR(2.0前後)対策としてMFJ-986 を導入したが、奥行き45cmという大きな筐体は現行のラックからはみ出し、使用頻度の少ない常設機材として置いておくのがためらわれたので一旦手放している。

■経緯
4月に160m用の短縮型 Inv‑Vee を新設するにあたり、低地上高による低インピーダンス化が予想されたため、より広い整合範囲を備えかつ筐体の奥行が短い同機種を探していたところ、状態の良い中古品を入手できた。
■特長
既に無線機材の製造を終了しているMFJ社がネット上で公開している 986 と 989D のマニュアルをAIを用いて比較検証。その結果、ローバンド運用における 989D の特長としては以下の点が挙げられる。
① 広範なインピーダンス整合範囲
両者のインピーダンス整合範囲(公称値 / 抵抗成分R)は次のとおり。・MFJ‑986 :35〜500Ω(1,500W PEP時)
・MFJ‑989D:6.5〜3,200Ω(1,500W 定格時)

この実測値は、以前使用していた986の整合範囲にも収まっているものの、160m帯の短縮アンテナは、抵抗成分とリアクタンス成分が同時に現れる負荷になりやすく、より広い整合範囲を持つ 989D の方がマージンが大きい。
② 回路構成と整合能力の差異
989Dは、大型エアバリコン(12cm×9cm)二基と高Qローラーインダクタ(10cm×5.5cm)を組み合わせた、オーソドックスなTネットワーク構成を採用している。
一方、986は一つのノブで操作可能な「差動コンデンサ(Differential Capacitor)」を用いる独自のディファレンシャル・T回路であり、調整の容易さが特長だが、構造上、両方の容量を同時に最大化することができない。そのため、160mの低インピーダンス負荷に対しては、追い込みの幅に限界が生じる。
対して989Dは、二基のバリコンが独立しているため調整には慣れを要するが、各々の容量を最大限に活用して、今回のような負荷に対しても、最適なマッチングポイントを追い込める自由度がある。
160m/80mのようなローバンドでは、整合のために大きな容量(C)と損失の少ないインダクタンス(L)が求められるが、989D の重厚なパーツ構成はこの帯域で真価を発揮する。特に80mでハイパワー運用する場合、この物理的な「大きさ」がそのまま耐圧性能と運用上の安心感に直結する。
③ 高耐圧・高信頼性のバラン内蔵
④運用性と設置性
・内蔵ダミーロード
989D は300W の非誘導ダミーロードを内蔵しているため、送信機のプリチューンや出力確認が単体で行える。・ピーク/平均パワーメーター
989D のメーターはピーク電力(PEP)と平均電力を切り替えて測定できる。なお、メーター駆動には外部電源(12V)が必須である。一方、986 は外部電源なしでもメーターが動作するため、この点は989D のデメリットと言える。・適正な筐体サイズ
989D の筐体は奥行きが35cmであり、986 よりも10cm短い。縦/横幅は986よりも4.5cm大きくなったが、ガラスキャビネットの上に設置しているFRG-7の上に乗せたところバランス良く収まった。


■マッチング状況・総評
各バンドにおける整合時(VSWR:1.1)のダイヤルポジションは以下のとおり。

160mの短縮型 Inv-Vee はインダクタンスが「37」(カウンター値)と少ない値で整合しており、アンテナ側が1.840MHz付近で良好に動作していることを示している。
実運用ではチューナー側で軽く補正するだけで整合が取れており、回路内の損失も最小限に抑えられていると考える。
80mの Inv-Vee においても妥当なインダクタンス値「71」で整合しており、バリコン側にも十分な操作上の余力を残している。
実際の調整では、ローラーインダクタのハンドルを回してゲージをマニュアルに記載されているプリセット値に持っていったところ、その周辺でストンとSWRが落ちて、あとは二基のバリコンを微調整するだけで完了した。いわゆる「追い込み」操作は不要であり、極めて素直な挙動であった。
以上により、MFJ-989D がどちらのアンテナに対しても無理なく動作しており、広い整合範囲と低損失なTマッチの特性が実測値からも裏付けられた。

160mの短縮型 Inv-Vee はインダクタンスが「37」(カウンター値)と少ない値で整合しており、アンテナ側が1.840MHz付近で良好に動作していることを示している。
実運用ではチューナー側で軽く補正するだけで整合が取れており、回路内の損失も最小限に抑えられていると考える。
80mの Inv-Vee においても妥当なインダクタンス値「71」で整合しており、バリコン側にも十分な操作上の余力を残している。
実際の調整では、ローラーインダクタのハンドルを回してゲージをマニュアルに記載されているプリセット値に持っていったところ、その周辺でストンとSWRが落ちて、あとは二基のバリコンを微調整するだけで完了した。いわゆる「追い込み」操作は不要であり、極めて素直な挙動であった。
以上により、MFJ-989D がどちらのアンテナに対しても無理なく動作しており、広い整合範囲と低損失なTマッチの特性が実測値からも裏付けられた。
また、整合時の各ダイヤルポジションは、今回の実測インピーダンスから想定される調整位置と一致しており、測定値とチューナーの動作が矛盾なく対応していることを確認できた。
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